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出産当日に退院?アメリカの出産事情

出産当日に退院?アメリカの出産事情

 

 アメリカで出産すると日本ほど長くは入院させてくれないということは結構有名だと思います。近年でこそ、保険会社も自然分娩の場合、2泊まで健康保険でカバーしてくれるようになりましたが、ひと昔前までは1泊がスタンダードでした。

 私の場合、このようなシステムに加え、最初の子供は産科医ではなく助産婦のもとで出産したことで入院期間が更に短くなりました。

 自宅にいて陣痛がくると病院に電話を入れ、何分間隔で陣痛がきているのか知らせることになっていますが、8分間隔程度では「あなたは初産だしまだまだね。家で待機していてちょうだい」と言われたりしてなかなか病院へ行かせてもらえません。

 待っている間に破水したことでやっと(?)病院へ来させてくれましたが、病院へは着いたものの「もう少し院内を歩き回ってくるといいわ、陣痛が進むから」とか「今のうちに食べて体力をつけておいたほうがいいから、食べてらっしゃい」みたいに言われウロウロと院内をさまよい、結果無事出産できたのが陣痛開始から19時間後の夜中の2時過ぎでした。

 アメリカでは珍しく完全自然分娩でしたので体力を消耗し、疲れ果てていました。そして体は長時間の激しい陣痛にさらされていたせいと、新生児がそばにいるせいもあり一種異様な昂ぶりでとても眠れません。夜通し1時間置きくらいで看護師が検診に来るし・・・

 それでも朝になり、小児科の先生が新生児検診に来てくれたりした後、助産婦の先生が 「どう?もうそろそろ家に帰りたいんじゃない?自宅でゆっくり親子3人くつろぎたいという人は多いのよ」とか言い出して、結局出産当日の午後5時過ぎ退院することに。病院滞在時間20時間といったところでしょうか。

 当時は私も若く、英語も下手だったし、何より相手に言い返してまで自分を主張するという概念がまるでなかったことが大きく、もう少し休んでいたいという希望を伝えることができずに「はい」と承諾してしまったのです。

 身体もまだまだフラフラしているので車椅子で部屋から病院の玄関まで押され、横づけにした夫の車に乗り込み帰宅。帰りにスーパーへ寄ることも忘れませんでした。 病院で指定された哺乳瓶を買うためですが、生後1日の新生児を抱いてスーパーへ行く私はかなり異様だったことでしょう・・・

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アメリカの健康保険システム

 なぜこんなことになるかというと、アメリカの健康保険システムのせい。 異常がない限り、自然分娩だと当時で1泊、今でも2泊までしかカバーしてくれないのです。

 ただ、最初はこの出産後すぐ病院を追い出されるシステムには抵抗がありましたが出産回数を経るごとに、産んだらとっとと自宅に帰ってゆっくり新生児育児をしたいな~なんて思うようになってくるから不思議です。やはり、数時間置きに看護師がやってきてくれるのは有難いことでもあるのですが、やはり落ち着かないからでしょうね。

 ただ大変なのは、産後1週間は母親の身体を診てもらったり、母乳の出や赤ちゃんの体重の増え具合など結構医療機関へ行かなければならない時期なんですよね。旦那さんが休みを取ってくれていたり、身内が手伝いに来てくれていたりすればいいのですが、身内も遠くにいて旦那さんも休みが取れないとなるとこの時期は大変です。

 私も実家は日本なので出産後数日でみずから運転して色々なところへ出向いていました。日本の家族から「産後は無理しちゃいけないよ~」などと言われても、ちょっと無理しないとやってけないから!って感じでした。その点、5日から7日病院でゆっくり出来る日本は恵まれています。

助産婦と産科医の違い

 ちなみに私は1人目と2人目は助産婦のもとで。3人目は産科医のもと出産しました。助産婦といっても病院で出産するところは同じです。この2つの大きな違いは産科医の場合、産気づいてから子宮口が全開になる頃じゃないと産科医の先生は来てくれないこと。逆に助産婦は陣痛が始まって病院へ来た時から付き添ってくれるということ。そして費用は助産婦の方が産科医より安く済みます。

 両方経験して思うことはやっぱり産科医のもとでしたお産が最もスムーズで安心できるものだったということです。また私自身若かったということもありますが、助産婦になるような女性は当然志高く自己主張も強めのタイプで、言葉も英語がネイティブでなく、ただでさえおとなしい私のような人間は言いたいことがあってもなんとなく飲み込んでしまうことが多かったです。

 まぁ3人とも無事生まれてきたので今となっては助産婦・産科医、どちらも良かったと言えますが、出産後、当日での退院は体がキツイ・・・若くして出産を済ませておいて良かったです。

[参考記事]
「ハワイで出産しました。無痛分娩だったが難産で苦しむ」

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