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アメリカの教育システムは小学校から実力主義。弱肉強食だ

アメリカの教育システムは小学校から実力主義。弱肉強食だ

 

アメリカといえばハーバードを始め、マサチューセッツ工科大学、イェール、スタンフォードなど、世界的にみても名門大学揃いです。

しかしその一方で、世界経済産業省OECDのレポートをみても、日本が常にトップ3位〜5位をキープしているのに対し、アメリカは10位に入るか入らないかの結果です。一体、日本の教育システムと何が違ってこのような差が生まれるのでしょうか?

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実力主義は小学校から

アメリカの学校では小学一年生からすでに実力社会です。能力のある生徒はいくらでも飛び級ができる一方、満足な結果を残せない生徒は小学一年生であろうと落第になります。日本では考えられませんよね?

地方や学校にもよりますが、小学3、4年ごろからは数学、理科がレベル別に分けられて、その科目の時間になると生徒は教室を移動し、各レベルにあった数学・理科の授業を受けに行きます。同じように、中学生が高校のクラスを受けに一日の中の1時間だけ近所の高校に行ったり、高校生が大学のクラスを受けるために近くのコミュニティーカレッジに行くこともごく普通にあることです。

このように、興味のある分野で特化する生徒は自分の学年問わずどんどん先へ進めるものの、そうでない生徒は容赦なく落とされるシステムになっています。いい意味で受け止めれば「各生徒にあった教育を、見合うペースで受けさせている」ということにはなりますが、せめて義務教育なのであれば日本のようにみんな一律のペースでも良さそうですよね。

大学でも同じ

この考え方は大学に入ると一層目立つようになります。日本の大学とアメリカの大学の違うところは、同じ学部、同じ選考、同じ学年の生徒でも、必要とされているクラスをいつどのタイミングで取るか、どんな順番でクラスを取れば4年以内に卒業できるか、というプランを組むのも全て生徒の責任です。

なので、1学期につき4、5クラスずつ取る生徒と、3、4クラスしか取らない生徒ではペースに差が出てくるのは当たり前です。結果、4年かけて終わらせる専攻を3年で終わらせる生徒もいれば、6年かけて終わらせる生徒もいます。

大学に限っては莫大な学費も発生してしまうのであえて時間をかけようと思う生徒は少ないですが、プランニング能力、時間のマネージメント能力、そしてチャレンジ精神の差が大きく結果に現れるシステムになっています。

クラス選考

もう一つのアメリカ教育システム特有のことといえば、クラス選考です。中学生から、生徒は各科目の時間割を自分で組み立てます。ですから、同じ学年の生徒でも、毎時間ごとに教室移動が行われ、2時間以上同じ生徒といることはごく稀です。このため、日本のような「クラス」意識は特にありません。

しかし、このシステムは生徒自身が長期的な視点で考えないととても傾いた教育になり得ます。例えば3年の中学の中で、物理、地理、化学、生物学、解剖学の中から3つ選んで取るとした場合、バイオロジーが好きという理由で化学、生物学、解剖学を選んでしまえば、その生徒は高校入学まで物理も地理も学ばないことになってしまいます。

もちろん高校に進学した後だって基礎知識がある授業を受けようと思いますよね。そこで同じように高校4年間も生物学、化学、解剖学など、バイオロジー方面のクラスを選びます。そうするとこの生徒は義務教育の中で物理や地理の教育を一切受けることなく高校を卒業してしまうのです。

結論

小さい頃から実力主義を叩き込まれるアメリカの教育システムは確かに長所は伸ばしてくれますが、自分で意識しない限り、特定の科目に関しては取り返しのつかないところまで置いていかれることだってあります。

長所や興味分野を伸ばすために進学する大学ならまだしも、義務教育の頃からここまで偏った教育になってしまうのは考えものです。大学に進学してしまえば関係ない、という人の意見もごもっともだと思いますが、義務教育であれば、日本の学校のようにもう少し均した教育システムでも良いのでは、という意見も一理あります。落ちこぼれると将来に渡って低賃金のままという状況になりかねません。

ですが、この弱肉強食的な教育がアメリカの強さを生んでいるとも言え、判断は難しいです。

[参考記事]
「日本とアメリカの就職活動の違い。人種差別はあるの?コネ入社は?」

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