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アメリカで凶悪犯罪を犯した犯人の家族がテレビに出る理由

アメリカで凶悪犯罪を犯した犯人の家族がテレビに出る理由

 

かなり慣れてはきましたがアメリカに住んでいて多少の違和感を覚えることの1つに、凶悪犯罪を犯した犯人の身内でも堂々とメディアに出てくるというのがあります。

最近でいうと50人以上の死者を出したラスベガスでの銃乱射事件。犯人の兄がテレビのインタビューに答えているのを見ましたが、日本人の感覚を持って見るとかなりの不快感を感じるものでした。どのような設定でこのインタビューが行われたのかわかりませんが、彼の自宅の前でサングラスをしたまま、コーヒーカップを片手に持ったまま、そして勿論普段着のまま。

もしかすると帰宅時急にメディアに寄ってこられたのかもしれませんが、それにしても逃げ隠れするわけでもなく、堂々とした受け答えでした。事件直後ということもあり混乱していたのかもしれませんが、被害者や遺族に対する謝罪の言葉などもほとんどなし。「申し訳ないとは思うが、自分も犯人とはいえ弟を亡くした。誰もこんなことを聞きたくはないだろうが弟は本当に良い奴だったんだ」とまで言っていました。

日本でこんなふうに凶悪犯の身内がメディアに出てきてペラペラ喋ったらどうでしょう?わかる人には自宅の場所も特定できるでしょうから、何らかの報復があってもおかしくないでしょうし、加害者側の身内もそれがわかるから息をひそめるように生きていくしかなくなるのではないでしょうか。

ではどうしてアメリカではこのようなことが可能なのか、もう1つの例を挙げてみたいと思います。アメリカでは、身内のことをよく褒めます。私がアメリカに来た当初、よく中年のご婦人等が「うちの息子は本当にハンサムでね」とか、「うちの美しい娘が」とか言うのを聞いて、まさにハリウッドスターのような容貌を想像していた私は、実際にその息子や娘に会ったときよく失望していました(笑)失望と言うか、驚愕でしょうか。もちろん、実際ひどい不細工だったということはなかったけれど、「こんな普通レベルであんなに褒めるんだ」という軽い驚きです。

我が夫も出会ったとき「うちの母親のチキンポットパイは世界一美味しいんだ」と言っていて、24歳だというのになんてマザコンなんだろう!と思ったものですがそれも後々大した意味はなかったんだと知ることになります。

また、自分が子供を持ってからも、同級生の親と接する中で「うちの子はバイオリンが弾けてね」とか「うちの子はバスケもサッカーも出来るの」とかいう台詞を散々聞きましたが、私はその子供を知っているので実際は個人レッスンもしていない、学校で週に1回習うだけでキラキラ星が弾ける程度の実力だったり、バスケもサッカーもやってはいるけれどたいして上手くないのに・・・などと心の中で毒づいたものです。

日本人からしたら、他人に対して上手いとか出来るとか言い切るには少なくとも学校で1番とか地域で入賞したとかいうレベルじゃないと言えないし、「綺麗とかハンサムだよ」とは地域のミスコンなどで入賞したとしても言わないだろうなという感想ですよね。

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アメリカは個人主義のゆえに…

この2つの事例を見てわかるように、日本人は身内をイコール我が身と捉えているのですよね。自分のことを「綺麗で賢い」と他人に言わないように、身内のことがどんなに誇らしくても他人に自慢したりしません。せいぜい「バイオリンすごく頑張ってるの」程度でしょうか。逆に身内が凶悪犯罪を犯したりしたらそれはもう自分自身の恥と捉えていたたまれない思いで一杯になるのだと思います。テレビに出るなんてどんでもない、世間に顔向けできない、どうやって償ったら良いのかと考えるでしょう。

ですがアメリカ人は身内とはいえ配偶者も我が子も親兄妹も「自分とは別個の人間」という感覚があるから、凶悪犯罪を犯しても堂々と褒めることもするし加害者の身内としてテレビに出ることも出来るのです。1998年にアーカンソー州の学校で起きた銃乱射事件ではマスコミが加害者家族の個人情報を公開したのですが、結果加害者の母親のもとに手紙が殺到したそうです。ただしそれは非難の手紙ではなく、激励の手紙。これには驚きましたが、社会全体が加害者の身内までを徹底的に責めるような風潮になってないということなんですね、加害者とその身内は別個人だから・・・。

ただ、凶悪犯罪を犯したらその周囲までもが悲惨な人生を送ることになるという日本の風潮はこれはこれで大きな犯罪抑止力になっていると思います。最初に書いたように日本人としては多少違和感を感じるアメリカのいわゆる個人主義ですが、とりあえず身内の良いところを堂々と褒めるという面は日本人も取り入れてもいいかもしれませんね。

[参考記事]
「アメリカに住んで20年の私が行なっている犯罪を防ぐための対策」

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