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車検の無いアメリカ事情。窓ガラスが割れてもテープで修理

車検の無いアメリカ事情。窓ガラスが割れてもテープで修理

 

日本では自分の乗っている車を2年に一度(新車は初回3年)車検に出し、「安全」を保障してもらう事が当たり前。ブレーキの効かないような危険な車が公道を走っていたら怖くて外も歩けませんからね。国が皆さんの安全を保障するのが日本流。

海外に目を向けてみるとどうでしょうか?車社会と言われるアメリカは全てが自己責任。今回はアメリカの車メンテナンス事情をお伝えします。

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車は必須の移動の手段

日本のように地下鉄や電車がそこまで発達していないアメリカでは、車は移動するための必須の道具・手段です。土地の広いアメリカ、食料を買い出しに行くのに車で高速に乗って隣町まで行かないとスーパーや店が無いという地域も少なくありません。 

そこで必要になるのが車。一人1台が基本なのがアメリカです。高校生が学校に通うのも車。通勤も車、買い物も車。それだけ毎日車が必要になると、当然メンテナンスも必要になります。

自己責任が全てのアメリカ

そんなアメリカ社会。多くの人の車がメンテナンスを必要とするはずですが、この国では車検がありません。日本のように国が各々の車の安全を保障するという事はなく、全てが自己責任。免許書、保険(対人、対物のみでもOK)それとライセンス・プレートがあれば、誰でも運転できます。ライセンス・プレートは免許書を持っている人がお金を払えば誰でも獲得できます。

車検が無いのであれば、どうやって自分の車をメンテナンスするのでしょうか?

タイヤ

アメリカでは雪が降ってもノーマルタイヤで走るのが一般です。相当な山奥に住んでいて、急な斜面を上り下りする必要がある(大抵、山の上の方に住んでいる人は富裕層が多い)場合は仕方なく交換するようです。

日本では雪の中をノーマルタイヤで走ると法令違反で罰金を取られますが、アメリカでは85歳のお婆ちゃんが雪道を普通にノーマルタイヤで買い物に出かけます。

もちろん、チェーンをしなければ走れない山越えの高速道路はあります。特に標高1000メートルを超える山道で大雪になると、さすがにチェーン装備が必要となり、付けていない車は警察に止められます。最近ではお婆ちゃんでも簡単につけられるハイブリッド・チェーン(非金属)が主流になってきました。

ヘッドライト・テールランプ

車のヘッドライトは夜道の命綱。さすがのアメリカでも両目が切れて真っ暗のまま走っていると警察に止められます。ここで驚くのがアメリカ人のDIY(Do It Yourself)精神。大抵のアメリカ人(女性も含む)は、近くの車パーツ販売店(Auto Zone等)で電球を購入し自分でヘッドライトをこじ開けて交換してしまいます。

そのため、車のパーツ販売店では大抵の一般車のパーツを多数用意しており、車種、モデル、年台を指定すれば簡単に交換部品が手に入ります。そういったパーツ販売店の店員は車好きが多く、購入後は親切に交換作業を手伝ってくれたりします。

DIYも度が行き過ぎると見た目に支障が出てきます。ヘッドライトやテールライトのカバーが割れて穴が開いてしまったり、外れてしまったという場合、日本人の常識からすればディーラーに任せて確り修理してもらい、安全を確かめてもらうというのが一般的でしょう。

アメリカは違います。こう言ったダメージの場合は色付きビニールテープやサランラップが活躍します。赤のテープは「ブレーキ」、黄色のテープは「ウィンカー」と色を使い分け、まるで何事もなかったかのように公道を走ります。これは稀な例ではなく地域によりますが、かなりの頻度で見かけます。人の芸術的感覚や手先の器用さが車に出るのがアメリカ車。

窓ガラス

前の車から小石が飛んできてフロントガラスに小さなヒビが入ってしまった。なんて経験あると思います。特に冬から春にかけて温度が変わる時には、ヒビの入り方次第で割れ目が広がってしまい危険です。日本の車検では必ずチェックされる項目だと思います。

アメリカではどうでしょう? 「前が見えるからいいじゃないか」が基本です。どんなにひびが入っていようが、「まだ割れていない」と言って走り続けます。

車上荒らしはアメリカでは多く見かけます。特に丁寧にロックを解除して侵入するのではなく、窓ガラスを割ることも多いです。そんな時アメリ人はどうするか?ここでもサランラップが登場します。ガムテープとサランラップで窓ガラスを覆えばノープロブレム。さすがに真冬の雨や雪の際は寒そうですが、これも車検のないアメリカ。全ては自己責任です。

アメリカという国は何を保障するか

なんとも「いいかげんな国アメリカ」のイメージがありますが、そんなことはありません。雪が降れば間違いなく除雪車が出動し、塩化カリウム(凍結防止剤)をまき散らすので、ほとんどの大通りは凍りません。特に雪の多い地域はこの除雪プロセスが予算に入っていますので、雪で道が凍るような寒い日でも普通に通勤できるわけです。

もう一点、アメリカが力を入れている事。それが環境保護です。地域によりますが、場所によっては毎年エミッション(排気ガス)テストが義務付けられ、合格しなければライセンス・プレートを失効させられるというケースもあります。

いかがでしたでしょうか?自分の車は自分で守り、それに対してアメリカという国は車環境と空気汚染をサポートする。長年この国に住んでいると車の機能や小さな部品の知識を知っているのが当たり前となり、いざという時のサバイバル術が身に付きます。 

[参考記事]
「ラオスの恐ろしい交通事情。10歳の子供が煙草を吸いながら運転」

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