タイに来たことがない人にとって、タイはどのように映っているのでしょうか。初めてタイに来た方々がみんな驚くのは、超高層ビル群やモノレールや地下鉄です。タイはまだ発展途上国ですが、経済成長は右肩上がり。では、そのタイ人の給料っていくらなんでしょうか。
タイの最低賃金の推移
2010年ごろからのタイの一日の最低賃金の推移をみてみましょう。ここでは、首都バンコクでの数字をみていきます。
2010年1月→206バーツ
2011年1月→215バーツ
2012年4月→300バーツ
2013年1月→300バーツ
2017年1月→310バーツ
2012年4月に一気に300バーツに引き上げられています。これは、当時のインラック首相が支持拡大の狙いもあり、地方在住者の賃金引き上げを促進するための政策を行なったからです。この賃金の引き上げにより、タイの人たちの所得も上がることになりました。
タイの平均月収は?
それでは、タイの正社員の方々の平均月収はいくらくらいなのでしょうか。ジェトロの資料を見てみると製造業の中間管理職でも月給が16万円ですので、日本の新入社員よりも少ないですね。その他のワーカーは4万円前後となっていますので、日本の高校生のアルバイト程度でしょうか。
賞与(ボーナス)の平均は、データによると月給の3.08ヶ月分ということですが、自動車関係の会社の賞与が極端に高いです。非製造業(サービス業)などは、だいたい1ヶ月分という会社も多いです。
これが今のタイの所得水準ですので、日本がどれだけ先進国かということが分かりますね。
[製造業]
ワーカー(一般工職)→12,425バーツ(約40,000円)
エンジニア(中堅技術者)→ 23,500バーツ(約76,000円)
中間管理職→ 49,987バーツ(約160,000円)[非製造業]
スタッフ(一般職)→ 21,750バーツ(約70,000円)
マネージャー →52,472バーツ(約170,000円)
店舗スタッフ(アパレル)→11,119バーツ(約36,000円)
店舗スタッフ(飲食)→11,119バーツ(約36,000円)
(出所:ジェトロ)
タイのアルバイト・パートタイムの時給は?
それでは、タイでのアルバイト・パートタイムの時給は、いくらなんでしょうか。だいたいどこも同じような募集案件が多いですが、コンビニエンスストアなどの求人を見ていると、パートタイムは時給40THB(約130円)が相場ですね。日給は、最低賃金の300バーツ(約1000円)という募集が多いです。これらの仕事に付く人は、やはり大学などに行っていない教育の機会に恵まれなかった人たちが付くことが多いです。
タイでタイ人が高給取りになるためには!
タイ人が給料の高い職種に付くためには、やはりまだまだ教育が必要と感じます。大学に行っていないと、なかなか良い職種がありません。教育を受けていない場合は、どうしても最低賃金の300バーツ/日で働かざるを得ないような状況です。
また、タイには日系企業が4500社以上も進出していることもあり、日本語が堪能なマネージメントができる人材を求めていることが多いです。該当するタイ人は、上記の金額よりはるかに高い給料をもらっています。日本語検定N1レベルで3年以上のマネージメント経験のある人材は、最低でも60,000バーツ(約190,000円)で、80,000バーツ(約260,000円)という募集も見かけます。
まとめ
いかがでしたか。タイ人のお給料のお話し。高いですか?安いですか?それとも、予想通りですか?中進国の罠にハマっていると言われて久しいタイですが、昨年の10月にこれまでの300バーツの最低賃金を改定し、2017年1月に実施されました。引き上げ幅は日額5~10バーツ(約15~30円、1バーツ=約3円)で、各県の経済状況などを考慮して異なっています。
中所得国の罠とは?!
「中所得国の罠(middle income trap)」とは、世界銀行が2007年に『東アジアのルネッサンス』のなかで提示した枠組みであり、安価な労働力や外資誘致などを活用して経済成長を実現したアジアの中所得国が、産業構造の高度化や技術革新への努力を怠れば、時間とともに成長が鈍化し、高所得国への移行が困難になるという考え方である。引用先:日本総研
今後、タイの経済然り給料が上がっていくためには、タイ人のマネージメント能力の向上や技術の高度化が必須でしょう。
[参考記事]
「タイ王国で日本人が自殺したり殺される原因は何か」
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