ベトナムでベトナム人と結婚をする時は、色んな意味でとても面倒だ。それはベトナム人と外国人が結婚する時はもちろんだが、ベトナム人同士の場合も同じである。
私(日本人)がベトナム人女性と結婚した際に感じたこと
一言で言うと「手続きが面倒」に尽きる。
まず第一に指定病院が発行する健康である証明書が必要となる。この証明書にはいつも悩まされる。
なぜかというと、ベトナムでは就職する時やバイクや車の免許を申請する時、パスポートの取得の時は必ず健康である証明書が必要なのだ。
ということは、この証明書をもらおうと、病院は長蛇の列が出来ている。病院は平日しかやっていないため、みんな仕事を休んで病院に来て証明書をもらうのだから、全く生産性が悪すぎる。そして、結婚する時にもこれがあるので、とても面倒だ。私が手続きした時は1日がかりで証明書をもらった。
第二に、ベトナムには住民票が存在しない。
それがどう結婚の手続きに影響するかというと、自分が住んでいる地域の役所で手続き出来ない可能性がとても高い。なぜなら、住民票が無いため、本人を確認するには戸籍がある出生地の役所に行かなくては確認が出来ない。
例えば、北部のハノイに生まれて、現在は南部のホーチミンに住んでいる場合は、いちいちハノイの役所まで行き、手続きをしなければいけないのだ。それも、申請時と受領時の2回も行かなくてはいけない。これは本当に面倒で、私も彼女の故郷へ夜行バスに7時間揺られて行っていた。それも平日しか役所はやってないので仕事を休んで…。
第三に、外国人相手との結婚はもっと面倒くさい。
日本人の場合、まずは日本から戸籍謄本の原本を入手する必要がある。もし家族が送ってくれるならいいのだが、送れない場合は日本に帰らなければいけない。
そしてその戸籍謄本を日本大使館に持参し、独身証明書をGETする。その証明書を公証役場でベトナム語に翻訳し、ベトナム外交部で公印を押してもらい、それをベトナム人民委員会に提出しなければならない。
まだお相手のベトナム人がハノイやホーチミンで生まれた方ならいいが、田舎の役所に提出すると、外国人との結婚手続きが分からず、とても面倒なようだ。
このようにベトナムの結婚手続きはとても時間がかかり、面倒だ。
ベトナム人の結婚観
次に、ベトナム人の結婚観を見てみると、やはり女性のほうが結婚に対する関心は高い。ベトナムの女性は25歳を過ぎると婚期を逃したと見られるようで、20代後半の女性はすぐにでも結婚したい願望が強い。
20代前半で結婚する女性は、学生時代から付き合っている男性と結婚する割合が強く、知り合いのベトナム人は高校時代から7年付き合って結婚した。
なぜ、7年結婚しなかったのか聞くと、お互いの経済能力が整ってから結婚したそうで、用意周到に準備して結婚するようだ。あまり日本でいう出来ちゃった(授かり?)婚のような話は聞かない。
男性側は、結婚に執着していないが、女性に身を任せて結婚する流れが多い。やはりその点でもベトナム女性は強い。
ベトナムでの結婚の流れ
結婚式等の流れは、色々なやり方があるが、基本的には結婚手続きをして、籍を入れて、女性の実家で婚約式(結納)を済ませ、その後結婚式を行うのが通常だ。
婚約式はお互いの家族同士で形式的な順序で行うため、少し厳かな雰囲気があるが、結婚式は本当に自由だ。
だいたい結婚式は3日間続く。1日目は男性の実家で、2日目と3日目は女性の実家で行われる。そして、だいたい昼過ぎから始まり、夜遅くまで続くのだが、何をするわけでもない。新郎新婦は来た人と談笑したり、食べ物を食べたり、お酒を飲んだり。出席者は自由に来て食べて、カラオケを歌い、そしてそこらへんで寝ている。もちろん、ウェディングケーキやキャンドルサービスなんて全くない。ただ自由に飲み食いして終わるのだ。
最近は富裕層や中間層を中心に、ホテルで行う披露宴も増えてきたが、それでも式の内容としてはあまり変わらない。
ベトナム人と結婚する際の注意点
最後に、ベトナム人と外国人が結婚する上での注意点だ。ベトナムはまだまだ農村部を中心に貧しい国である。日本人のような外国人と結婚すると、お相手の故郷では大騒ぎになる。それはお金持ちになれるのもあるし、異国の人が家族の中に入るので、動揺しているのもある。
なので、我々日本人とすると、誠意を持って接する必要がある。ご両親にプレゼントを贈ったり、毎月何かしらな援助が必要となるかもしれない。それは日本人としてはあまり良い印象は無いが、家族を大事にするベトナムにとって、それは絶対に必要なことだ。お相手のご両親にとって、日本人は未知の生物なのだろう。その点でもしっかりと誠意を示すことが必要不可欠である。
このようにベトナム人と日本人の結婚は障害も大きいが、結婚する上で越えなければいけない壁である。ベトナム人は家族意識が強いので、それごと包み込む心が必要である。この壁を越えてこそ結婚生活が円滑にいくと思うので、しっかりと準備を整えた上で臨むのが一番だろう。
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