私はアメリカ人と日本で結婚し、その1年後、彼の出身地のアメリカに引越しました。アメリカに住んで9年後、子供を授かりましたが、価値観の違いから離婚する事を決めました。離婚で娘の親権が決まるまでは別居です。
親権を取った暁には日本に帰国する選択もあったのですが、6才の娘が祖母、祖父と離れたくないと言ったので、このままアメリカで育てていこうと決心しました。
離婚を決めた年の夏休みには娘を連れて日本の実家へ帰り、両親、妹家族と暮らしていましたが、娘は同年代の従弟と仲良くしていました。
アメリカに帰った後、居心地が良かったのか、突然、娘が日本に住みたいと言ってきて驚きました。そのことを彼女の父親に伝えましたが、彼は「それは娘の意見ではなく、あなたが希望しているんだろ」と言って、受け入れてくれませんでした。
私は娘と日本に帰国したかったので、このチャンスを逃がさないよう弁護士を雇い、アメリカで裁判する決意をしました。娘の親権を争う裁判です。
裁判
国際離婚の際、子供を連れて母国へ帰国したい場合、裁判になるケースが多いのです。裁判の勝率は50対50で、ケースにより異なります。
日本では母親が子供の父親に会わせないケースが多いですがアメリカでは父親は子供に会う権利があるとされます。暴力や麻薬などのケースがない限り、離婚時に訪問スケジュールを決めます。
勝訴に必要な条件
裁判官は子供の事を優先に考慮します。私のケースでは子供から父親への日本行きを希望する手紙、子供と従弟のラインの会話などが証拠品になりました。
アメリカと日本での住む状況も比べます。給料、家賃、家族環境、学校、友達、どちらの国が娘にとって良い環境であるかを考慮します。
嫌悪
裁判官を味方につけて裁判を進めようと思ったので、実力のある弁護士に依頼しました。弁護士は経歴で時給が変わります。時給を稼ごうとする悪質弁護士もいますから気を付けて下さい。現在はネット上で評判が見れるのでとても探しやすいです。
相手も弁護士を立てての争いです。彼は裁判中に恋人と登場し、その女性は私の子育ての仕方を否定しました。相手側の弁護士は私に非になるような事ばかりしてきます。弁護士同士も争いです。
もう、こうなれば相手への嫌悪だけになってきます。結婚して子供を授かった感謝の気持ち、楽しい思い出は裁判になると無くなります。相手の小さい心、嫌な所ばかりを見る事になります。
相手は嘘もつき、私の悪口を言い、子供の帰国許可を出さないようにしてきました。最初から娘の「日本に住みたい要望」を大きな心で受け止めてあげていれば粗探しのこんな争いをする事にならなかったのにとずっと思っていました。
勝訴
調停もしましたが相手は合意しませんでしたので、友人2人と母親を証人として裁判に立てました。
結果は勝訴しましたが、条件の1つとして「年に2回、娘がアメリカへ父親を訪問すること」でした。私は年に1回を主張しましたが、それでは少なすぎるとの相手の主張だったのでこちらが折れました。今となっては1回が良かったとほんとに思いますが、何より判事が私の主張を受け入れてくれ、賛同してくれたからこそ娘と日本に帰ることが出来たことに感謝しています。
日本から裁判の為に来てくれた母と応援してくれた友人と喜びを分かち合いました。今、娘と日本に住めている事がとっても幸せです。
国際結婚の時はこんなことになるとはもちろん思っていませんでした。私は勝訴しましたが、裁判で負けて、子供とアメリカに住み続けなくてはいけない人もいます。国際離婚はとっても大変です!
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