Read Article

広告

フランスの幼稚園のママ友事情。シッター化に要注意

フランスの幼稚園のママ友事情。シッター化に要注意

 

 私には、日仏ハーフの4歳になる娘が一人います。フランスでは、3歳になる年の9月から幼稚園なのですが、娘は11月生まれのため、入園当時の9月にはまだ2歳と10か月。私も娘も幼稚園に慣れるまで、少し時間がかかりました。

 その中で心がけたのは、園の遠足や半日社会見学のような行事には、親である私も積極的に同伴に参加して、娘と一緒に幼稚園に馴染むことです。遠足や社会見学の外出の際は、1クラスにつき3人程度の親のボランティア同伴を募るのですが、その際に積極的に手を挙げました。

 でもさらに気を付けたのは、様子がわからない他のママさん達との関係です。フランスにいると、日本人はにこやかで優しい、何でも頼みごとを聞いてくれるという印象があるのか、過去に仕事面でもよいように扱われ、苦汁を飲まされた経験もあるので、幼稚園でも最初は少し様子を見ながら人間関係に気を付けました。今回はその中で学び経験した、フランスの現地幼稚園のママ友事情について書いてみたいと思います。

広告

便利なシッター化に要注意

 娘は今、年中クラスですが、年少の時、同じクラスにアメリカ人ママとフランス人パパのハーフの女の子Vちゃんがいました。Vちゃんのママは自宅でアート関係の記事執筆の仕事をしていて、Vちゃんの送迎は自宅にいるママの役割。

 ちなみに我が家も主人の仕事の関係で幼稚園送迎はほぼ100パーセント私の役割です。毎日の送迎で顔を合わせるたびに挨拶をし、まだフランス語がたどたどしいVちゃんママとは英語で会話をするうちに親しくなり、クラスが変わった今でもよく立ち話をする仲です。

 年少クラスに慣れ、半年が過ぎたころから、疲れた顔で慌ただしく、他のクラスメイトの子供も連れて、おやつを食べさせながら公園に連れていく彼女の姿を目にするようになりました。聞けば、ほぼ毎日のように他の子供のママさんから、仕事が終わり帰宅するまで自分の子供をVちゃんと遊ばせてくれないか、と頼まれてしまうそうです。

 フランスの幼稚園は通常保育は16時半まで。後は必要であれば18時半まで学童が同じ幼稚園で開いています。幼稚園は、給食を使わなければ基本無料ですが、学童は各家庭の収入により支払金額が決まり、所得に応じて指定された金額を払うシステムになっています。ゆえに片親のみの収入の場合、大した金額にはなりません。

 しかし両親がフルタイムで働き、ある程度の所得がある場合、給食費及び学童費はちょっと懐の痛い金額になるようです。ですので、今回のVちゃんママのように、自宅で仕事をしていて時間に比較的融通が利く親に甘えて預かってもらうパターンは非常に多いようです。

 こんなVちゃんママを見て、私は周りのフランス人ママ友に「仕事は何をしているの?」と聞かれると、防御線のため「不規則で外に出ることが多い仕事」だと説明するようになりました。なので、今のところ、幼稚園のほかの子供を預かったことはありません。

 仕事でお迎えが遅れる日がある仕事なら、お互い様だから、そういう助け合いに参加するのもありだと思います。しかし我が家の場合、私が1日中仕事に出る日はほとんどないですし、仕事の日は主人の休みと調整しあっているので、他の子を預かれば、私が預かるばかりになってしまうし、自宅で仕事も進めにくくなってしまう、と考えると難しいです。

「親しさ」の濃度

 年少の1年は、他のママさんやパパさんとも挨拶だけで、特に連絡先を交換することもなかったのですが、年中になり、幼稚園で友達も増えてきた子供達の間で、お互いのお誕生日会に呼び合うという習慣が始まりました。

 娘も数か月に一度、友達から誕生日会の招待状をもらい、プレゼント持参で何度かお邪魔しています。娘自身の誕生日にも、娘が招待したい友達を自分でリストアップし、計7人招待しました。誕生日会当日は、親は友達の家に子供を送り届け、お開きの時間にまたそのお宅にお迎えに行くという、完全親抜きの誕生日会が常のようです。フランスでは、子供の関係に親が必要以上に介入するという習慣がないので、逆に親がずっと傍にいるほうが過保護で不自然なのかもしれません。

 そんな子供達の行き来が始まると、万が一のため、連絡のために親同士、携帯番号を交換するようになりました。これまで私はMちゃんママとスーパーで立ち話するぐらいの関係だったのですが、携帯番号を交換してからというもの、彼女からお勧めの子供向け風邪シロップ情報や、お勧めの小児科医、一般医情報など一方的に連日のように送られてくるようになりました。

 例えばある朝、うちの娘が咳をしていると、後からSMSで「娘さん、風邪をひいているようだから、どこどこの風邪シロップをお勧めするわ。うちの子供二人はこれを飲んでから風邪は、初期で治るようになったのよ。」など。うっかり「この辺りでは見つからないから他のシロップ飲ませた」などと返すものなら「なら、私が行きつけの薬局で注文してきてあげる。何本ほしい?」となります。

 この時は、遠出した時に他の薬局で見つけたから大丈夫、ありがとう、と誤魔化して逃げたものの、優しさの押し売りがちょっと激しくて疲れてしまいました。しまいにSMSの返信の時間を空けてからするようになると、ある日、近所のスーパーで会った際、「最近、私のこと避けてない?」とダイレクトに。慌てて笑顔で否定した私。日本人得意の笑顔で返したから、苦笑いの図星だとはばれてないと思います。

 以来、Mちゃんママとすれ違うたびに、あえて笑顔で軽く挨拶して通り過ぎるように。避けているとも思われたくないですから。理想はつかず離れずの距離。この距離感がなかなか難しい相手もいるようです。

 以上、フランスの幼稚園2年目の私が経験したママ友事情。まだ幼稚園は1年半ありますし、今後も小学校と続くので、不自然に思われない態度で、うまく距離を保ちながら他のママさん達とも付き合うことを心がけていきたいと思っています。

[参考記事]
「フランスの公立幼稚園は無料だけど有料の私立幼稚園が人気な理由」

URL :
TRACKBACK URL :

Leave a comment

*
*
* (公開されません)

Return Top