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フランス人のバカンス事情。有給を使ってどこに行くのか

フランス人のバカンス事情。有給を使ってどこに行くのか

フランスでは、正社員、契約社員、派遣社員いずれの場合も労働者としての有給休暇を取る権利が法律によって保障されています。

日本でも労働法において有給休暇の権利は保障されていますが、職場によっては周りの状況を見ると取りづらかったり、取れても3日ぐらいだったりと、フランスのそれと比べるととても少なく感じます。

実際、日本で働いたことのあるフランス人の友人も、日本は有給が取りづらいからバカンスにならないと話していました。そこで今回は、フランス人のバカンス事情についてお話ししたいと思います。

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フランスの有給システム

フランスでは、正社員、契約社員の場合、毎月2.5日分の有給休暇を貯めていき、年間でトータル30日分の有給を取ることができます。もちろんこの30日間には土日祝日は含まれません。この貯めていった有給は、毎月家に届く給与明細にも表記されており、フランスの会社で働いていた頃はこの数値が増えていくのが楽しみの一つでした。

有給はその年の6月1日から翌年の5月31日までの間に貯めた分を、6月1日から使える決まりになっています。例えば2018年の2月1日から仕事を始めた人は5月31日までに2.5×4カ月分、つまり10日分の有給を貯めることになり、2018年の6月1日から2019年5月31日までの間にその10日分の有給を使えることになります。

有給は労働者の権利ですので、取らないでいると人事から取るように催促までされるぐらいです。

バカンスに生きるフランス人

正直、フランス人はバカンスを取るために仕事していると言っても過言ではないでしょう。我が家のフランス人も例に漏れず、次のバカンスはどこに行こう、何をしよう、そればかり考えているように見えます。

フランスで、一度に取れる有給は土日を含まない24日間までと決まっています。それに土日を合わせれば、かなり長めの休暇になります。なので、日本人がよく取る短い休みとは違い、どこか遠くに旅行にいったり、別荘を借りてのんびりしたりなど、様々なバカンススタイルが楽しめます。

冬には一週間のスキー、短いクリスマス休みには地方の実家に帰って家族と過ごし、夏休み前になると、同僚たちのランチの話題は「夏休みどうする?」の話題で盛り上がります。バカンスが仕事の励みの一つになっているのです。子供がいる人は、子供の長期休みに合わせて取り、子供がいない人は学校の休みとずらして取り、同僚同士で日程を相談、調整するのが一般的です。

フランス人に人気のバカンス先

ヨーロッパ内だと、スペインやイタリアが定番ですが、あまりに近いため、この辺りはちょっと長めの週末旅行的な目的地として人気です。

ちょっと長めの一週間以上のバカンスになるとDOM-TOMと呼ばれるフランスの海外県であるグアドループ島、マーティニック島、レユニオン島、サンマルタン島などが人気です。実はあまり外国語ができない人が多いフランス人。旅先でフランス語が通じて、きれいな海があって、となるとDOM-TOMは理想的なバカンス先なのです。

DOM-TOM とは、フランスがヨーロッパ以外に有する土地の総称である。

旅慣れたフランス人には、アジアも人気の旅先のひとつで、フィリピンやベトナムに足を運ぶフランス人も少なくありません。私の義両親もよくフィリピンのセブ島あたりにスキューバダイビングをするために訪れています。最近はちらほら日本を旅行するフランス人も増えてきたようで、東京の渋谷あたりを歩いていると、フランス人観光客とすれ違うことも以前ほど珍しくはなくなりました。

外国を訪れるフランス人もいれば、未だにフランスから出たことがないというフランス人も少なくありません。実際、私のフランス人友人の一人は、飛行機が苦手、さらにフランス語しか話さないため、あまり外国旅行には興味はないそう。そんな彼は、毎回バカンスのたびにフランスのブルターニュ地方に兄弟と別荘を借りたり、南フランスのビーチに太陽を浴びに行ったり、フランス国内でのバカンスを楽しんでいます。

まとめ

よく私の日本の友人には「ご主人またバカンス?」と言われてしまいがちな、フランスのバカンス事情。確かに日本人の感覚で見ると、本当に多いです。幼稚園のバカンスは2~3ヵ月に一度二週間程度の休みがあり、夏休みは一カ月半お休みですが、そこまでとは言わずとも、会社勤務の大人の休みも多いです。まるでバカンスの「合間」に働いているようなフランス人、皆さんも機会があれば一度フランスにきて、フランス人流にバカンスも楽しみながら働いてみるのも良いかもしれません。

[参考記事]
「フランスのワイナリーを視察し、古城に宿泊しました」

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