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フランスのワイナリーを視察し、古城に宿泊しました

フランスのワイナリーを視察し、古城に宿泊しました

 

 ふとしたきっかけからフランスのワイナリー視察に出掛けることになりました。ご存知の通り、フランスでは各地でワインの生産が盛んで、とりわけボルドーやブルゴーニュ、シャンパーニュ、アルザスといった地名は、別にワインに興味のない人でも名前ぐらいは聞いたことがありますよね。

 ボルドーワインの色は「ボルドー色」というほどボルドー地方は赤ワインの象徴にもなっています。また、château(シャトー)というフランス語の本来の意味は「城」ですが、ボルドー地方に限っては格付けされたランクの高い「葡萄農園」を意味します。それほど、ワイン文化がフランスに浸透しているということです。

 フランスのワイナリーを見学された方も大勢いると思いますが、私がフランスへ飛んだのは今年(2017年)3月の後半。何せ思い立ってから出発まで余り時間がなかったため、大急ぎでの準備でした。なかなかワイナリーというのは見学できるとは限らないのですよね。まあどんな業界でもそうでしょうが、ある程度位が高くなってくると、なかなか見せてくれないものです。自動車業界や航空機業界も同じですが、ワイン業界ではボルドー地方がそれに当たります。

 それでもいろいろとルートを通じて、何とかシャンパン地方のアルフレッドグラシアン、ボルドーのシャトームートンロートシルト、そしてブルゴーニュのオリヴィエ・ルフェーヴの3つを駆け足ながら今回は見学することができました。

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シャンパン地方

 アルフレッドグラシアン(Alfred Gratien)はフランスの東部、シャンパーニュ地方にあり、パリから行くにはランスまで行って、そこで電車を乗り換えて最終目的地エペルネまで行かねばなりません。日本と違ってフランスはとにかく交通事情が良くないのです。この日もストライキがあって、電車がなかなか来ず、朝パリのホテルを出発したものの、目的地に着いたのは午後になってからという有様。全くこの交通事情は何十年も全く改善されていませんね。

 アルフレッドグラシアンは1864年に造られたといいますから、日本でいえば江戸時代ですね。言うまでもなく、シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で製造されるスパークリングワインのことです。今回は沢山試飲させてもらいました。お土産にシャンパン一本もらいましたが、袋に入れてくれず、箱に入った瓶をそのまま渡されましたので、ちょっと持ち歩き難かったですね。

 それにしてももう少し交通事情が改善されれば、もっと頻繁に行きたいところです。さてパリに戻るのも電車が遅れたり、運休になったりで一苦労でした。翌朝はボルドーへ向けて新幹線TGVに乗ることになります。

 宿泊したホテルがパリのサンラザール駅のすぐ前にあるヒルトンホテル。ここから地下鉄でモンパルナス駅まで行くには一度乗り換えねばなりません。パリと言うのは地下鉄も余り便利ではなく、階段も狭くてエスカレーターやエレベーターが少ないのです。また新幹線TGVは行く先の地方によって駅が異なります。すべてが東京駅に集約されている日本とは大違いです。

 ボルドーへ行くにはモンパルナス駅まで行かねばならないのですが、荷物が多いためにタクシーにしました。後でわかったことですが、モンパルナス・ビヤンヴニュ駅が工事のため閉鎖されていました。地下鉄に乗っていたら、とんでもない目に遭うところでした。こんな重要なことも、実際に地下鉄に乗って初めて分かるという具合で、何とも利用者に対しては不親切なことです。ともあれ無事TGVに乗り、パリから三時間の旅に出ました。

ボルドー地方

 南の方なので暖かいかなと思いきや、結構この日は寒かったです。小雨がぱらついていて、当初のイメージと大分違いました。

 ボルドーでもシャトー・ラトゥール(Château Latour)やシャトー・マルゴー(Château Margaux)といったワイナリーは特に格式が高くボルドーでも横綱級で、なかなか一般人の見学は受け付けてもらえないようです。私が今回視察できたのはシャトームートンロートシルト(Château Mouton Rothschild)です。


(ボルドーの葡萄畑)

 シャトームートンロートシルト。このエントランスはワインのラベルにもなっている有名な場所です。このロゴマークはまた何とも歴史と位の高さを感じさせますね。


(シャトームートンロートシルト - Château mouton rothschild)

 ボルドー到着の日はパップクレマン(Pape Clement)という古城に泊まりまして、大きな部屋で一人きりで食事をよばれました。他に宿泊がなく、ゴーストでも出そうな雰囲気でしたが。てっきり肉料理かと思いましたが、意外にも魚で、しかも白ワインでした。ソーヴィニョンブランのボルドーはボリュームがあり、樽を使うためかややバニラ風味を感じます。

ブルゴーニュ地方

 ボルドーからブルゴーニュというのがまた不便で、早朝LCCに乗って移動することになりました。まずフランス第二の都市リヨンを目指し、そこからボーヌまで電車で約一時間半です。

 ブルゴーニュのワインはエレガントで赤白共に酸味が綺麗な感じがします。ワイン好きはブルゴーニュにはまるかも知れませんね。また、小さな農家がそれぞれ自分の畑でブドウ栽培しているので、作り手によって味が違うのです。この日は天気も良く、見渡す限りの葡萄畑を堪能しました。


(ブルゴーニュ葡萄畑の風景)

 私が訪問、宿泊したブルゴーニュのオリヴィエ・ルフェーヴ。ここでは宿泊施設やレストランもワイナリー内に備わっています。

 ここで頂いたフルコース33ユーロと6グラスワイン32ユーロのコースはお値打ちです。日本では到底考えられません。


(オリヴィエ・ルフェーヴでのフルコース)

 今回私は単独で視察をして来たわけですが、今はブドウ収穫の時期ではないため、参加者もそんなに多くはありませんでした。それぞれのワイナリーまで行って、そこでツアーに参加するわけですが、仮に収穫の時期だと見学できないかも知れませんね。エペルネからボルドーにブルゴーニュと僅か一週間足らずの強行軍で、ワイナリーよりも電車や飛行機の中で過ごした時間の方が長かったようです。次回はもう少し時間に余裕をもって回りたいものです。

 とにかく交通事情をもう少し何とかして欲しいものです。日本はその地形ゆえ、鉄道網が発達していて、余程のところへ行かない限り車が必要不可欠ではありません。フランスはというと、地方都市から地方都市へ行くのに鉄道がなかったりするため、一旦パリに戻らねばならないことが少なくありません。今回もボルドーからブルゴーニュにしても、もし直通の鉄道路線があれば、至極簡単に移動できたと思われます。このようなワイナリーは当然地方都市の外れにあるわけですから、何かもう少し交通手段を考えて欲しいものですね。

[参考記事]
「フランスで経験した古城ランチ、ムール貝料理、アフリカ料理を紹介」

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