日本では空前のペットブーム。ペット協会の発表では、2015年の犬と猫のペット数は1979万1千匹。その内、犬が991万7千匹、そして猫は987万4千匹。
現在の所、辛うじて犬が猫の数を上回っていますが、1人暮らし世帯の増加や高齢化が進んだ事により、散歩など手間のかかる犬のペット数は減り、数年の内に猫が犬の数を上回るであろうと言われています。確かに、犬は猫に比べ手が焼けますが、犬は1万5000年も前から人間のパートナーとして一緒に生活を共にしてきたとても大事な相棒。
犬の最大の魅力は、飼い主への忠実さと動物としては並外れた頭の良さ。最近の研究では、犬は約250の言葉や仕草を覚える事が可能で、2歳児程の知能を有していると報告されていました。
また、今では犬は人間の良き理解者としてだけでなく、彼らの能力を生かして人間を助ける「働く犬」も存在します。警察と一緒に事件現場に向かう「警察犬」、空港などで麻薬を探知する「麻薬探知犬」、そして東日本大震災でも大活躍した「災害救助犬」など、犬が活躍する仕事は今では多岐にわたります。
全米で話題の犬
今回紹介する犬は、目の不自由な飼い主を助ける「介護犬」のヨランダちゃん。
ヨランダちゃんは、盲目の飼い主(60歳)と共に、アメリカのフィラデルフィアで生活をしているごく普通のゴールデン・レトリバー。
この介護犬ヨランダちゃんが飼い主と共に住む家で火事が発生した際に、緊急電話「911」に電話しただけでなく、目の見えない飼い主を自宅から怪我をさせる事無く、無傷で外へ連れ出したとして、全米で話題になっているのです。ちなみに、ヨランダちゃんが利用した電話は、盲目者用に開発された特別な電話。
しかし、全米がヨランダちゃんに夢中になっている理由は他にもあります。実は、ヨランダちゃんが飼い主を窮地から救ったのは、少なくともこれで3回目。
2013年には、真夜中に物音に気が付いたヨランダちゃんは、なんと勇敢にも飼い主が寝ている寝室のドアを閉めた後、侵入者を追い出すために立ち向かったのです。そして、この騒動に気が付いた飼い主は急いで警察に連絡をしますが、その前に既に警察が自宅に到着していました。実は、ヨランダちゃんが事前に警察に連絡を入れていたのです。
そして、まだまだヨランダちゃんの英断は続きます。2015年には、自宅で意識を失い倒れているオーナーを見つけ、これまた躊躇する事なく救急車を呼び、大事に至る前に救助隊が到着し、九死に一生を得ています。
ヨランダちゃんのオーナーは、テレビのインタビューでヨランダちゃんについてこう話していました。「皆はヨランダをヒーロ―と呼ぶけれど、彼女は私にとってエンジェルなの。」
ちなみに住居侵入で捕まったのは、同じ通りに住む18歳の男でした。人間より、やはり犬の方が信頼できる、という皮肉な結末となってしまいました。
Leave a comment