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イタリアの若者に大人気のバスターズコーヒーとは

イタリアの若者に大人気のバスターズコーヒーとは

 

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はじめに

 コーヒー大国イタリアは、主要都市はもちろん、田舎町に行っても右に左にカフェ(イタリア人は「バール」と呼びます)が軒を連ねています。その数なんと約16万軒。日本のコンビニの数が約5.5万店舗と言われているので、なんと3倍近いカフェがイタリアには存在するのです。

 しかし、イタリアにはあの「スターバックスコーヒー」が1軒もありません。進出していない理由や、はたまた「近日上陸予定!」といった、嘘か真かわからないゴシップはイタリア人の大好物のひとつとなっておりますが、スターバックスが好きであれ嫌いであれ「一度は行ってみたい」というのが多くのイタリア人の心情。

 そんな心の声を知ってか知らずか近年、突如イタリアに登場したのが今回ご紹介する「バスターズコーヒー」です。

◇バスターズコーヒーとは

 バスターズコーヒーは北イタリアのトリノ市内に本店を構えるコーヒーショップ。

 トリノといえばサッカーセリエAの強豪ユヴェントスの本拠地であり、かつイタリア王国の最初の首都でもあった為、イタリアでは毎年多くの人が観光や社会科見学等で足を運ぶ、一大観光地です。そのような古都トリノの中心地に2012年、バスターズコーヒーは誕生しました。

歩いていると見覚えのある丸い看板。これはもしや・・・

 トリノの目抜き通りを歩いていると、流石はイタリア初代王国があった都市だけに、贅を尽くした優美な宮殿やアパートメント、有名ブランド店がたくさん目に飛び込んできます。そのほとんどが1800年代以前に創業した歴史あるものばかり。その中で突如、目に飛び込んで来た見覚えのある丸い看板・・・これはもしや!?

◇スターバックスをバスターズ(征服する?)

 イタリア人含め、多くの観光客が「ついにイタリアにもスターバックスが出来たのか!?」と興奮気味に店に近づくと、そこに書いてある文字は「Busters coffee(バスターズコーヒー)」。

 イタリアでは、そもそもレストランなどに英語の名前を付けることすら珍しいのですが、その名前が「バスターズコーヒー」というのですから、「スターバックス」との関係を疑わずにはいられません。

 結論から言うと、スターバックスとは全く関係のないイタリア発祥のコーヒーチェーン店なのですが、「バスターズ」は日本語にすると「やっつける」を意味する言葉。(映画「ゴースト・バスターズ」の「バスータズ」です。)

「これはもしや、スターバックスへの挑戦状!?」

 ここまで他者メーカーを意識した店はイタリアではかなり珍しく、誕生以来、店は物好きな若者や観光客で常に賑わっております。

◇私も突撃してみました

 かくゆう私も最初、日本人の友人と「なにこれ!?」と笑いながら入店しました。店内に入ると、まず飛び込んできたのは見覚えのある白い紙コップ。そしてイタリアではとっても珍しい、スコーンやドーナツ・グラノーラの並んだガラスケースの商品棚でした。

◇メニューもスターバックスにそっくり

 一般的にイタリア人はほとんどの人が「エスプレッソ」「カプチーノ」のどちらかを飲むことがほとんどで、イタリアでは「コーヒーを下さい」というとたいてい「エスプレッソ」が出てきます。

 しかし、バスターズコーヒーにはちゃんと、アメリカンコーヒーやキャラメルマキアート、フラペチーノのようなものまで揃っています。これは、本当に珍しい事。普段、スターバックス式注文方法になじみのないイタリア人は若者ですら店頭でまごまごしながら必死にオーダーをしていました。

▽メニュー:
コーヒー

ケーキ

◇シックな店内、Wi-fiや書籍も

 店内は黒を基調としたシックな内装で、イタリアらしいアンティークな雰囲気は一切ありませんが、とてもカッコイイ仕様となっています。また、Wi-fiも完備されており、スターバックスを意識してか、ちょっとした本棚などがある店舗もあります。

◇お土産だって買えちゃいます

 そして、入口付近に向かうと、なんとオリジナルグッズも!トートバッグやタンブラーにマグカップ。どれもこれもイタリアではお目にかかったことのない物ばかり。これを見て「やはりスターバックスを意識しているのでは」とますます疑わずにはいられない、そんな筆者なのでした。

▽オリジナルグッズ:
マグカップなど

おわりに

 スターバックスは現在ミラノへの進出を検討中とのことですが、一報が入った後は、何年経っても続報が入ってきておらず、おそらくまだまだ先は長そうな気配です。

 そのような中でバスターズコーヒーは意外にもイタリア人に愛されており、いまや店舗はトリノ周辺に4店舗、ローマにまで進出を果たしました。平日も、昼下がりには勉強する若者や観光客で長打の列が出来ていることもあります。今後、スターバックスが上陸したあかつきには、どうなることやら・・・ますます目が離せません。

[参考記事]
「イタリア北部の国民食ピアディーナとは?」

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