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アメリカのトランスジェンダーの現状。娘婿の父親はトランスジェンダー

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アメリカのトランスジェンダーの現状。娘婿の父親はトランスジェンダー

 

法で守られたLGBT(レズやゲイなど)に優しい国アメリカ

 自由な国、多様性を重んじる国、個人を尊重する国、それが私にとってのアメリカのイメージ。強いていえば、既成の概念にとらわれず何でもありの国がアメリカです。ですから、レズビアンやゲイ・カップルが手をつないで町を歩いていても、誰も気に留めないでしょう。

 しかし、そんなアメリカでも1969年まで同性間の性交渉がソドミー法という「自然に反する性行為の禁止」として違法とされていたというから驚きです。現在の自由な空気になったのは、ここ10年ほどでしょうか。法も改訂され、2015年にはアメリカ全州で異性同士の結婚も認められるようになり、LGBT(レズやゲイなど)の人達の権利が守られるようになりました。

25人に1人がLGBTというアメリカの社会

 LGBTとは、レズビアンのL、ゲイのG、バイセクシャルのB,トランスジェンダーのTを取ったものですが、LとGの同性愛者、Bの両性愛者の中には、トランスジェンダーも含まれます。

 トランスジェンダーとは、「トランス=超える」「ジェンダー=性」ですので、「性を超える」ということ。つまり出生時の性別と心が同一でない、一致しない人のことを言いますが、いわゆる「性同一性障害を持っている人」です。性同一障害を持った男性と女性のカップルなら同性愛でなく、異性愛ということになります。

 日本でトランスジェンダーと言えば、芸能界やナイトクラブなど特殊な世界で活躍する人が目立ちます。その他の業種ではあまり見かけません。ここアメリカでは一般の職場で普通に働いています。これもヘイトクライム禁止法という人権擁護の法があるお陰でしょう。2016年のWilliams Instituteの調査によりますと、人口の4.1%すなわち25人に1人がLGBTということになります。これは驚くべき多さですね。

娘婿の父親がトランスジェンダー

 ここでは私の個人的な体験をお伝えします。実は、私の娘婿の父親がトランスジェンダーなのです。娘が彼とお付き合いをしている時に、娘のボーイフレンドの父親として紹介されました。これっぽっちも疑わず男性と認識していたのですが、結婚をするにあたって、娘から告白されました。彼の父親は、実は彼を産んだ母親だったのです。

 聞いた時私は自分の耳を疑いました。リベラルな娘が私を試しているのかと思ったくらいです。しかし、それは事実でした。ドラマの世界がこんな身近にあったなんて仰天でした。聞かされた当初は、やはり「この人、元女性なんだ」というフィルターで彼を見ていました。しかし時間が経つにつれ、私の中では、だんだん最初に会った時の印象通りの「男性」に戻っていきました。

 そして、先日、娘が懐妊し、私と出産話をしていた時に、彼(娘婿の父親)が会話に入ってきて、自分の出産話をし始めました。目の前いる男性が自身の出産話を語っているのです。実に奇妙な体験でした。

 今となってはもう慣れましたが、そんな会話が普通に出来るのが、アメリカなのだと実感しています。男だとか女だとか、なんだか関係なくなってきます。既成概念はことごとく壊されていっている気がします。

LGBTの人権

 さて、LGBTの人権について少しお話しましょう。州によってもその意識に差があります。連邦最高裁では同性婚が合憲となりはしましたが、州レベルでは反LGBT寄りの政策を取るところもあります。例えば最近、ミシシッピー州、ノースカロライナ州で宗教の自由(キリスト原理主義では同性愛を認めていない)を理由にLGBTの人に対してのサービスを拒否できるという「反LGBT法」が施行されました。トランスジェンダーは性に対する障害ですから、彼らも含まれてしまうのは可哀想です。

 また、教育現場では、まだまだLGBTの人とそうでない人との格差がありますが、入学時のオリエンテーションでは人権侵害への指導は不可欠。ユニセックス用のトイレが設けられている学校も少なくありません。トイレの問題はなかなか難しいですね。男女を区別せずに全て個室にするという案も出ているようですが、好きな異性の隣の個室で用を足すなんて、便秘の子供がますます増えてしまいそうです。

 全ての子供が安心して快適に使えるトイレにするには、やはり少数派用のトイレの設置が得策かと思います。娘が通っていたワシントン州の某大学では、クラスで自己紹介する時に、日本人には想像がつかない事を付け加えます。それは、HE(彼)またはSHE(彼女)、もしくは THEY(性別不明)で呼んで欲しいかを前もって伝えるそうなのです。複数形になってしまいますが、どちらにも属さない場合はTHEY を使います。職場やプライベートで自己紹介する時によく使われます。

トランスジェンダーは軍隊に入れない?

 人種の問題にせよ、この国では少数派の人権が法で手厚く守られています。さぞかし少数派のLGBTの人達にとっては優しく、住みやすい国なのだろうと想像しますよね。

しかし、実情はちょっと違うようです。問題があるからこそ、いちいち細かく規則で縛らないとならないのです。差別がなければ法律はいらないのです。これは今もなお頻繁に人種間の衝突が起こっているのを見れば分かります。最近でも白人至上主義の集まりに車が突っ込んで人が亡くなっています。やはり、人種やLGTBの差別はそう簡単には無くなりません。

 また、昨年、オバマ政権下、トランスジェンダーの入隊禁止規則を撤廃すると発表したばかりだったアメリカ軍ですが、最近になって再び、トランプ大統領が禁止する発言をしています。トランプ政権下で、保守的な考えをもつ人達が声を大きくする時代に突入し、LGBTも含めアメリカの多様性はどこに向かっていくのでしょうか。大変気になるところです。

[参考記事]
「マリファナ合法のワシントン州に住んで思うこと」

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