ヨーロッパで建物と言えば、大きなお城だったり豪華な宮殿のようなところを想像するかと思いますが、普段現地の方々が住んでいるのは日本でも見かけるようなアパートやマンションです。
とはいえ日本のアパートやマンションとはやっぱり少し違う点がちらほら見られます。ということで今回は、私が感じたベルギーのアパートのちょっと不思議な特徴を4点ご紹介したいと思います。
特徴①家同士がつながっている
日本で家といえば、その家やアパートの敷地があり、その敷地の中に建物が建てられているものです。建物の周りにはガレージがあったり庭があったりして、お隣の建物との間には空間がありますよね。ベルギーではその「空間」がありません。基本的に建物と建物は密着して建てられています。
少しわかりづらいですが、上の写真は隣り合った2軒のアパートの境目です。完全にくっついていますね。このような形で、同じブロックに建てられている建物は基本的にすべて横の壁が密着しています。
このような形式になったのは、どうやら冬の寒さをしのぐためのようです。まず、建物同士がしっかりくっついているため、隙間風が通りません。また、建物内で暖められた空気が外に出ていきにくく、繋がりあった建物が全体で建物内の暖気を逃さないようになっています。おしくらまんじゅうをしているような感じ…と言えばいいでしょうか。ひとつの建物がそれぞれ暖房を稼働させるより、複数の建物で暖房の相乗効果を狙っていこうとしているようですね。
ちなみにこういた形式のせいか、それなりに騒音は響くような気がします…(私のアパートだけかもしれませんが)。
特徴②意外と入口は小さめ
日本のアパートやマンションといえば、大きなエントランスがあってインターフォンがあって…というのが一般的かと思います。ベルギーでももちろん大きなアパートやマンションであれば、大きなガラス張りのエントランスホールが用意されていることもあります。
ですがそこまで大きくないアパートだと、「え、こんなところから入るの?」というくらい、普通の家のドアとあまり変わらない大きさのこともよくあります。
こんな木のドアもアパートのエントランスの扉です。こんな古そうな扉でもちゃんとオートロックだったりして、そのギャップにちょっと驚かされたりもします。また、入口自体は小さめだけど入ってみるとかなり奥行きがあって広いというのも、個人的にはちょっと驚きました。
特徴③家の中身が丸見えになる
先ほども少しお話した通り、ベルギーのアパートには隣の建物との空間がなく、いわゆる敷地のようなものを見かけることがありません。なので、各建物は道に直面する形で立っています。そのため、建物の扉も窓も道に接している状態となります。
上の写真のような形ですね。日本だったら、アパートと道との間には生垣だったり塀だったりを設置して必ず空間を区切りますが、ベルギーではそんな区切りはありません。歩行者の人は建物の壁やドアに触れながら歩くことができます(…そんなことをわざわざする人は見かけたことがありませんが)。
さらに、歩いていると窓が目の前にあるわけなので、家の中が結構しっかり見えてしまったりもするのです。日本人の私の感覚からすると、歩いている人たちに家の中が丸見え状態なんてめちゃくちゃ嫌だ!と思うのですが、逆に窓際をデコレーションして見せてくる人や、見えても気にしない人が多いことに本当に驚きました。
一度、テレビを見ながらご飯を食べている人が見えてしまったこともありましたが、外からの視線なんて全く気になっていないようでした。
特徴④壁は残したい
最後にもう一つびっくりしたことをご紹介します。日本では家の建て替えをするというと、建物自体を全部壊して更地にして、もう一度基礎工事をして…と言うのが普通かと思います。
ですがすでに何度もご紹介しているように、ベルギーでは建物同士がくっついているため、1軒の建物だけを壊すなんてできないんじゃないか…と思われるかと思いますが、そんなことはありません。
一応建物自体は違うものなので、くっついている隣の建物との境目というのが存在します。建て替えの際には、その境目までを削ったり壊したりして古い建物を壊していきます。ですが下の写真のように何故か、建物の正面の壁だけは残されるのです!
少し分かりにくいですが、ちょうど正面の壁だけきれいに残しながら、建物の中を壊しているところです。何故正面壁だけ壊さずにとっておくのか、まったく理由は分かりません(景観を守るという意識が強いのかもしれません)。
このように建物ひとつとっても、日本との文化の違いをいろいろと考えさせられます。観光名所のような豪華で大きな建物ばかりでなく、現地の人々が住んでいるような小さな建物についても、是非注目してみてくださいね!
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