ブリュッセルでの住宅探しをする上で一番に配慮したのが治安と防犯対策といっても過言ではないほど、治安に関しては注意が必要なベルギー。
治安の良さでは世界トップレベルを誇る日本とは大きく違う防犯対策や、周りの怖い話をご紹介します。
まさかの空き巣に入られた!
ベルギーのブリュッセルに来て街や語学学校で会う駐在員の妻の方と話していると、必ず話題にのぼるのが空き巣の話。
バブルもはじけた今となっては駐在員だからといって高価なものに囲まれて暮らせるわけではないのですが、日本人は防犯意識が低いというのもあって特に狙われやすいのが実情です。
友達の知り合いから聞いた話で…といった遠い話ではなく、実際に入られたという話も直接耳にするほど珍しいことではありません。
そんな話を週末していた矢先のこと…。
週明け仕事に出て行った主人が珍しく夕食の時間には帰宅しました。何事かと思えば、週末の間に会社が強盗に入られていたとのこと。従業員に支給されている車のスペアキーが全て盗まれていたため、会社の駐車場に車を長時間置くことすら危険だと帰されたそうです。
他に被害はラップトップパソコンが全体の3分の1ほどごっそり持って行かれていました。セキュリティーもしっかりしていたはずなのに、周囲の他の会社もまとめて空き巣に入られ、どのように入ったのか全く分からずじまいです。
住宅選びはまず治安とセキュリティー(防犯)を第一に
そんなベルギーのブリュッセルでの住宅選びは何より治安を優先させたものになります。中央駅付近は便利ではありますが治安の面で論外、少し中央駅からは離れたところを選ぶ駐在員がほとんどです。
また日本でのマンションにあたるアパートメント、一軒家ともに賃貸物件はありますが、これもセキュリティーの面で一軒家とアパートメントの地上階(日本で言う1階)は候補から外れます。地上階の方は以下のようにセキュリティー会社と契約している場合がほとんどです。
車は特に要注意!観光の際の車上荒らしにも気をつけて
ヨーロッパといえば都市部は慢性的な駐車場不足で、路上駐車ができる場所がいたるところに設けられています。しかしやはりそこも狙われやすいポイント。必ず地下駐車場付きのアパートメントという希望を出しました。
駐車場のシャッターは専用の電子キーでなければ開けることができません。しかしアパートメントの注意書きには、シャッターが閉まるまでに誰かついて入ってこないか気をつけるようにとあります。
そして駐車場内でも更に個別で鍵付きシャッターが。更にこのシャッターの中に倉庫もあるのですが、それも鍵付き。しかし我が家の倉庫には借りる前からバーベルでこじ開けようとした跡がありました。もちろんこの倉庫にはむしろ持って行ってもらいたいもの(古いスーツケースなど)しか入れていません。
観光の際にレンタカーを借り、どうしても路上駐車スペースとなる場合、荷物は全て持って出るか、貴重品以外をトランクなど見えないところへ移すなどの配慮が必要です。車上荒らしや車ごと無くなるというのは珍しいことではないのです。
一体鍵を何個持てばいいの!?強固なセキュリティー
ここまでに2つの鍵を使い駐車場まで入った後もまだ部屋にたどり着くには鍵が必要です。
それがこちら。
これはエントランスから入る鍵と共通のオートロックです。丸い部分にこの鍵を当てるとロックが外れるシステム。この扉は中から出る際にも自動ドアではなく、ボタンを押さないと開けることが出来ません。
そうしてやっと自宅の鍵を開け帰り着くわけですが、家に入ったらまず鍵を閉めますよね?
実はこれ、自宅の中から撮った玄関ドアです。ヨーロッパの玄関の鍵は日本と違い、中からも鍵を差さないと施錠できません。日本でよくある空き巣手口のサムターン回しなどはできないようになっています。玄関は外側からは開かないオートロック仕様であり、そこにプラスして鍵の施錠というここだけで二重のロックになっています。
もしも鍵を持たずに出てしまったら…鍵屋さんを呼ぶしかありません。今のところ鍵屋さんのお世話になったことはありませんが。
そこまでやるか?室内もあらゆるところに鍵!!
ここまででもう十分鍵だらけですがまだまだあります。
それは各部屋の扉。
簡易の鍵ではありますが、全ての部屋、そして部屋の中のバスルームやトイレ、ランドリールームまで、個々の鍵が付いています。トイレの鍵すら中から鍵を差さなければ締められないのはとにかく不便。
そして全ての窓にもそれぞれ鍵が。旅行で長く空けるときには施錠していくべきかなとも思いますが、帰ってきたときにどの鍵がどこのものか探すのはひと仕事です。
最後に一つ怖い話
日本人駐在員の場合、これだけセキュリティーが強固な住宅をほとんどの方が選びますが、それでも運が悪ければ入られてしまいます。
語学学校の友人がたまたま体調を崩し学校を休んでいた日。寝室で寝ているとドアをバリバリバリ!と壊すものすごい音が。声を出して女性だとバレたら殺されるかもしれないと思い、寝室のドアを思い切り閉めて、人がいることを知らせることで、空き巣は慌てて逃げていきました。
日頃からこの曜日のこの時間なら不在だということを調べていたと思うのですが、運悪く居合わせてしまったというわけです。
まとめ
空き巣に入られるときは入られる、もうそれは仕方ないことだけど家族の命に何も無ければそれで良いと思えるようになりました。とはいえやはり入られないに越したことはないので、出かけるときにはテレビをつけて行く、電気をつけていくなどの配慮は最低限必要です。
私自身もまだ気が抜けていることがよくあるのですが、旅行者などを見ているとやはり鞄が危ないな、ジーンズのポケットのiPhone危険だなと思うことが多々あります。本当に彼らは気づかれないように鞄のファスナーをうまく開け、中身を抜いていきます。もしも妙に近いなと思ったら相手の顔を見る、鞄はファスナーでしっかり閉じるものにし、体の前に。
「何か落としましたよ」など声を掛けられたらまず鞄に手を添えてから確認する、電車やバスのドア際に立たないなど、日本では考えられないような注意が必要です。ベルギーのブリュッセルやフランスのパリにお出かけの際はくれぐれもスリや車上荒らしに気をつけてくださいね。
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