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ベルギー人に感じる日本との文化の違い。包丁が使えないなど

ベルギー人に感じる日本との文化の違い。包丁が使えないなど

 

 ベルギー人の夫(フラマン人)と国際結婚をしてもうすぐ2年になります。夫と出会うまでは海外への渡航経験すらなく、外国人との交流経験もほとんど無し。更に生まれ育ったのがかなり古風な家庭であったことが、より一層文化のカルチャーギャップを生んでしまいました。

 学生時代に留学生と、当時勤めていた会社に居た数人のインド人や、取引先の数人のヨーロッパ人と少し世間話をする程度。そんなガラパゴス日本人の私が国際結婚をしたものだから、日々文化の違いに驚かされ、悩まされる事だらけです。

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文化の違い①家の中でも基本的に靴を脱がない人達

 結婚して間もなくはまだ夫の駐在期間がのこっていたため、私達は日本で生活していました。夫は質素な生活を好む人で、当時私達が住んでいたのは結構年期の入ったアパート。ある日の事、来日した夫の両親が私達の部屋を訪れる事になったのです……。

 夫の両親は過去にも何度か日本を訪れていましたが、毎回決まったホテルに泊まっていました。その為、日本人の生活文化というものはあまり分かっていなかったようで、靴を履いたまま当然のように私達の部屋の中へと入って来たのです。

 私達は日本に住んでいる間は当たり前に玄関で靴を脱いで生活していました。それなのに、夫は彼の両親が土足で我が家に上がり込んでいる事には気付いていません。夫の両親が来るという事で年期の入ったアパートでした張り切って掃除をし、サイズの大きなスリッパまで購入していたのでなんだかとても悲しくなりました。

 結局、その日の滞在中に夫の両親が靴を脱ぐことはありませんでした。

 夫の両親が帰った後”土足で上がり込まれた事”に対してショックを受けた、と夫に話したのですが、「全然気づいてなかったよ!」と驚いた顔。どうやら本気で気付いていなかったようです。思い起こしてみれば、一緒に暮らし始めた当初は夫も靴をはいたまま家に入ってくる事がありました。習慣というものはそう簡単には変えられないので仕方がないのでしょうね。

文化の違い②まるで我慢大会のような夏の夜

 今度はベルギーでの生活で感じた文化の違いについて。

 ベルギーで私達が住んでいるフランダース地方は、気候的に東北や北海道に似ていおり、8月でも夜はジャケットが必要なほど肌寒く、9月に入ると時にはコートが必要なくらい朝晩は気温がぐっと下がります。

 ただし、夏の間(6月~8月)はかなり日が長く22時くらいまで明るので、夜になりどんなに冷えても、更には多少の雨が降っていても、野外で飲み続けるという事が少なくありません。

(22時ごろの空)

 時にはジャケットを着て、更にブランケットまで巻きながら外で飲み続けている姿は、まるで我慢退会のようです。夫曰く「この時期しか外で飲めないから皆がんばってる」そうで(笑)これも頑張り屋が多いベルギー人気質の現れなのでしょうか。

 通年を通して太陽の光が降り注ぐ日本の関東圏で生まれ育ったので、ベルギーに来て初めて太陽の光りと温かさの重要さに気付きました。そして自分の生まれ育った日本の環境のすばらしさに。

文化の違い③大きな包丁で皮が剥けない

 日本で夫と一緒に暮らし始めた頃、我が家には私が一人暮らし時代に使っていた万能包丁しかありませんでした。筆者は古風な家で育ったので、小さい頃から包丁一本で何の皮を剥いてしまう事があたりまえ。一人暮らしにを始めてからも包丁一本で生活していたのです。 

 夫は日本のスーパーのお惣菜やお弁当を食べて生活していたようで、調理道具をほとんど持っていませんでした。夫も決して料理ができないわけではありませんが、日本のスーパーの便利さと一人暮らしでの自炊のコストや労力を天秤にかけた結果、そんな生活になっていたようです。(ベルギーでは基本的に24時間営業のスーパーはありません)

 二人で暮らし始めると「ベルギー料理を食べさせたい」と張り切り出した夫。しかし、万能包丁が彼を悩ませます。ベルギーの食卓には欠かせないジャガイモ、このジャガイモの皮むきが万能包丁では出来なかったのです。

 フォークとナイフ文化のベルギーでは野菜以外の食材は切りながら食べるのが基本ですので、肉や魚はかなり大雑把にカットします。ですので、調理で使うのは果物ナイフがあれば十分。皮むきから野菜のカットまでこれ一本でやってしまいます。

 夫の両親が日本に来た時に一緒にキャンプへいった事があるのですが、この時も夫の両親はわざわざ小さな皮むきナイフを探しに買いに出たほどです(笑)

 嫁入り道具の万能包丁を手にベルギーへ来て、夫の両親や友人達の前でジャガイモの皮むきをした時などは申し訳無いほどに感動されました。

 何気なくやっている普段の家事スキル、他国の人にとっては「匠の技」に見えたりするかもしれません。

文化の違い④プレゼントの貰い方・返し方

 冒頭にも書いたとおり、筆者はとても古風な家庭で育った日本人です。プレゼントをもらってその場で開けるなんて言語道断。更に子供の頃ですら包装紙をびりびり破いて開けようものなら、その場ですぐに叱られていました。

 訪問者に頂いたお菓子の包みも、「お台所で開けなさい」と祖母に口をすっぱくしていわれたものです。私の中では完全に人前でプレゼンとを開ける行為はタブーになっていました。

 しかし、ベルギー人は全く逆なのです。義両親は会うたびになにかしらのプレゼントをくれます。最初に会った時は緊張もあってそそくさとバッグにしまってしまい、義両親達を困惑させてしまいました。この行為は「あなたから頂いたプレゼントには興味がないので後で見るね」という意思表示と受け取られても仕方がない事だったのです。

 逆に私の方も、プレゼントを渡した時に目の前で包みをバリバリ開けられて驚きましたが、彼らにとってはそれがプレゼントをくれた相手に対するマナーなのです。

 ベルギー人にプレゼントを上げると皆大げさなくらい歓びを表します。海外ドラマでよく見る「ワァーオ」が目の前で見れて最初は感動しました(笑)

 しかし、これにも裏があって彼らは”どんなに気に入らないプレゼントでも大げさに喜んで見せる”文化なのです。ですので、本当にそのプレゼントを気に入っているのかは分かりません。

 ベルギー人にプレゼントを貰った時は、大げさなくらい喜んであげてくださいね。

[参考記事]
「[ヨーロッパの水事情]ベルギー人の夫の変な習慣の原因は水だった」

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