アメリカのハロウィン
毎年10月31日は子供も大人も楽しみにしているハロウィンです。ハロウィンの基本といえば、子供たちが仮装して近所の家々をまわりお菓子をもらうというものですが、せっかく用意したコスチュームをその夜数時間だけ着るのはもったいないということで、31日の前の週末は各所でハロウィンパーティーなるものが行われることが多いんです。
ハロウィンには宗教色があるということでそれを避けるために「ハーベストパーティー(収穫を祝うパーティー)」だとか「オータムフェスト(秋のお祝い)」なんていう別名をつけることもあるのですが、それでも中身はハロウィンとほとんど一緒だったりします。
『トランクオアトリートとは?』
そんなハロウィンパーティーでは「トランクオアトリート(Trunk or Treat)」なるものをやるのが定番。普通の「トリックオアトリート(Trick or treat)」は近所の家をまわって「お菓子をくれないと悪戯するぞ」というものですが、それに掛けたトランクオアトリートとは文字通り車のトランクを飾り付けしてキャンディを渡すイベント。
幼い子供を連れて一軒一軒家をまわるのが面倒だったり、知らない家をまわるのはちょっと・・・という人にはトランクオアトリートが最適。またお菓子を手渡す側にしても、時間内にひっきりなしに子供たちがやってきて時間が来れば終わるのでなかなか好都合なシステムなんです。
これは主に学校や教会で行われるのですが、会場の駐車場に皆車をずらっと同じ方向に向けて停め、トランクをハロウィン仕様にします。ピックアップトラックとかミニバンだとトランクに座ることも可能。そこへ仮装した子供たちが1台1台お菓子をもらいにまわってくるのです。この方法だとお菓子を手渡してくれるのは顔見知りの父兄や普段教会で顔を合わせる人なので安心だと考える親も多いのです。
また子供にしても駐車場をぐるっと一周するだけで手っ取り早くお菓子を集めることができるので皆ホクホク顔~。勿論、何周もする子もいます。
手作りも市販もある創造力あふれるコスチューム
そして本番が31日。この日はさすがに学校は休みになりませんが、スポーツの練習などは休みになることがほとんど。子供たちは学校から帰るとコスチュームに着替え、夕方になるのを待ちます。コスチュームはお店で一式買っちゃう子もいれば、自分であれこれ考えてあるもので工夫して仕上げる子も。器用なお母さんだと手作りコスチュームの子もいるんですよ。
お友達とお揃いでトナカイになった12歳の女子。このくらいの年齢になるとメークで自分が変われるのが楽しいみたいです。
これは去年のもので、左の子が赤ずきんちゃん。右端の親友がオオカミ。友達同士でペアになったり、このようにストーリー性のあるもので仮装して楽しんだりします。マリオとルイジとか、ケチャップとマスタードとか。ちなみに真ん中の男の子は1人無関係で、ブルーマン。
小さな子はもっとプリンセス系とかアクションヒーロー系が多いです。高校生になると仮装はしないか、してもあまり気合を入れない脱力系のちょっとおバカな感じの仮装が増えてきます。骸骨のお面だけとか。
ペットも仮装して楽しみます。
『いざ本番、トリックオアトリートへ』
(↑人間が仮装するだけでなく、家々も凝ったデコレーションを施します)
そして夕闇が迫る頃、子供たちは外へ飛び出していくのです。10歳くらいまでは親が付いていきますが、それ以上だと友達同士でまわることが多いです。10歳以上になると仮装の楽しみ自体よりも「お菓子をたくさんもらえること」が主な目的となっていくので、子供時代に持っていたカボチャ型のバスケットでは容量が小さいのと子供っぽいのでもっと別の袋が必要になってきます。
そこで登場するのがなんと、枕カバー!枕カバーだと強度もあるし沢山入るし、何より張り切ってやってきました!って感じにならないので羞恥心が芽生えだす10歳前後には最適のアイテム(笑)
(↑トリックオアトリートで近所をまわりながら、家のデコレーションを眺める図)
先ほどから「近所の家をまわる」と書いていますが、皆が皆そうするわけでもなく。というのもアメリカは貧富の差が激しい国ですから、自分の近所があまり裕福な一帯ではなかったり治安の良いエリアではなかったりすると、「遠征」したりもするんです。
友達が教えてくれましたが、市内でもかなり裕福な人しか住めない高級住宅地ではトリックオアトリートの際なんと、板チョコ丸ごとくれたりするんだそうです!普通は飴玉2個とかチョコ2粒とかですから・・・。
我が家は高級住宅地などではありませんが、治安はいいとされる郊外の新興住宅地ですので結構な数の子供が毎年やってきます。お菓子をあげる側の心労はあります(笑)
これが今年用意したトリックオアトリート用のお菓子類。小さく見えますがすべてコストコの大袋で重さは計5kg以上!31日の夜はとにかく午後5時頃から8時過ぎまでひっきりなしに子供たちがやってくるので意外と面倒なんです。
最初の頃は晩御飯の支度などしていたんですが、次から次へとチャイムが鳴るので最近では玄関内にある長椅子に腰かけてすぐ出られるよう待機しています。もっとフレンドリーで賢い人はもう最初から家の外に椅子を置いてそこに座り、子供たちが来るのを待ち構えていて、子供たちのコスチュームを褒めてくれたり話しかけたりしてくれながらお菓子をくれるんです。
ちなみに、その時間帯留守にする時とか居留守を使いたい家は外灯を消しておくことになっています。玄関前が真っ暗な家だと付き添いの親も「あそこの家は行かないんだよ」と子供に言い聞かせてくれるので。買って置いたお菓子を全部渡し終えてしまった後も電気を消しておけばOKです。我が家も、参加したくなかったら明かりを消しておけばいいのですが、まだまだ我が子がどこかの家からお菓子をもらってきている年代なのであげる方としても頑張っているわけです。
こうしてハロウィン前に行われるトランクオアトリートや、ハロウィン当日のトリックオアトリートで子供たちが手に入れるお菓子は相当な量になります。そこで歯医者さんによってはもらったお菓子を1ポンド(約450g)いくらで買い取りますというところもあるんですよ。虫歯を増やさないための取り組みとして、本来なら稼ぎ時なのに(?)そういう買取をする歯医者さんは好感度が高いですよね!
以上、アメリカのハロウィン現場よりお伝えしました^^
Leave a comment