海外旅行は多くの人にとって夢のような体験ですが、同時に予期せぬ危険も潜んでいます。特に「殺される」という最悪の事態を回避するには、事前の情報収集と慎重な行動が不可欠です。この記事では、命を守るために海外で絶対に気をつけたいことを多角的に解説します。

1. 渡航前に確認すべき「危険情報」

1-1. 外務省の海外安全情報を確認する

外務省が提供している「海外安全情報」には、渡航先の治安、政情不安、テロの危険性などがレベル別で分類されています。

• レベル1：十分注意

• レベル2：不要不急の渡航は止める

• レベル3：渡航中止勧告

• レベル4：退避勧告（渡航は絶対に止める）

少なくともレベル2以上の国・地域には観光目的では近づかないのが原則です。

1-2. 現地のニュースやSNSも確認

外務省の情報はリアルタイム性に欠ける場合があります。現地の英語ニュースサイトやSNS（特にX〈旧Twitter〉）などから、最新の治安情報を収集しましょう。

2. 現地での危険な行動とその回避策

2-1. 夜間の外出は極力控える

殺人事件や強盗、性犯罪の多くは夜間に発生します。特に以下のような行動は避けましょう。

• 一人で歩く

• 路地裏や人通りの少ない場所に行く

• 飲みすぎて酩酊状態で外に出る

移動が必要な場合は、信頼できる配車アプリ（Uber, Grabなど）を使い、正規のタクシーを利用しましょう。

2-2. 詐欺やハニートラップに注意

観光客を狙った詐欺や、異性を装って近づいてくるハニートラップも命に関わるケースがあります。例えば以下のようなパターンです。

• 「安く案内してあげる」と言って人気のない場所へ誘導される

• 親しげに接してきた異性に誘われてバーに行ったら、後から高額請求され、断ると暴力を受ける

基本的に、知らない人に誘われたら「NO」と断る勇気を持ちましょう。

2-3. 現地のギャング、麻薬、賭博に関わらない

特に中南米や東南アジアでは、麻薬組織が力を持っている地域があります。観光客でもうかつに巻き込まれると、命の危険があります。

• 路上で「ドラッグ？」「楽しいことあるよ」などと声をかけられても絶対に無視

• カジノや非合法の賭博場には立ち入らない

• 路上で落ちている財布・荷物などに触れない（罠の可能性あり）

3. ホテル・宿泊施設での注意点

3-1. 安全なエリアにあるホテルを選ぶ

宿泊先選びは、安全性に直結します。以下のポイントを押さえましょう。

• 駅や繁華街に近く、人通りがある場所

• 現地のレビューサイトで治安や安全性を確認

• 24時間セキュリティやフロントが常駐しているホテル

宿泊費を抑えようと安いゲストハウスを選ぶと、無施錠だったり防犯設備が甘かったりするケースもあるため注意が必要です。

3-2. ドアの施錠・補助ロックを忘れない

ホテルに着いたらすぐに以下を確認・実施しましょう。

• ドアの鍵が正常に動作するか

• 補助ロック（チェーンやデッドボルト）があるか

• 夜間にドアをノックされたら絶対に開けない

• 室内金庫に貴重品を保管する

4. 危険地域・スラム街には近づかない

どの都市にも「ここは行くな」と言われる危険エリアがあります。観光名所の近くでも、一本路地を入るとスラム街だった、ということもあります。

4-1. 危険エリアの見分け方

• 現地人が「昼でも行くな」と言う

• ゴミが多い、建物が崩れている

• 路上にたむろしている人が多い

• 視線を感じる、声をかけられる頻度が高い

一見して「雰囲気が怪しい」と感じたら即座に引き返しましょう。

4-2. 地元の人に尋ねる

信頼できそうなホテルスタッフやガイドなどに、「このあたりで行かない方がいい場所はありますか？」と聞いておくのも有効です。

5. 「目立たない」ことが最大の防衛

日本人は世界中で「金持ち」と見られがちです。以下の点に注意して目立たないようにしましょう。

5-1. 高価な装飾品を身に着けない

時計、ネックレス、ブランドバッグなどは強盗やスリの標的になります。

• 必要最低限の物だけを持ち歩く

• ブランド品はホテルに置くか、旅行中は使わない

5-2. 言動・服装に気をつける

• 観光地で大声で日本語を話して騒がない

• 露出の多い服装は避ける（特にイスラム圏や南米）

• 地元の人に近い服装を心がける（現地の市場などで購入するのも手）

6. 緊急時の対応力を身につける

6-1. 現地の警察・大使館の連絡先を控えておく

スマホだけに頼らず、紙にもメモして常に持ち歩きましょう。

• 在外日本大使館・領事館の住所・電話番号

• 現地警察、救急、消防の番号

6-2. パスポートのコピーやデータを用意

万一パスポートを紛失したり盗まれたりしても、コピーがあれば再発行手続きがスムーズです。

• 紙のコピー（1～2部）

• スマホ内やクラウドへの保存（パスワードロックをかける）

6-3. 逃げる・助けを呼ぶ訓練をしておく

• 「助けて（Help!）」を現地語で言えるように練習

• 「NO！」と毅然と言える自信

• 走って逃げるルートをあらかじめ確認

まとめ：油断が命取り

海外では「ちょっとした油断」が致命的な結果を招くことがあります。しかし、必要な準備と慎重な行動さえあれば、安全に旅を楽しむことは十分可能です。

以下のチェックリストで再確認しておきましょう。

✅ 渡航前チェックリスト

• 外務省の海外安全情報を確認した

• 現地ニュース・SNSで治安情報をチェックした

• 現地語の基本的なフレーズを覚えた

• 緊急連絡先を紙とスマホに保存

✅ 現地での行動チェックリスト

• 夜間の一人歩きは避ける

• 見知らぬ人に安易についていかない

• 宿泊施設の防犯を確認

• 危険エリアには近づかない

• 見た目で目立たないよう心がける

命は何よりも大切です。旅を成功させる最大の秘訣は、「自分の命は自分で守る」という意識を常に持つことです。安全に、そして賢く、世界を旅しましょう。