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韓国の「安否電話」という習慣。家族や友達に安否の電話する文化

韓国の「安否電話」という習慣。家族や友達に安否の電話する文化

 

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■安否電話とは?

 韓国のアンブヂョナ(安否電話)とは、家族や友達間でとりたて用はないけど気になって電話をする文化のことです。

 特に、結婚したら嫁から義父母へ頻繁に掛けなくてはなりません。核家族で個人主義の日本とは違い、家族関係が密な韓国では、家族のことを思い、ケアする場面が多いです。

 それはまるで恋人同士のように、声を聞きたいから必然的に毎日連絡を取るのと同じ感覚なのだと思います。

 でも、韓国の自殺率は世界で第2位であることからして、安否電話の効果がどこまであるかは分かりません。

■話す内容は?

 これは、日本人妻にとって一番戸惑う点です。毎日だと、話すことが尽きると思いませんか。義姉の話では、「毎日同じことしか話さない。セリフだと思って同じことを言う演技をすればいい」とのことでした。とにかく声が聞ければいいようです。安否電話はこのように表面的というか、あまり深い話はしません。これが自殺率が高い原因かどうかは分かりませんが。

 特に子供が生まれると、孫が気になる姑が毎日電話してくるようです。テレビ電話で孫を写し、そのまま放置して気がすんだら電話を切るケースもあります。また、孫の声を聞きたいから電話口で話すように言いますが、子供は緊張して話せないのに、アンニョンハセヨを強要し、しまいには挨拶も出来ないのかと怒る義父母の話も「あるある」です。

■連絡する頻度は?

 安否電話の頻度は、毎日~週1回と幅広いです。人によっては、まったくしない家庭もあります。理解のある義父母は、用があるならこちらから電話するからと言ってくれる人もいます。

 姑が風邪をひいているのに安否電話をしないでいると、舅から電話があり「連絡よこさないから風邪をひいていることも知らないじゃないか」と怒られた友達がいました。

 まめに連絡をすることで、そういった義父母のわずかな変化が分かり、それに反応することが重要なポイントのようです。

■韓国の挨拶「ご飯食べた?」

 韓国人の定番の挨拶「ご飯食べた?」は必ず聞きます。歴史が短く、貧困時代がそう昔ではない韓国では、食事面での助け合い精神が強く、ちょっとした食べ物をお互いにあげる場面を良く見ます。そういう背景もあり、この挨拶が定着しています。映画でもドラマでも、はたまた曲の歌詞にまで出てきます。

 本当に食べたかどうかを知りたいのではなく、英語でいうHow are you?(調子はどうなの?)のような感じですね。例えそれが夜の10時半で、明らかに晩御飯の時間は過ぎ、食べたであろうと分かっていても、義父母は義姉との電話で「ご飯食べた?」と確認します。

 中途半端な時間に私に会った時でも、義父母は必ずきちんと食べたのか確認します。不自然だなと思いつつも、聞かれたら答えます。

■電話以外の連絡手段

 日本人の嫁の場合、電話ではなく韓国版LINEであるカカオトークというアプリを使い、文字だけで連絡する人も割といます。楽でいいですよ。

 コツを掴んだ私は、敢えて姑が出掛けている時を狙って、カカオトークを送るようにしています。なぜなら、皆でいるときに嫁から連絡があると、嫁姑仲がよいと自慢になるからです。内容は、どこにいるかの場所を聞いたり、他愛の無いことです。このように安否電話は、時に嫁の株を上げるツールとして、大いに役立つ時もあります。

 そして、方言のきつい義父母との会話を完全に理解することが出来ないので、連絡をする際には、カカオトークを使うことが多いです。

 日本に一時帰国した際には、以前は日本に着いても主人にしか連絡をしませんでしたが、結婚5年目の今は、日本到着と韓国帰国の際は一言連絡を入れるようにしています。

 韓国文化に、かなり慣れたと実感しています。また、連絡をよこすよう強要する義父母ではないので、とても助かっています。

[参考記事]
「[韓国のバス事情]バス停で止まらない、パトカーに捕まるバスなど」

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