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カナダで人気のモバイルハウスやロフトマンションとは

カナダで人気のモバイルハウスやロフトマンションとは

 

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カナダの大都市バンクーバーでの不動産の現状

 近年カナダ国バンクーバー市をはじめメジャーな町では不動産の異常なまでの高騰でがしばしばとりあげられている。理由は複数あるが、アジア圏からの人、特に中国人によるバンクーバーでの不動産の購入が原因ではないかと時折メディアに報じられる。

 しかしこれが不動産高騰の確かな引き金かどうかはまだまだ100%の証拠があるわけではない。現実問題としては中国人の投資のための購入はあちらこちらからも非難の声が上がっている。

 カナダのある地域では子供を育て、カナダ国に住むという理由でないと外国人に不動産を買わせない自治体もできた。つまり、投資目的での購入は禁止されたのである。バンクーバーではカナダの国籍を持たない外国人が家を購入すると15%の上乗せの課税がかかる規制も出たほどである。

 ともあれ、バンクーバーの不動産はもはやピークを過ぎたとはいえ普通の人には高値の花といえる。一時は平均1億円、今はようやくピークを過ぎたがそれでも家一軒が平均でも8千万円、コンドミニアム(日本でいうマンション)が平均で5千万円である。普通のサラリーマンや若いカップル、低所得者にはもはやマイホームを持つということ自体が難しくなった。

異常な高騰の産物がミクロリビング

 最近ミクロリビングという言葉をよく見る。極小のモバイルハウスを売る会社や極小のロフトマンションを売る会社も出てきた。

 バンクーバー市内の高層ビルに作られた220スクエアーフィート(約20平米)のロフトが去年話題を呼んだ。かなりの反響でこのまま売り上げをどんどん伸ばしていくのかと思いきや現実はそうではなかった。

 なぜか。。。理由はバンクバー市がその市場を失速させたからだ。ZONINGという言葉ある。区画整理と訳すべきだろう。この規制は日本とは違いかなり厳しいものがある。バンクーバー市は市内では398スクエアーフィート(37平米)より小さければ認可が降りない。さらに一等地の区画では250 SF(23平米)以内の生活空間も許可が下りない。

 確かにこの極小ロフトマンションは独身者や学生にはもってこいだ。2千万円がこのサイズで安いかどうかは個人の判断である。この金額なら買おうという若者もずいぶんいる。ましてやこの高騰した今、買いそびれた人々が賃貸に流れていくため、賃貸物件が不足状態に陥っている。

 それなら、例え極小でも、オシャレで新しく、手の届く値段の物件を買いたいと思う人が増えて当然である。市の区画整理の規制と市民の経済状態が折り合わない状態は今なお続く。

極小モバイルハウスに住めなくなった若夫婦

 バンクーバーのある若い夫婦が400万円でモバイルハウスを購入。20平米の車輪のついた移動式住宅だ。友達の裏庭に停めさせてもらい生活をしていたが、ある日突然市の職員が来て違法だからと立ち退きを要求された。

 この夫婦は仕事もあり浮浪者的な人物ではない。不動産があまりにも高いため買うことをあきらめた代わりにミクロリビングに方向転換した。夫婦は犬一匹と猫一匹とも暮らしているが、この小さい家で十分楽しく過ごしていたというし、エコに非常にやさしい生活ができたと語っている。

 まず、バンクーバーではモバイルハウスやキャンピングカーで生活をしてはいけないという規制がある。ほんの一時的なレクリエーションの目的なら良いが日々の生活となると違法になる。しかし、カナダ国内でも区域によって規制が違う、つまり、ここがだめならあちらの土地へとモバイルハウスを移動させて自由気ままな人生を送る人もいるようだ。

 結果、その夫婦はかなり北の土地へその家を移動させることになった。しかし、市内で働かなければならない彼らは結局は市内に賃貸をすることに決めた。家を買えず、モバイルハウスにも住めず、残された選択は賃貸をすることしかなかったのだ。

モバイルハウスを大自然に設置して快適に過ごす女性

 上記のカップルは残念な結果に終わったが同じモバイルハウスでも成功した若い女性もいる。勿論大都市のバンクーバー市ではない。ソルトスプリング島という場所に月間5万円で土地を賃貸してモバイルハウスを設置してヨガのインストラクターをしている。決してミニマリスト(スリムな生き方をする人)ではないのだが、性格習慣と人生観にぴったり合ったようだ。

 モバイルハウスとは言えども近年はなかなかおしゃれな外装と機能的に優れた内装で冬も温かく、年間を通して住めるようにできている。カスタムオーダーも可能で好きなスタイルを選べる。おまけに設置後にバルコニーをつけることもできとても快適そうだ。設置した環境は森の中で海が見渡せる絶好の景色だ。

 しかしこの貸地には汚水施設が施されていないためある程度の不便さは我慢しなければならない。人間、最後は何が自分にとって一番大事かを選択しなければならないようだ。彼女は不便さよりも経済的に楽で、自然に囲まれ、かつ快適なモバイルハウスをチョイスしたのだ。

まとめ

 カナダでは昔は不動産は手の届く買い物だったが、土地、材木、人件費の高騰、さらに外国人による投資目的で値段が跳ね上がりもはやメジャー都市では高値の花となってしまった不動産。

 その結果若い年代は別の選択肢を見つけ始めた。ロフトマンションやモバイルハウスは極端な選択肢かもしれないが、経済的にも地球の環境にも優しいとなれば負の産物から出たプラスの選択肢ではないだろうか。

[参考記事]
「カナダ人は増えすぎる中国人の移民をどう見ているか」

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