イギリスはどこに行ってもパブ文化が根付いており、ロンドンは全ての駅にパブがあると言っても過言ではありません。筆者が住んでいたどこの街にも何軒もパブがありました。昼間から開いているパブも多く、ランチに使ったり、居酒屋の様に使ったり、お茶する感覚で使ったり、パブの使い方は多種多様です。
基本的にイギリスは室内全面禁煙なので、どこの飲食店やクラブに行ってもタバコ臭いという事がありません。なので、昼間は子連れ客がいる事も珍しくはありません。ビジネス街にも必ずパブはあり、スーツを着ている人達が昼間にビール片手にお喋りしている光景はよく見かけます。打ち合わせをしながらビールをがぶがぶ飲んでいるおじさんも見かけた事があります。
<パブとガストロパブ>
ロンドンは最近「ガストロパブ」の人気が高く、こだわりのあるガストロパブが増えてきています。パブとの違いは、お酒やおつまみだけでなく、レストランのような料理を提供している所です。
基本的に、パブではカウンターでオーダー・お会計をし、テーブルサービスはありませんが、ガストロパブはカウンターでオーダー・お会計をして食事はテーブルまで運んでくれるという所もあれば、レストランの様に完全にテーブルサービスのお店もあります。
イギリスはアメリカほどチップ文化が強くなく、パブの様にテーブルサービスではないお店では基本的にチップは発生しません。テーブル会計の場合も合計に含まれているのでいちいち計算しなくても大丈夫です。
ガストロパブのメニューはお店によって様々で、ロンドンはご飯がまずいと散々言われていますが、正確に言えば「昔はまずかった」です。今は本当に美味しいお店がたくさんありますが….。パブでタイ料理やベトナム料理を提供しているお店もありますが、カウンターでオーダーできるお店もあれば、テーブルにタイ人やベトナム人のスタッフが来てオーダーを取る所もあります。
<パブでのお酒の頼み方>
パブでは色々なお酒が飲めるので、頼み方も様々です。ビールと一言で言っても各々のパブがセレクトしたビールがたくさん並んでいます。こんな可愛いサーバーもあったり。
ビールを注文する時には、ビールの種類と量を決めて、「〇〇を1パイント(約560ml)ください(もしくはハーフパイント)」と言います。しかし、言わなくても向こうから聞いてくれる事がほとんどですが、先に言った方が丁寧です。
また、お好みのビールとレモネードを半々で割った物を「シャンディ」、ビールに少しだけレモネードを注ぐのが「トップ」と呼び、オーダーする時は「〇〇(ビール名)をシャンディで」と言います。
<様々なスタイルのパブ>
お店によってパブの雰囲気は様々です。メタルばかりかけている騒がしい店やライブミュージックが見られるお店、逆に無音のお店もあります。
イギリスの夏は日が長く日本のように蒸し暑くないので、夏にガーデンのあるパブで飲むのは本当に最高です。
「パブ・クイズ」を行っているパブも多いです。何人かでチームで参加し、クイズに答えるパブです。参加費用がかかる場合は優勝したチームが賞金として貰えたり、ビールが無料になったり、パブによってルールは様々です。
筆者の家の近所にゲームパブと勝手に呼んでいたお店があり、お店の中にカードゲーム、ボードゲーム、プレイステーションやXBOXなどがたくさんありゲームし放題です。
<サンデーロースト>
パブ飯の代表的な食べ物と言えばサンデーローストです。どのガストロパブも日曜日のランチにサンデーローストを提供しています。ワンプレートに、お肉、ポテトやグリーンピースなどの野菜、ヨークシャープディング、そしてグレイビーソースが基本形。値段もパブによってピンキリで、予約しないと食べられないお店もあります。
イギリスでは元々Dinnerは夕飯という意味ではなく1日の中で1番メインとなる食事を意味し、かつては、お昼をたくさん食べ、夜は軽食というスタイルだった為、お昼ご飯の事をDinnerと呼んでいたそうです。
今では日本人と変わらない食生活ですが、日曜日のガストロパブが1番混む時間帯が2pm-3pm頃なのは、その頃の文化を表しているのだと思います。
※ちなみに学校で食べるお昼ご飯の事もSchool dinnerと言うそうです。
色々な楽しみ方が出来るパブですが、日本人目線で最大の長所は、テーブルサービス形式のガストロパブ以外は、食事もすべてカウンター会計なので、「誰が何杯飲んだ、私そんなに飲んでないのに・・・、後から来た人の分はどうする」など、割り勘の時のわずらわしさがないことではないでしょうか。
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