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海外生活をして分かった「真の国際感覚」とは

海外生活をして分かった「真の国際感覚」とは

 

 日本でもグローバル化が進み、英語力を重視する職場や留学生を積極採用する企業が増えてきている。しかし英語を話し、海外生活の経験があるというだけで果たして「真の国際感覚を身に着けた人」と言えるのだろうかと疑問に思うことがある。

 私自身国際結婚を機にEU圏内へ移り住み、現地で生活するたくさんの日本人との出会いがあった。皆それぞれ理由は異なるが、日本人が海外に渡る理由は大きく分けると次のように分類できる。

・国際結婚をし、相手の国に移り住んだ人
・海外赴任(駐在員とその家族)
・留学生
・夢や目的があり移住を決めた人(退職後の移住や、就職目的など)

 いずれにしろ慣れない土地でチャレンジしようとする姿勢は尊敬に値する。しかしせっかく海外に住んでいても、国際感覚を養う機会を台無しにしてしまう考え方や行動があるように思う。今日はそのいくつかをまとめてみよう。

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なぜか急に上目線-日本を出た途端日本の良さを忘れてしまう-

 海外生活を始めると常に新しい発見があり、視野や世界観が大きく広がる。見るものすべてが新しく新鮮に感じるのだ。異文化から学び、それらを吸収して知識や経験を蓄えることは貴重な財産となる。

 しかし中には日本を出た途端、日本の良さをすべて忘れ去ってしまう人がいる。そういう人は「海外では〇〇するのが当たり前」「これだから日本は…」と突然上目線で日本を否定するようになってしまうのだ。

 バランスのとれた「真の国際感覚」を身に着けた人と単なる「海外かぶれ」は異なる。大切なのは、互いの国の良い点と悪い点を冷静に見極めること。習慣や文化が異なれば、社会システムや人々の考え方が異なるのは当たり前のこと。海外で大成功しているからと言って、それをそのまま日本の社会に持ち込めばいいという訳ではない。得た知識や情報を自分の中で消化し、時・場所・人に合わせて活用できれば、もっと世界が広がるように思う。

日本人ばかりで集団行動

 海外で生活しているにも関わらずその地に日本社会を作り上げる人たちもいる。常に日本人コミュニティ内で活動し、形だけ外国に住んでいるという人たちだ。そういった人たちは先ほどとは打って変わり、「やっぱり日本が一番」「ここのシステムは全然機能していない」と現地への不平不満ばかりを語り合っている。そんなことばかりをしていると他国の人たちに日本人の良さを伝えるチャンスも無くなってしまうのだ。

 言葉の壁や生活習慣の違いに正面から向き合い、自分の力で世界を切り開いていくのではなく、日本の習慣そのままにお洒落な生活スタイルや美味しい海外グルメだけを取り入れるのはどうかと思う。

 慣れない地での生活では、急なトラブルやアクシデントがつきものだが、そんな時、「日本だったらこうなのに」と不満を言っているだけでは何の解決にもならない。柔軟に頭を働かせ、時には闘い、知恵を絞りだして問題を解決する力が求められる。それだけ、医療や交通などの日本の社会インフラはレベルが高いとも言えるのだが。

「絶対に国際結婚したい」という考え方

 「一度外国人の彼氏と付き合うと、もう日本人とは付き合えないよね。」「絶対外国人としか結婚しない」「何が何でも外国人の彼氏をゲットしてみせる !!」という女性達。

 目の青い金髪の外国人を横に連れて歩くだけで「国際感覚」を身に着けたと思っているなら大間違いだ。確かにシャイな日本人男性に比べ、積極的でレディーファーストが自然にできる欧米人男性は一見魅力的に見えるかもしれない。互いの良さに惹かれあったのであればそれはそれで何の問題もない。

 しかし交際相手の対象を「外国人のみ」に縛るという考え方はどうかと思う。やはり、同じ人種同士で結婚するのが一番なのだ。ただ、国籍の異なる相手であっても、自分にピッタリ合うパートナーを見つけられれば人種は関係ない。

■まとめ

 正直なところ、私自身「真の国際感覚とは何か」と問われても未だにはっきりとした答えは出ていないし、偉そうなことは言えない。真の国際感覚について「異文化の違いを受け入れること」と言っている人もいるが、これが出来たら世界に争いが全くなくなることなるので、あくまでお花畑的な理想に過ぎない。

 日本人であればミサイルを撃ち込んでこようとする北朝鮮を受け入れることは難しいし、イスラエル人であればイランを受け入れることは無理だろう。イギリスのEU離脱による移民排斥やトランプ大統領のナショナリズムなどを見ると、違う人種同士が分かり合えることは無理だという結論もあり得る。

 私が思う国際感覚とは「自国の良さを知ったうえで他の人種と関わること」だ。「日本ファースト」「アメリカファースト」という言葉があるが、その国にとって合う人種、会わない人種があるのだ。だから、無理に嫌な人種と付き合う必要は全くない。これが私の結論だ。

[参考記事]
「中国国民は本当に反日なのか。中国在住10年の著者から見た中国」

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