メキシコでは、11月中旬ごろから街中がクリマスモードになります。デパートやショッピングモール等の至るところに大きなクリスマスツリーが登場します。凝った装飾をしているものから、大きさで勝負しているものまで様々です。
ここでは、メキシコの年末年始のイベント、習慣について紹介します。
posada(ポサダ)
12月に入ると、クリスマス前の9日間(12月16日から24日)を祝うposadaという伝統行事が開かれます。
イエスを身籠ったマリアがヨセフと一緒に宿(ポサダ)を渡り歩き、やっとのことで泊ることが出来たと言う出来事をお祝いする行事です。ですので、ポサダでは、ロウソクを持って家の中組と外組に分かれて歌を唄い合います。
つまり、外組の人はヨセフやマリアの役で「泊めてください」といい、中組の人は「泊めることはできない」というやり取りを歌でし、最終的には「では泊まってください」と、一件落着する歌劇です。
それだけではなく、ポサダでは花火をしたり、メインイベントのピニャータ割りをします。ピニャータとは、日本のくす玉のようなものですが形は様々です。キャラクター型のものや、星型のものなど沢山の種類があります。
このピニャータの中にはお菓子やフルーツが詰められていて、歳の小さい子供から順にピニャータを叩いて最終的には叩き割ります。
ピニャータ割りをする時には、目隠しをするので、スイカ割りの様に周りの人が「右!左!」など声をかけます。ピニャータの歌が終わったら次の人に交代です。
本来ピニャータ割りは子供向けですが、私が参加したポサダでは、大人もピニャータ割りをさせてもらえたので、みんな盛り上がっていました。ピニャータが割れてお菓子が落ちてきたら、一斉に子供たちが拾いに集まってきて終了です。
クリスマスイブ・クリスマス
メキシコではクリスマスのことを「Navidad(ナビダー)」といいます。日本ではクリスマスといえばカップルで過ごすイメージが強いですが、メキシコは、国民の80%以上がカトリック教徒であり、クリスマスは家族と家で過ごすイベントです。
そして、12月25日は祝日で休みです。ですので、クリスマスイブやクリスマスはお店を早く閉めたり、休業しているレストランが多いです。
クリスマスには、家で七面鳥やバカラオと呼ばれる塩漬けの干しタラを使った料理などを作ります。この季節、スーパーには大量のバカラオや七面鳥、お肉の塊などが並んでいます。
大きなクリスマスツリーを飾る家庭が多く、生木のツリーも沢山売っています。大きな木はトランクに入りきれないので、屋根の上に縛り付けて走っている車をよく見かけます。
また、日本でも見かけるポインセチア(赤い花のある植物)は、メキシコ原産なので、クリスマスシーズンになると至るところに飾ってあります。メキシコでは、ポインセチアのことを「Noche Buena (ノチェブエナ)」といいます。
年越し
クリスマスは、家族と過ごすメキシコですが、年末は友人や恋人と過ごす人が多いようです。
メキシコシティでは、ソカロやレフォルマ周辺で年越しイベントが開催されます。ライブや花火があり毎年多くの人が集まります。しかし、日本のようにお正月休みは無く、祝日になっているのは1月1日だけなのであまりお正月気分にはなりません。
東方三賢者の日
メキシコの年末年始のイベントの最後が、1月6日の東方三賢者の日です。これは、東方の3人の賢者がキリストの誕生を祝いに、ゴールドなどのプレゼントを持って駆け付けた日です(新約聖書の中に記載があります)。
今では、クリスマスにサンタからプレゼントをもらう子供達も多いですが、東方三賢者の日にプレゼントをもらう子供もいます。クリスマスか東方三賢者の日のどちらか一方でプレゼントをあげている家庭が多いようです。
この三賢者の日には「Rosca de Reyes(ロスカ デ レジェス)」というパンを食べます。このパンには、小さいキリストの人形が入っていて、切り分けた時に自分のパンに入っていると、1年間幸福が訪れるという言い伝えがあります。
しかし、このキリスト人形が当たった人は、幸せのおすそ分けとして、2月にトウモロコシの粉が主原料であるタマレスと呼ばれる具材をトウモロコシの葉で包んで蒸したものを周りの人に振る舞うという決まりがあります。当たりのような、ハズレのような複雑な気持ちですね。
年末年始にかけてたくさんのイベントがあるメキシコ。メキシコらしさを味わう良い時期なので、敢えて年末年始を狙って来てみるのも良いかもしれません。
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