日本の薬局でよく見かける「漢方薬」。漢方薬は中国伝統の薬と思われがちですが、実は、伝統中国医学を参考にし、日本独自に開発された医薬品。その歴史は、約300年ほど前、つまり江戸時代後期にさかのぼるのだそうです。
化学合成された薬が中心の西洋薬とは異なり、植物・鉱物・動物などの生薬を組み合わせて作られる漢方薬。日本の薬局で販売されている漢方薬は、厳しい検査を合格した薬だけに、怪しげな生薬が含まれている事はほぼあり得ない事。
ところが、漢方薬の元となった中国医学から開発される中薬(中国の漢方薬)の中には、びっくりさせられ生薬が原料となっている事があります。
例えば、ゴキブリ。出来るものなら見たくもないゴキブリですが、「奇跡を呼ぶ虫」として中国国内では大人気で、この需要に応じてゴキブリ農場も急増中。
このゴキブリですが、食用とされている地域も中国国内にはまだありますが、山東農業大学教授のリューさんによると、ゴキブリの粉から作られるクリームは火傷の治療に、そしてシロップは胃腸炎、十二指腸潰瘍、肺結核の治療薬として幅広く利用されているとの事。
ロバを巡って中国とキルギスタンの揉めごと
ところで、中薬に使われるある生薬をめぐって、中国と隣国のキルギスタンが揉めている、と言う記事を見かけたので紹介しましょう。この報道によると、問題となっている生薬の原料は「ロバ」。キルギスタンから中国に向けて輸出される4000匹のロバが大問題となっているのです。
既に中国へとトラックで運ばれているロバですが、キルギスタン国内での市場価格より高値となる、1頭43~57ドル(約5000~6700円)で買い取られたとの事。
キルギスタンの地元警察の調べでは、輸出に必要な書類や許可を全て得ており、両国のロバ取引に全く問題はないとの事ですが、何せキルギスタンは汚職まみれの国。地元住民からは、警察の見解とは全く異なる事情が多く聞かれます。
ちなみに、中国に大量に輸出されるロバは、ロバの皮から採れるゼラチンが中国国内で不足している事が主な理由。ロバから採れるゼラチンが、生薬として使われるのだそうです。その為、輸送費を削減する為に、実際には中国まで輸送せずに、キルギスタン国内で違法に屠殺し、皮がはぎ落された状態で捨てられている大量のロバが発見された、と言う事件も報告されています。
また2年前には、キルギスタンの首都ビシュケクの肉市場で、ロバの肉が違法に販売されている事で大騒ぎにもなっています。イスラム教徒が大半を占めるキルギスタンでは、イスラム教により禁じられているロバ肉が市場に出回る事は、キルギスタン市民としては一大事な事。
その為、現在、キルギスタン国内では、中国とのロバ貿易の透明性を求める一般市民の声が高まっているものの、商業組合会長は、「ロバ貿易で多額の利益が得る可能性のある貧しい農家を妬んだ市民が流しているデマに過ぎない」と述べるだけ。
生薬の為に殺される大量のロバもかわいそうですが、何も知らずにロバを食べさせられるイスラム教の消費者もたまったものではありません。結局、利益を得ているのは、一般市民ではなく、警察などの権力者と言う醜い話でした。
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