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なぜチェコのクリスマスにはサンタクロースがいないのか

なぜチェコのクリスマスにはサンタクロースがいないのか

 

 日本のクリスマスというと、サンタクロースがプレゼントを持って来てくれるのを心待ちにしてる子供が多いですよね。でもチェコには、サンタクロースは来ないのです。

 さぞかし子供はがっかりするだろうと思いますが、大丈夫です。しっかりプレゼントを貰えるのです。それは、イェジーシェック(Ježíšek)という人がプレゼントを持って来てくれるからなのです。

 このイェジーシェックですが、姿を見た人は誰もいません。イェジーシェックは小さなキリストさんなのですが、クリスマスイブの12月24日、窓やドアから知らぬ間に入ってきて、クリスマスツリーの下にプレゼントを置いていくのです。


 我が家のイェジーシェックは風と共に窓からすっと入ってきて、チリンチリンと鈴を鳴らします(もちろん、親が鳴らします笑)。それを聞いた子供たちは、急いでイェジーシェックを探すのですが、どこにもおらず、ツリーの下にあるプレゼントだけを見つけるのです。サンタクロースの来ない国は、隣国のスロバキアやドイツもそうだそうで、私たちが当然と思っていたサンタクロースの文化は、意外と少ない地域の物かも知れませんね。

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チェコではクリスマスに鯉を食べる

 チェコでは、クリスマスの食事は、朝から始まっています。というか、朝と昼は少しだけで、夜のご馳走まで我慢するのです。そうすると、「黄金の豚」を見ることができるそうです。黄金の豚とは、「見えた人は、幸せになる」というチェコの迷信なのですが、「肉禁止を守っていたら見える」という黄金色をした豚だそうです。朝も昼も軽い食事で済ませて、夕食まで我慢しているので、空腹のあまり豚の幻想をみると冗談を言う人もいます(笑)

 夕食は、鯉(コイ)のフライです。付け合わせは、ジャガイモのサラダです。クリスマスに鯉なんて、不思議ですよね。これは、キリスト教の教えで、クリスマスに肉が禁止されていた頃の名残のようです。今では無宗教の人も多く、魚は嫌いだから肉のフライを食べるという家族も多いです。

 この鯉ですが、クリスマス前になると、大きなスーパーの前や広場で売られています。大きな水槽に入って、生きたまま売られています。この寒い時期に、屋外で鯉をさばいてるのですよ。

クリスマスのお菓子は、大量に作る

 チェコ人は、お菓子作りがとても上手です。このクリスマス用のお菓子は、12月に入るとボチボチ準備を始めて、家族総出で沢山の種類を大量に作ります。そして、クリスマスで集まった家族や親戚、お客さんと一緒に食べるのです。時には、自分の作ったお菓子を交換して、いろんな人のお菓子を貰って、さらに充実させることもします。

 お菓子は、日持ちするように作らているのが多く、クリスマスから新年までの長い期間、常にテーブルの上に並んでいて、お喋りしながら摘まんで食べています。

チェコのクリスマス前には、鬼と神様、天使がやってくる

 12月6日、この日にはミクラーシュ(Mikuláš)という行事があります。まず、家に鬼がやって来ます。そして、悪い子を探して、袋に入れて連れて行ってしまうのです。見つかった子供たちは、今年一年良い子にしていたことを説明して、何とか連れていかれないように頑張ります。そして、次の年も良い子でいることを誓います。

 すると、鬼は帰って行き、代わりにそのミクラーシュという聖人が天使と一緒にやって来ます。子供が良い子であることが分かると、お菓子などご褒美をくれます。このミクラーシュですが、我が家のある村では、かなり力が入っていて、鬼は村中を歩き回り、その本格的な鬼たちに、小さな子は泣きます。どこの国にも、悪い子をなくすためには、怖い鬼が必要なのですね。

[参考記事]
「チェコのイースターでは男が女のお尻をムチで叩く」

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