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中国の結婚式は普段着で参加し、緩く進行していく

中国の結婚式は普段着で参加し、緩く進行していく

 

 それぞれのお国柄で違いが表れる風習。日本国内においても、多くの地域で風習に違いがあるものです。特に冠婚葬祭は、歴史と文化、宗教や価値観など、様々な地域で、方法やしきたりに違いがありますよね。お隣の国である中国は、広大な面積があり、民族も多く、悠久の歴史のある国ですから、冠婚葬祭に関しても一口では語れません。

 しかし、現代中国の都市部では冠婚葬祭に関しては、比較的標準化されていると言っても良いと思います。冠婚葬祭の中では、世界各国どこでも結婚式というのは華やかでおめでたいものです。現代中国都市部の結婚式事情について、ご紹介致します。

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*結婚式の前に行うトレンド*

 結婚式は人生の晴れの舞台であり、門出です。それは現代中国においても同様です。その結婚式の前から多くのカップルが行うトレンドがあります。大都市では、街のそこかしこでそのトレンドを発見する事ができます。結婚式場ではなくて、それは街中で行われています。日本人は普通しないトレンドです。余りに派手で、人目につき、見ている方が気恥ずかしくなる位にロマンスの世界に浸って見えます。そのトレンドは撮影です。

 豪華な衣装で、派手なポーズをして、雑誌の表紙を撮影しているかの様に、プロのカメラマンに写真を撮ってもらっています。季節の良い御天気の日には、大都市では至る所でそんな光景を目の当たりにします。

 一生の想い出にする二人の結婚写真を、街中で何カットも撮影して、フォトブックにしたり、豪華写真集にしたりするのです。一瞬、芸能人の撮影?と見間違いますが、普通の皆さんの結婚写真の撮影なんです。上の写真は筆者が上海の外灘を散歩している時に出会ったカップルの撮影風景です。中国では縁起の象徴の色である真っ赤なドレスを着た新婦が、ど派手な決めポーズで嬉しそうにカメラに収まっていました。

*結婚式と披露宴は一緒*

 日本では、神前か教会などで親族らによって正式に結婚式を行い、その後に友人や同僚に対する披露宴という形式が一般的ですが、中国では結婚式と披露宴は分離しておらず、一緒に行われているのが一般的です。結婚式専用の会場というのは基本的に無いので、ホテルの宴会場かレストランで行われるのが普通です。

 経済発展と共に、外国から様々な文化が流入して、結婚式にも年々変化が生じています。日本のブライダルサロンや結婚情報誌なども、その変化に対して大きな影響を与えています。

*普段着で参列できるフランクな結婚式*

 中国の結婚式は、日本の披露宴とほぼ同じような進行と内容と思って頂いて結構です。ですから、もしも結婚式に招かれても、しきたりを特別予習する必要はありません。

 しかも、日本の結婚式の様にかしこまってはおらず、とてもフランクな式典です。先ず日本人がびっくりするのは、参列者の服装です。普段着?と思われる格好でやって来ます。タキシードとかドレスとか、礼装で来る方はまずありません(あくまでも一般人の一般的な場合です)。男性の場合は、ネクタイも不要です。

 前提として、本日の主賓よりも派手で目立つ格好で行くのは失礼にあたるという考え方がある様です。ですから、下品で粗野でない限りは、普通の格好で行って何も問題ありません。

*とにかく緩い式の進行*

 日本の場合は、日時がはっきり決まっていて、開始時間には会場のドアが閉められて、今から式典が始まるという厳めしい雰囲気がありますが、中国の場合は驚くべき程ルーズに式が進行します。

 筆者が参列した事がある結婚式の一例で言えば、いつ始まったのかが分からない内に、誰かれ構わず飲食が始まっていて、壇上では何かが行われていると言ったイメージでした。

 何せ驚くのは、会場の座席が空席だらけという事です。欠席者が多いという訳ではないのです。これからやって来るのです。つまり多くの皆さんが遅刻して来るのです。現代中国の生活では、多くの場合が時間を厳守する傾向にありますが、結婚式に関して言うと、とても時間にルーズです。

*キャンドルサービスは煙草かお酒のサービス*

 日本では式の中盤に、お色直しをした新郎新婦が、参列者の各テーブルを巡回して、テーブル中央のキャンドルに二人で火を灯す事が一般的に行われますよね。中国でもお色直しが行われて、新郎新婦が各テーブルを巡回しますが、キャンドルサービスではなく、参列者に煙草かお酒を振る舞いに巡回します。

 煙草を頂く場合は、新郎がゲストに煙草を差出し、新婦がライターで火を灯してくれます。いわばこれがキャンドルサービスみたいな事かもしれませんね。

*気がつくと参列者の数が減っている*

 お食事をし、お酒を酌み交わし、歓談して、新郎新婦の巡回が行われ、式は緩やかに進行します。ふと見渡すと、テーブルには食事をした後があるのに、座席に人がいなくなっています。中国の結婚式は、開始も緩い上に、終了も緩いんです。日本の様にかちっと進行が決まっていて、最後には新郎新婦とご両親によるお見送りを受けてお開きなどと言う進行はしないんです。

 参列者は程良いタイミングを見計らって、三々五々席を後にして行きます。何だかとてもルーズな感じがしますが、中国式の結婚式はこれが当たり前。とても緩やかでフランクなんです。

 式典への参加というのは、一応それなりに緊張感を伴いますよね。海外であれば尚更の事です。しかし、中国の結婚式の場合は、そんな心配は無用と言えるかもしれません。もし、中国での結婚式の招待状が届いたら、ご参考にされて下さい。

[中国記事]
「中国国民は本当に反日なのか。中国在住10年の著者から見た中国」

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