海外旅行で海外に出かけるのと、実際に海外に移住して生活するのでは全然違います。
海外旅行では、その国の良いところばかり目に飛び込んできますが、そこに根を下ろして生活してみると、日本との差がはっきりとイヤでも分かってきます。
今回、パラグアイで交通事故を起こした場合の警察の対応、任意保険のいい加減さ、さらには事故相手とのやり取りについてご紹介致します。
海外の任意保険の仕組み
筆者の家族(夫婦のみ)は、南米パラグアイに移住して3年が経過していました。筆者は自家用車を持ち、南米では大きな会社の任意保険会社に加入しています。
日本の任意保険と違うのは、パラグアイ国内だけの事故適用保険にするのか、またはパラグアイから見て外国を走行中の交通事故も適用するのかで保険料金が変わってきます。陸続きなため、お隣の国に簡単に入れてしまうからです。希望があればアルゼンチン、ブラジル、チリなど適用範囲国を追加することができます。
筆者は、パラグアイから出ることは無いため、パラグアイ国内適用の任意保険に加入していました。
筆者の弟が日本から引っ越してくる
筆者の弟がパラグアイでの生活を経験したいと言う為、1年間の縛りで日本から引っ越してきました。
車が運転出来れば、行動範囲も広がるとの事で、日本にて国際免許も取得してきました。
国際免許を取得してから、1年間は海外で運転する事は出来るのですが、パラグアイの検問に引っかかると、大変ややこしくなり、通して欲しければ賄賂を要求されるのが常です。
パラグアイでは自動車、バイク等の盗難が多いため至る所で検問しています。例えば、自動車の名義と国際免許の名前が違うと、盗難車扱い、泥棒扱いされてしまいます。見逃して欲しければ例え盗難車でなくても「賄賂ちょうだい」。
これを回避するため、筆者の自家用車を日本から来た弟に貸しているとう証明書をパラグアイの行政書士(のような人)を通して作成してもらいました。この書類を車にいつも搭載しておくことで、盗難車扱い、泥棒扱いされなくなります。
弟が交通事故を起こしてしまう
日本と違い左ハンドル左走行のため、運転感覚は真逆です。何年もパラグアイで運転している筆者も、ぼーっとしているとヒヤッ!とすることはたまにあります。
弟が少し出かけてくると言い残し、出かけてから30分後に交通事故を起こしてしまったと連絡がありました。すぐさま私は事故現場に向かうと、相手はバイクで18歳の若い男性でした。
彼も弟も体に大したケガもないため、ホッ!としたのも束の間、相手の状況を聞いてみてびっくりしてしまいました。
無免許で重量税も払っていない、ナンバープレートの登録をしていない盗難車だったのです。おまけに夜だというのに無灯火走行でした。
警察が来て対応してくれるのかと期待していたのですが、18歳の彼は「連絡先教えておくから、必要になれば警察署に来て!」とだけ言い残し、帰ってしまいました。
任意保険会社に連絡する
任意保険会社に連絡し、状況を説明すると相手が無免許、無登録車ゆえに補償はできないと返答されました。
このままでは自家用車の修理代は自腹を切らなければなりません。納得がいかないため、知り合いの弁護士さんに連絡し現場に来ていただきました。
弁護士の見解も任意保険会社と同じで、保険での修理は難しいとのこと。ですが、弁護士は「警察署に出向き事故報告書を作成し、うまくいけば相手に修理費を支払ってもらえるかも」と言いました。
警察署で事故報告書作成と相手様の対応
警察署にて交通事故の報告書を作成後、弁護士、相手、弟の3人で話し合いましたが、相手は支払いを放棄しました。
支払いを放棄したがゆえに、相手には前科が付き、バイクの没収と今後6ヶ月間は国外出国禁止を命じられました。
こちらが望めば、数日牢屋に入ることになると言われましたが、未成年ということもあり、これ以上の罰則は与えないことにしました。
今回の件で、はっきり分かったのは、日本の保険会社や警察の対応の良さはスゴイということ。
パラグアイの警察は賄賂が取れないと分かると、仕事してくれませんし、保険会社もこんな交通事故のケースは保険の適用外だの一点張りで動いてもくれませんでした。
自分の身は自分で守れ!これが日本から離れて一番に分かる事柄です。今後、海外で生活しようと計画を立てておられる方、運転しようと考えておられる方のご参考になりましたら幸いです。
[参考記事]
「タイの交通事故死は世界で第2位。その理由とは」
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