スペインの小学校
スペインの小学校はプブリコ(公立校)、コンセルタード(政府から補助を受けている私立、つまり半分公立)、プリバド(私立)と3つあり、初等教育は6歳から始まります。
始業時間は各学校によって違いますが、大体朝の9時から10時の間に始業開始。そして9時始まりのところは午後の2時で終業、10時から始まる学校は5時に終業となります。朝の9時から始まる学校が2時で終業なのは給食の後授業がないからです。10時開始の学校は1時半より90分の給食、昼休みを挟んだ後3時半から午後の授業が始まり、そして5時終業です。
制服は学校によってあったり無かったり。体育の授業や、修学旅行等で着る学校指定体操着はほとんどの学校でありますが、「運動が出来る服装であれば可」という学校もあります。
校則と言えるほどのものはありませんが、登校時間を守る、携帯電話の持込み禁止、おもちゃを持ってこないといったベーシックなものしかありません。制服がある場合を除き、学校に持っていくカバンをはじめ、着る服、履く靴、髪型や髪の色、ピアスも自由です。
スペインの小学生はどんな教科を勉強するの?
教科に関してですが、必修科目はスペイン語、算数、理科、社会、音楽、図工、体育、英語です。選択科目はカトリック教育または道徳。
スペインにはバスク語、カタラン語、ガリシア語があるので、バスク地方の子供たちはバスク語、バルセロナ地方の子供たちはカタラン語、ガリシア地方の子供たちはガリシア語、といった様に上記の科目プラス、地方語(必修)を勉強します。
大抵の小学校では図工の授業は英語で行われています。他にはバイリンガルやマルチリンガル教育をステータスとする学校もあり、そのような学校では図工はもちろん、理科と社会の授業も英語で教えられています。
小学校の外観
下の写真に映っているのは校門です。黒く大きなゲートが厳かな雰囲気をかもし出していますが、ロックはかかっていないし、朝の8時半から放課後の課外活動が終わるまで、いつでも誰でも入れます。「防犯上それってどうなの」という疑問や「施錠してインターホンとセキュリティカメラを入れたほうがいい」という保護者の要望はPTAの会合で毎回出ますが、何年たっても決まりません。
なにせここは「超」がつくほど田舎なので、みなさん大らかというか、ゆったり構えているというか。とはいうものの、都会の小学校はさすがにロックはあるようです。
学校の中
日本の学校と違い、下駄箱はありません。下の写真は1931年に建てられたこの学校、床のタイルと天井の高さがいかにもスペインです。
この小学校は幼稚部(3歳から6歳)初等教育部(6歳から12歳)、中等教育部(12歳から16歳)が同じ建物の中にあります。
かつては沢山いた子供たちですが、この田舎も今では少子化の影響を受けたり、仕事を求めて都会へ引越した家庭も多く、現在の在籍児童数は多くなく各学年クラスは一組のみ。それも定員割れしているのが実情です。
その代わり、都市部にある人気の学校にはウエイティングリストがある場合が多く、定員に空きが出ないかぎりその学校には入れません。入れなかった場合はどうなるかというと、第2または第3希望の小学校に行くことになります。
教室の中
見慣れた配列の教室。1クラスの定員は25人と結構こじんまりしています。黒板の配置、机の形や並びはなんとなく日本の教室と似ています。
そして勉強に使う教科書や文房具類などの学用品は日本と同じ各家庭が購入します。指定の教科書を一式揃えると児童一人あたり約250ユーロ、その他にノートや画用紙、色鉛筆などの費用がかかります。
この教室の中で勉強に励むわけですが、スペインの小学校には成績が悪い子供はもう一回その学年をやり直すという、いわゆる「留年制度」があります。
スペインの給食。やっぱりパエリア、スパニッシュオムレツ?
この小学校は2時に終業、そのあと家に帰って昼食を食べる子供たちもいれば、学校で給食を食べる子供たちもいます。ランチルームはスペイン語で「コメドール」と呼ばれ、パン、前菜、メイン、デザートが配られます。飲み物は基本的に水。
メニューを見てみると、前菜はヒヨコ豆とチョリソのポタージュスープ、メインはグリルチキンとサラダ、デザートはバナナとかなりシンプルです。もちろん、パエリアやスパニッシュオムレツも度々メインとして出され、前菜にはチョリソやハモンなどといったものも登場します。
給食を食べ終えてから3時半まで昼休み。課外活動はそれから始まります。家で昼食を取る子供たちは課外活動の時間になるとまた学校へ戻ってきます。
よく遊び、よく学べ
スペインの小学生も放課後は習い事や課外活動で忙しいしです。課外活動は部活動やクラブ活動のことです。外部からインストラクターが来てサッカー、チェス、英会話などを希望者に教えたりします。
また、テストの結果に一喜一憂したり、出された宿題の山と格闘したりと日本の子供たちと似たような子供時代を送っています。
そして、スペインは日本のアニメを輸入することが多く、ポケモンやクレヨンしんちゃんをはじめ、ドラえもん、ツムツム、イナズマイレブン、妖怪ウォッチなどをスペインの子供たちは知っているので、スペインから日本に来た子にはアニメの話題を振ってみたら仲良くなれるかも知れません。
[スペイン記事]
「スペインの自動販売機を写真付きで紹介。飲み物は5種類だけ」
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