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日本人はスウェーデンで人種差別を受けるのかに答えます

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日本人はスウェーデンで人種差別を受けるのかに答えます

 

 近年、日本からスウェーデンへ旅行で行かれる方、留学される方、お仕事や結婚などで移住される方も増え、日本人にとってスウェーデンは少しずつ身近な国になりつつあります。

 スウェーデン人は、私達日本人に対して好意的な国民なのでしょうか?人種差別に遭ってしまうことはあるのでしょうか?スウェーデン在住歴5年、30歳の日本人女性が、自身の体験を基に見解をまとめてみました。

スウェーデン人の日本人、アジア人への理解

 スウェーデンには、アジア人を含め、非常に多くの外国人が住んでいます。そのため、場所にもよりますが、外国人をあまり知らない人に不躾に見つめられるということは、ほとんどありません。あるとしたら、極端に外国人が少ない住宅街で、子供が珍しがってジロジロ見つめてくる程度です。アジア人の外見が珍しいというよりは、日本独特のファッション等が思いがけず注目を集めてしまうことはあるかもしれません。また、私と夫のような異人種カップルも全く珍しくないため、注目の的になることはありません。

 私自身、現地で日本人として生活する中で、多くのスウェーデン人は日本と日本人に対して好意的だなと感じています。日本のアニメや和食など、日本の文化に興味のある方、日本に旅行や留学で行ったことがある、又は行ってみたいといってくれる方に何人も出会いました。勿論、日本にもアジアにも全く興味や知識がない人もいます。外見だけで日本人、中国人、韓国人の区別ができないというだけではなく、「アジアはどこも同じようなものだろう」と認識している人もいます。

 スウェーデン人の多くは、日本人だけでなく、他のアジア人に対しても割と好意的だと感じています。スウェーデン人のアジア系移民に対しての印象として、「真面目」「礼儀正しい」「仕事熱心」「学業優秀」「スウェーデン文化、社会に溶け込む努力をしている」等があげられます。そして何よりも、アジア系移民による犯罪が非常に少ないことが、好意的に接してもらえる大きな理由でしょう。このように、スウェーデン人のアジア人へのイメージは、スウェーデン在住のアジア人の生活態度に基づいているように思います。

 一部のヨーロッパの国では、中国人に対して「マナーが悪い」等、悪印象を持っている人が多いと聞いたことがあります。また、多くの中国人が現地に移民をしたことで、ヨーロッパ人の中には「自分達の国を乗っ取られる」「職を奪われる」といった危機感を持つ人達もいるようです。一方、スウェーデン人は、現地人の職を脅かす外国ではなく、社会福祉の恩恵に依存する移民、スウェーデン文化を尊重しない移民、スウェーデン社会に馴染む努力をしない移民、犯罪を犯し社会の秩序を乱す移民に対して不満を持っているように感じます。

どこの国にも、外国人を嫌う残念な人達はいる

 他のヨーロッパの先進国同様、スウェーデンでも、人種差別意識を言動や行動で表現することは、程度の低い、教養のない人間のすることだという認識です。しかし、残念ながら、スウェーデンにも一部、外国人、有色人種というだけで相手を毛嫌いし、差別をする人は少数ですが存在します。そのような人達は、小柄な人、言語が完璧ではない人、大人しそうな人に目を付けて、通りすがりに暴言や差別用語を吐いて日頃のストレス解消をする等も、まれにですが起こります。

 また、人種差別意識と敵対意識を混同している人が多いので、言っておきますが、これは別のものです。人種差別は肌の色が黒いとか黄色いとかで差別が生まれますが、敵対意識は生命(or国土)が脅かされるという意味での防衛意識です。敵対意識は歴史的な背景から生まれていますので、人種差別とは別物です。

 スウェーデンは2017年にロシアの脅威を感じて徴兵制を復活させていますので、スウェーデンとロシアは仲が悪いです。ですので、スウェーデン人はロシア人を好いていません。でも、これは敵対意識であって、人種差別ではないのはお分かりですよね。日本も同じ状況なので、理解しやすいのではないでしょうか。日本は中国、韓国、北朝鮮と敵対していますが、彼らのことを嫌いだと言っても人種差別と思っている人はいないです。一部の人だけは「人種差別だー」と叫んでいますが、これは違います。敵対意識です。

 話を戻しますと、私自身は直接以上のようなあからさまな人種差別を受けたことはないのですが、外国人としてスウェーデンに住んでいる以上、やはりアジア人である自分は異質であり、それだけで嫌な思いをすることは十分あり得ることなのだと思っています。

スウェーデン語ができない者への風当たり

 私自身、現地での生活を通じて感じるのは、高いスウェーデン語力=相手が親切になる、という相関性です。多くのスウェーデン人は英語が堪能なため、観光客や交換留学生は勿論、在住者でも、多少の不便を我慢すれば英語だけで生活できてしまいます。しかし、スウェーデン人の中には英語が流暢なのにも関わらず、スウェーデン語を話さない外国人に対して冷たかったり、不機嫌な態度をとったり、積極的にコミュニケーションを取ろうとしない人もいます。

 また、外国人の話す英語やスウェーデン語が聞き取りにくい時に、思いっきり眉間に皺をよせたり、イライラした態度を率直に出す人もいます。更に、スウェーデン人は、日本人(アジア人)=スウェーデン語が流暢ではないといった認識を持っているように感じます。そのせいか、夫婦で買い物に出かけた際に店員さんと話していても、夫しか見ない、夫としか話さないといったことが今でも度々あります。

 しかし、それでも言葉で自分の意思を伝える事はこの国ではとても大事だと感じています。たとえ相手が先入観を持っていても、自分のスウェーデン語に訛りがあっても、コミュニケーションが成り立つと分かれば、相手の態度も変わってきます。逆に、語学力に不安があるという理由で、主張するべきことを主張しない、反論するべき時に反論しないといった行動が、軽い扱いを受ける原因になることもあります。

「外国人が嫌いなのでは?」と誤解されやすいスウェーデン人の行動

 他のヨーロッパ在住の方もブログやその他インターネット記事で指摘されていますが、お店やレストラン等でのヨーロッパ人の愛想のない接客対応は「私がアジア人だから冷たい対応なのでは?」という思い違いを生んでしまうかもしれません。

 どうしても日本と比べてしまうと、スウェーデン人の接客態度は「冷たい」「素っ気ない」「笑顔がない」「気が利かない」という印象になってしまうかもしれません。他のヨーロッパの国と同様、「お客様は神様だ」という理念もないため、よく言えば自然な接客、悪く言えば大雑把な接客になりがちです。私自身、話しかけても無視されるといった極端な対応をされたことはありません。また、道案内をお願いする際に通行人を引き留めた際も、無視されたことはありません。自分から積極的にコミュニケーションを取り、具体的に何をして欲しいのかを明確に伝えれば、常識の範囲外の要求でなければ親切に対応をしてくれることが多いと感じています。

 ただ、上記の内容と重なるのですが、アジア人=言葉ができなさそう=面倒くさいという認識のために、あまりコミュニケーションが得意でないスウェーデン人の場合だと、「ちゃんと会話が成立するのか?」「面倒な客」という態度を丸出しにする、あるいはスウェーデン人の連れ合いとしか話さないことがあります。

 日本人同様、スウェーデン人も外見を通して「仲良くなれそうか」「気が合いそうか」等を判断する傾向はどうしてもあります。同じ人種同士又は似た外見の者同士で親近感を持つことはスウェーデンでも同じだと感じます。私は現地の大学で勉強しているのですが、スウェーデン人学生はスウェーデン人学生同士で固まりやすい傾向があることに気がつき、避けられているようで寂しい気持ちになったことがあります。実際に、多くのスウェーデン人は外国人にあまり興味がなく、積極的に話しかけたり友達になりたいとは思っていません。

 また、人生の早い段階で親しい友人を作ることが一般的なスウェーデンでは、途中で友人を得ることそのものが難しく、疎外感を感じることはあります。しかし、「自分から積極的にコミュニケーションを取ることで、相手も心を開いてくれる」というのは、大学生活でも同じだと実感しました。また、スウェーデン人は相手の話を遮ったり無視したりせず、きちんと聞いてくれる人が多いです。グループディスカッションやプレゼンテーションの際に、自分が外国人でスウェーデン語が母国語ではないから等の理由で笑われたり、発言内容を軽視されたことは一度もありません。

最後に

 一般的に、スウェーデン人が日本人や他のアジア人に対して否定的な感情を持っているという事実はないと思います。また、他の先進国に属するヨーロッパ同様、露骨な人種差別を許容する風潮もありません。ただ、日本人同士のような濃厚な人間関係を求めたり、「スウェーデン人はみんな親日なはずだ!」といった過度な期待を持っているとがっかりすることになるでしょう。多くのスウェーデン人は外国人自体にあまり興味がなく(嫌いではない)、彼らにとって日本は、未だに遠い異国なのです。

 どこの国にも、外国人や異人種を忌み嫌う極端な思想の持ち主は、残念ながら存在します。また、近年、移民による犯罪率と失業率の高さが社会問題になっていることから、難民の受け入れや、多文化主義に否定的な考えのスウェーデン人も増えてきています。

 スウェーデンでの生活は楽しいことばかりではありません。それでも、スウェーデンで夫と暮らすことを選んで良かったと思っています。スウェーデン人の多くは、「スウェーデンにはスウェーデン人だけが住んでいる」「スウェーデン人はスウェーデン人と恋愛、結婚するのが普通」という考えを持っていないため、スウェーデンはアジア人を含めた外国人にとってやはり住みやすい国なのだと感じています。また、一見不愛想で人見知りなスウェーデン人ですが、話をしているうちに心を開いてくれることも多いです。

[参考記事]
「中国国民は本当に反日なのか。中国在住10年の著者から見た中国」

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Comments / Trackbacks

  • Comments ( 1 )
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  1. スウェーデン在住男性

    残念ながらアジア人差別は少なくとも存在します。アジア人男性のほうが女性より差別的扱いを受けるかも。
    あなたは靴に唾を数回吐きかけられたり、通りすがりにヘルベッテアジアンとか言われたことがないのでしょう。

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