日本人にとっては慣れない欧米のスキンシップですが、友人としての信頼関係を築いたり、商談相手と仕事をスムーズに進めるためにはかかせない手段です。といっても、国によって多少やり方が違うので注意が必要です。
この記事では日本人に人気の旅行先であるヨーロッパ3か国(イタリア、フランス、ドイツ)での挨拶の交わし方の違いや注意点について説明します。
イタリア
イタリア人は人懐っこいという世間一般のイメージの通り、イタリアでの挨拶は親密さと温かみを持って行われます。初対面の相手とは握手のみで自己紹介と簡単な口述の挨拶ですが、2回目以降からは左右の頬に1回ずつキスを交わします。
キスとは言っても頬と頬をくっつけて自分の唇でチュッとエアーのキス音を鳴らすのが一般的で、実際に唇を使って相手の頬にキスをするのは相当親しい友人同士に限られます。
久しぶりに会った場合だけではなく、人と会う度、別れるたびに欠かさずこの挨拶は繰り返されます。大人数であろうが関係ありません。一人ずつ全員とキスを交わすのでたびたび路上でかなりの時間を弄することがあります。
フランス
フランスでも挨拶にキスを交わします。イタリアでは左右に一回ずつですが、フランスでは右・左・右と三回交わすのが一般的です。頬と頬をしっかりくっつけて、私はあなたに心を開いていますよとアピールしましょう。
会った時と別れるとき以外にも、お土産やプレゼントを渡すシーンではキスの交換が行われます。しっかり心構えをしてからプレゼントを受け取る、もしくは渡しましょう。
フランス人は英語やスペイン語を教養として身につけている人が多数いますが、だいたいの人があまり好んで外国語を使いたがらない傾向にあります。片言でも単語の羅列になってしまっても、多少のフランス語を覚えておくと好感を持ってもらえます。
ラテンの国々とは一味違うドイツ
先述の2か国とは大きく異なるのがドイツです。イタリア人やフランス人に言わせれば「冷たい」ゲルマン系の民族の国です。彼らは実は冷たいわけではなく、適度な距離を保ってお互いのプライバシーを尊重することを習慣としているのです。
挨拶にキスを交わすことは稀で、大概の場合は言葉と笑顔だけでの挨拶になります。そういった面では少し日本に近い感覚の国民性です。それでも誰かの誕生日を祝うときなどはハグを交わし、キスを交わします。
ですが、ドイツ人が挨拶で交わすキスはキスの「ふり」です。頬と頬の間に一定の距離を保ったまま顔を交差させ、相手の耳元でキスの音だけを鳴らします。イタリアやフランスでの挨拶のキスに慣れてしまっていると、大いに引かれる危険があります。
また逆に、ドイツの挨拶に慣れてしまって、フランスやイタリアで頬を相手の頬から離したままキス音だけをかわそうとすると、相手に不快感を覚えさせてしうので注意が必要です。