ブルガリアは、ヨーロッパの中ではかなり物価の安い国です。農業が盛んなので、季節の野菜や乳製品などは、特においしくて安いです。今回は、そんなブルガリアのスーパーマーケットの様子をご紹介したいと思います。
<カート>
大きいスーパーマーケットの場合、まずは入店前にカートを取ります。カートは通常入口の外に置いてあって、カート同士がチェーンで繋がっているので、コインを入れてチェーンを外します。カートを返却するときは、前のカートのチェーンを自分のカートに差し込むとコインが返ってきます。
小さい買い物かごが置いてあるスーパーマーケットもありますが、あったとしても数が少ないので、全部出払っていて使えないことがよくあります。
<入店前の注意>
スーパーマーケットの入口付近には、ロッカーや棚が設置してあることが多いです。
店内でのトラブルを避けるためにも、他のお店で買った物は、ぜひここに入れて下さい。コインを入れると鍵がかけられます。このコインも、もちろん後で返ってきます。
ロッカーがない場合は、受付カウンターを利用して下さい。もちろん、ロッカーや受付カウンターに、ジャケットなど単に買い物に邪魔な荷物を預けることもできます。
<少量の買い物の場合>
カートを使うほどではない少量の買い物をする場合、日本人が見たら驚くと思いますが、持参したマイバッグやレジ袋に直接商品を入れている人もいます。それをレジまで持って行って、いったん出して会計を済ませれば特に問題ありません。この方法で買い物する人がいるので、前述したように、他のお店で買った物を店内に持って入るのはまずいのです。
<野菜を買う方法>
スーパーマーケットで「野菜」を買う方法は、日本とはちょっと違います。パックされている「野菜」はそのままカートに入れればよいですが、そうでないものは、売り場にあるビニール袋に自分が欲しい量を入れます。値段は、たいてい1キロ当たりの値段が表示されていますが、ニンニクなどのように小さな野菜の場合は100g当たりのこともありますし、ごくたまに1個当たりの値段のこともあります。
重さ当たりの値段が表示されている「野菜」をビニール袋に入れた後どうするかは、スーパーマーケットによって2つのパターンに分かれます。売り場に液晶画面の付いた秤(はかり)が見当たらない場合、重さはレジで量ってくれるので、そのままカートに入れます。
秤がある場合は、それに乗せて、まず画面で「野菜」なのか「果物」なのかを選択します。「野菜」を選ぶと「野菜」の写真がずらっと並んだ画面が、「果物」を選ぶと「果物」の写真がずらっと並んだ画面になります。
その画面に選択したいものがない場合は、矢印で次の画面に行きます。買おうとしている野菜の写真を見つけたら、それをタッチします。すると、値段の印刷されたステッカーが出てくるので、それをビニール袋に貼ってからカートに入れます。
ここでちょっと面白いのが、「かぼちゃ」を買う場合です。不思議なことに、「かぼちゃ」は「野菜」の画面をいくら探しても出てきません。どうやらブルガリアでは、「かぼちゃ」は「果物」に分類されているようで、「野菜」ではなく「果物」の画面にあるのです。「かぼちゃ」を買うときは、「果物」の画面から探し出してください。
<肉、魚、チーズ>
ブルガリアでよく食べられる肉は、「豚肉」」です。スーパーマーケットでも、やはり、「豚肉」が最もたくさん売られています。ちなみに、「薄切り肉」は売られていません。
「鶏肉」は、部位ごとでも売られていますが、まるごと1羽でも売られています。日本では見かけない「うさぎ」の肉も売っています。肉類は、日本と比べて安いです。
しかし、「魚」は肉と比べて売られている量も少ないですし、値段も決して安くはありません。
「チーズ」は、たくさんの種類があります。大きく分けて「ホワイトチーズ」と「イエローチーズ」の2種類がありますが、原料や加工法によって、それぞれさらに多くの種類に分かれています。
<ビール>
ブルガリアでは、びんや缶の「ビール」も売られていますが、ペットボトルの「ビール」も売られています。ペットボトルの「ビール」には、1リットル入り、1.2リットル入り、2リットル入りなどがありますが、1リットル入りだと1本1.8BGN(約117円)前後、2リットル入りだと1本2.5BGN(約163円)前後で買えます。
<ヨーグルト>
ブルガリアといえば、もちろんヨーグルトです。スーパーマーケットには、たくさんの種類のヨーグルトが置いてあります。プレーンヨーグルトだけでも、脂肪分0.1%のものから10%のものまで様々です。
ブルガリアの人は、プレーンヨーグルトをそのまま食べるだけではなく、料理に使ったりもします。値段はいろいろですが、プレーンヨーグルトの場合、500g入りで1BGN(約65円)前後のものが多いようです。
<レジ>
大きいスーパーマーケットのレジは、たいていコンベアになっているので、カートから商品を自分で取り出して並べます。同じものをまとめてたくさん買う場合は、1個だけコンベアにのせて、残りはカートの中に入れたまま、レジの人に数えてもらってレジを通します。
野菜売り場に秤がないスーパーマーケットの場合、レジでバーコードの読み取りと同時に重さも量れるようになっています。
<レジ袋>
スーパーマーケットのレジ袋は有料です。スーパーマーケットごとにそれぞれデザインや質が違っていて、値段は0.1~0.4BGN(約6.5~26円)です。それとは別に、何度も使える布製のオリジナルバッグを置いているスーパーマーケットもあります。
小さなスーパーマーケットの場合は、レジでレジ袋が要るかどうか尋ねられ、必要な旨伝えると出してくれるというシステムの所が多いです。コンベアがあるような大きなスーパーマーケットの場合は、レジ袋はたいていコンベアの下に置いてあるので、商品と一緒にコンベアの上に置きます。
<会員カード>
「会員カード」を発行しているスーパーマーケットもあります。期間ごとに、誰もが割引の値段で買える商品とは別に、「会員カード」を持っている人だけが割引の値段で買える商品が存在します。「会員カード」の発行は無料なので、「会員カード」を作ればいいだけのことですが、表示されている割引の値段には、「カード会員のみの値段」と書かれていないので、旅行で来た外国人などには意味が分からないのではないかと思います。
ブルガリアのスーパーマーケットは、日本のスーパーマーケットとはちょっと違う点もありますが、欲しい物を持ってレジに行ってお金を払う、という点は同じです。
ガイドブックに載っているレストランで食事をするのもよいですが、スーパーマーケットでいろいろ買って帰ってホテルの部屋で食べるのも楽しいのではないでしょうか。買い方がよくわからない時は、周りの人がどんな風にしているか観察して真似をすれば大丈夫です。ブルガリアにお越しの際には、ぜひスーパーマーケットを利用してみて下さい。
(※2017年2月現在のおおよその為替レート(1BGN=65円)で計算しています。)
[参考記事]
「イタリアのスーパーマーケットの特徴を写真付きで解説」