「ジェントルマン」と聞いて多くの人は小説や古典映画に登場する知的で優しいイギリス人男性を思い浮かべるかもしれません。では実際のところ、ジェントルなイギリス人男性は本当に実在するのでしょうか?
この記事では、現代を生きるイギリス人男性のジェントルマン度についてご紹介します。
ジェントルマンと言えばタキシードにシルクハット?
ジェントルマンの古典的人物像といえば“タキシードにシルクハット”。しかし、日本人男性のイメージが未だ“侍”であると同様に、現代ではタキシードにシルクハットを身につけるイギリス人はまずお目にかかれません。
では、現代版のジェントルマン人物像をイメージしたならどうでしょうか?ダークスーツにピカピカの靴でロンドンの金融街(シティ)を闊歩するビジネスマンといったところでしょうか。そのようなイギリス人男性が女性をスマートにエスコートしたならば、女性はうっとりするでしょうし、やはりジェントルマンは存在すると感じるかもしれません。
ビールとパーカーを愛するイギリス人
では、現実のイギリス人男性の典型的なスタイルはどうかというと…。一部のファッションにうるさい男性を除き、服装はTシャツにジーンズ、フード付きパーカー姿がスタンダード。黒や茶系といった地味な色が多く、多少服が破れていても気にしません。ちなみにフード付きパーカーは流行やお洒落で着用しているというよりは、雨がよく降る気候であるために好まれる服。郊外であれば長靴も日常的なファッションアイテムです。
仕事を離れれば、パブや家でビールを片手にサッカーやラグビーをテレビ観戦です。おつまみにはポテトチップスの大袋。食事は食パンにポテトフライを挟むだけのこともあります。サッカースタジアムのある街であれば、試合当日は朝からお酒臭い男性がスタジアムにわさわさと集まり、試合後も夜中まで騒ぎ続けます。誰彼かまわず話しかけるフレンドリーな国民性が災いするのか、お酒が入るとトラブルになることも少なくありません。
皮肉をこめたブラックユーモアが大好き
アメリカ人男性と比較してイギリス人男性は控えめな印象がありますが、実はおしゃべりが大好きです。会話の中身は政治・経済・天気・地元ネタ、何でもあり。もちろん下ネタも大好きであり、外国人にはチンプンカンプンな隠語がたくさん登場します。
そしてイギリス人の会話で特徴的なのは、皮肉たっぷりのブラックユーモアです。日本人なら憚れる宗教ネタや他国の悪口も、嫌味たっぷりのジョークにしてしまいます。日本で起こった震災もネタにします。こういうところは知的でスマートなジェントルマンとはほど遠い。
ではジェントルマンは実在しないのか?といったら答えはNO。イギリス人男性は重い荷物を持って階段を昇る女性を見かければ手伝い、ゆっくり丁寧な英語で挨拶をする。また、それなりのレストランに行けば食事マナーを守って楽しい時間を過ごそうと努めます。
現代を生きるイギリス人男性は粗野で下品なところもありますが、ジェントルマンの要素も持ち合わせています。余談ですが、来日経験のあるイギリス人女性に言わせれば、「ファッションに敏感で女性に優しい日本人男性こそジェントルマン!」だそうです。もしかしたら、“侍”精神が宿る日本人男性もジェントルマン要素の高い国民なのかもしれませんね。