エジプト人の日常的な飲み物と言ったらシャーイ(紅茶)。老若男女問わずみんなしょちゅうシャーイを飲んでいます。しかも定番は熱いシャーイ。ご存知の通りエジプトの夏は本当に熱く、気温が40度を超えることもありますが、それでもエジプト人が飲むのは熱いシャーイ。私がアイスティーを飲んでいると「シャーイはホットでしょ」と言われるくらい冷たいお茶はあまり馴染みがないようです。
冷たい飲み物の定番はペプシ等の炭酸飲料かフルーツジュース。ちなみにコーヒーもみんなよく飲みますがこちらもやはりホットが定番で、アイスコーヒーを注文するエジプト人をあまり見たことがありません。
このシャーイに入れる砂糖の量が尋常じゃないんです。エジプトの紅茶はリプトンのティーバッグ等も使いますが、メジャーなのが粉状の紅茶の葉(下の写真)。そのままカップに入れお湯を注いで飲みます。「飲んでる途中で茶葉も一緒に飲んじゃいそう」と思いますが、熱湯を注ぐと茶葉はカップの底に沈殿し意外と口には入ってきません。飲み終わるとカップの底に茶葉だけが残ります。
茶葉の量は、ちょっぴり味が濃い目なのでティーカップ1杯にティースプーン1杯よりちょっと少ないくらいの茶葉で十分です。
そしてお砂糖。こちらはもちろんお好みで、なのですがエジプト人の砂糖の量は半端じゃありません。私調べですが、カップ1杯に対して砂糖3杯が平均かと思われるます。さすがに砂糖5杯以上入れる人は出会ったことがありませんが、私の知人は砂糖4杯がデフォルトです。
この知人のコーヒー(もちろん砂糖4杯)を一口もらったのですが、まさにその味はコーヒーキャンディー。飴だったら美味しいけど、飲み物としてこの甘さはちょっと・・私は一口でギブアップでした。
日本では糖質制限食が流行っていますが、エジプトではそのブームは一生来ないでしょう(笑)エジプト政府が砂糖不足による国民の暴動を恐れているくらいエジプト人は砂糖が好きなのです。
お茶にも砂糖を入れる
砂糖をたっぷりいれるのは紅茶だけでなくお茶も同様です。以前、香港のコンビニでお茶を買った時に砂糖が入っていてビックリしましたが、それと同じです。砂糖をたっぷり入れた方が美味しく飲めるお茶もあります。特にハイビスカスティーは酸味が強いので私はノンシュガーでは飲めませんでした。しかし日本人の友人がノンシュガーでハイビスカスティーを飲んでいたので、好きな方はノンシュガーを好むようです。ハイビスカスティーはホットもアイスも定番の飲み物です。
以前、私が日本から持ってきた緑茶のティーバッグを入れようとしていました。横にいたエジプト人の友人が「今シャーイを入れるから、あなたのお茶も作っておくよ」と言ってくれたのでお願いをした時の事。出来上がったお茶を飲んでみるとなんだか甘い。どうやら砂糖の入ってないお茶を変に思ったようで親切に砂糖を入れておいてくれたのでした。それくらいお茶には砂糖がマストのようです。
甘いのは紅茶やお茶だけではありません。下の写真はエジプトでは冬によく飲むあったかいミルクの飲み物「サハラブ」です。ホットミルクにとろみをつけ、ナッツやドライフルーツをトッピングするのですが、こちらも結構な甘さです。
エジプトに来たばかりの頃、先輩エジプト在住日本人から言われたことが今なら納得できます。「エジプトはパワーを使うから、甘いものをとらないとやっていけないよ!」と言われ、最初はその意味が分からなかったのですが、確かにその通りなんです。
日本のように計画通り、予定通りにはいかず物事ひとつするのにも時間がかかったり、買い物の時はフレンドリーだけどちょっとしつこいエジプト人店員に疲れたり、普通に生活するにも何かとパワーを使います。そんな疲れた時に熱くて甘いシャーイは元気を与えてくれるのです。イスラム教徒が9割を占め、アルコールを飲まない人がほとんどなので甘い飲み物がよく飲まれるのかもしれません。毎日を全力で生きるエジプト人には欠かせないのですね。
[エジプト記事]
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