元々、日本でウエディングプランナーをしていました。その後、中国の上海へ転勤となり現地のウエディングを担当してきました。数多くの現地上海の結婚式を担当してきた中で一番驚いたのは上海女性が求める男性の条件です。その結婚相手の条件を日本人男性に提示したとすれば、間違いなく該当する人は一握りだと思います。そのぐらい結婚相手に求める条件が厳しいのです(笑)
1)新居を購入していること
現地上海の独身女性の絶対といっていいほどの条件は「新居を購入していること」です。新居の用意がないとまず結婚はしません。また、どこでもよいわけではなく必ず上海市内であることも条件となります。
補足となりますが、中国の家の購入と日本の家の購入では大きく違う点があります。中国ではまず、マンションや戸建ての家を内装が無い状態で購入します。購入した家は、この段階では単なるコンクリートの空間でしかありません。その後に内装を別途で行います。
中国の不動産バブルはまだ続いており、新居を購入するのはすごい負担となります。金額にして、家の躯体は平均して約5000万円~8000万円、そして内装にかかる費用の平均は約300万円~500万円だと言われています。もちろん、購入した新居の場所や広さによって異なりますが。上海中心部にある高額な家になれば、3億円以上のものなどもあります。
2)新居の名義人は、新郎と新婦であること
新郎の両親が新居を買い与える場合があります。しかし、名義人が両親では離婚したのちに財産分与としてお金が入らない為、新居の名義人を新郎と新婦共同名義にすることを条件にすることが多いようです。
中国の中でも特に、上海人はお金に細かいと有名です。上海人の一般的な月収が、約10万円前後。普通に考えれば、何千万もする新居を用意するのは大変ですよね。では、どうするかというと男の子の親は、子供が生まれた時から将来の嫁のために貯蓄を始めるのです。そして、貯蓄を増やすために株や為替を行います。上手く運用し、息子の結婚の為に新居や車を用意するのです。
3)車を持っていること
上海は都会で、車がなくても生活に支障はありません。しかし、結婚となれば話は別となります。免許の取得や、車の購入費用、そして車のナンバープレートの取得が必要となります。中国の場合、車などは贅沢品となる為、かなりの税金がかかります。日本の車の倍の価格になります。
そして車のナンバープレートに関してですが、上海は車の量が多くて、時間帯や曜日によって高速道路を通れる車をナンバープレートによって制限しています。その為、ナンバープレートはとても重要となります。必ず、規制対象外である上海のナンバープレートであることを要求します。さらに縁起のよい番号を求める女性もいて、例えば、「8888」と末広がりの番号などは特に人気があります。そういうナンバープレートは何百万もかかります。
4)結婚式の費用は全額新郎側の支払い
結婚式の費用に関しては新婦側は基本的に支払いをしません。支払うものと言えば、新婦が選んだドレス代ぐらいです。日本の結婚式と違い、招待客も300人を超えるのが一般的です。一人当たりの、平均単価は2万円ほどになります。ちなみに、日本の結婚式の一人平均単価は約5万円前後です。
5)都市部の戸籍であること
都市戸籍でなければ、後々都市で生活するための優遇措置を将来生まれてくる子供が、受けられなくなります。具体的には、都市大学への進学をするときに田舎の戸籍だと相当優秀でない限り、受験すらできません。住んでいる地方にもよりますが、住んでいる地区の上位数名と限定されているのです。
そして、もう一つは就職をするときに都市部への就職ができなくなります。地方から出稼ぎにきた人々のように建設関係や屋台といった限られた職業にしか就くことができません。日本では考えられませんが、これが中国の現実です。その為、結婚条件の一つに都市戸籍が入るのです。
まとめ
上記の条件を観ると、「マジか!ありえない。」と思いますよね。日本人の感覚からすると「すべて、お金じゃないか!」と思いますが、これが現実です。中国は、一人っ子政策で男性と女性の比率がおかしくなりました。男性が圧倒的に女性よりも多いのです。選び放題のため、自然に女性の結婚条件が厳しくなっていくのです。
これだけ、お金をかけても嫁の貰い手がない男性もたくさんいるのもまた現実です。ですので、ウイグル自治区などの占領した土地から女性を連れてきて結婚をさせることもあります(上海でも収入が上の人は別ですが)。将来的には、日本人の女性などの海外女性が中国男性と結婚する未来がやってくるかもしれません。