世界の謎発見

オーストラリアの日系企業にいる日本人は偽物であるという衝撃

 オーストラリアの日系企業には日本人が多く働いています。しかし、中身(心)は既に日本人ではありませんでした。日本人の偽物?とさえ思いました。その衝撃に関して記事を書いていきます。

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オーストラリアの働き方

 南国の楽園オーストラリアで働く多くの人は、人生は楽しんでなんぼと思っています。毎日、仕事が終わった瞬間、1分も残業せず自宅に直行。オーバーかと思うかもしれませんが本当です。そのため夜に働く人が少なく、夜に遊べる場所はアジア人経営のカラオケくらい。

 また、日本なら「あの人なにやってるの?」と怪訝な目で見られてしまうであろう、昼からパブのテラスでビールを飲んでいるビジネスマンも沢山います。彼らは人の見る目なんてどうでもいいし、気にしないのです。

オーストラリア人と日本人の違い

 オーストラリア人とシェアハウスで住んだり、一緒に働いたりして、日本人と決定的に違うと感じたことがあります。それは良い意味でも悪い意味でも「彼らはな~んにも考えていない」ということ。

 飲食店では閉店1時間前に既にお客さんの周りの椅子を全部上げて掃除をしていることは当たり前。またシェアハウスで洗濯機を回して1時間後取りに行ったら、洗濯された私の衣類が、(すぐ横にトイレのある)濡れた床に置かれていて「洗濯機使いたかったから、中のやつ出しといたよ~」とあっけらかんと言われることもありました。

 日本なら「わざと?」とぶち切れるところですが、オーストラリア人に悪気はまったくないのです…。世界一空気を読む日本人ですから、カルチャーショックを感じるのは仕方がありません。これぞ外国、異文化交流。

オーストラリアの日系企業には日本人しかいない

 さて、私の入社した日本最大手の日系企業(某旅行会社)は立派なビルのワンフロアにあり、日本人(元日本人も含む)が8-9割。総務のオーストラリア男性は日本語ペラペラ。そして彼の朝礼の挨拶の際に、「かわいい~」と日本語で黄色い声援を送る女性社員たち。なんだここは、日本じゃないか、と海外を感じたかった私はかなりがっかりしたのを覚えています。

 しかしその5分後にもらった座席表を見ると「ロドリゲスしおり」「ロジャースきみ」「ゴンザレスあきこ」のような迫力あるカタカナネームがずらり。オーストラリア人と結婚した人たちです。更に、就業が始まった直後から、電話に次々と英語で対応する社員たち。あっという間に社内は「外国」になったのでした。

日本本社との会議での衝撃

 徐々に業務に慣れてきたころ、Skypeを使った日本本社との会議に出ることになりました。内容は、来年度の旅行パンフレットについて。

 日本本社の社員は全員スーツで、ピリっとした雰囲気。対してこちらは1人もジャケットすら着ていません。私の隣の女性においては小学生が描いたようなネコイラストが大量にプリントされたTシャツでした(笑)

 日本本社は序盤から、前回のオーストラリア支店の提案が赤字だったことなどを指摘し、もはや私たちははじまった直後から謝っている状況で、立場が悪く意見しづらい雰囲気がひしひしと感じられました。

 司会の日本本社のカタブツ男性が話をすすめる中、その時はやってきました。カタブツ男性の「次のパンフレットのウルル観光についてですが…」という話の途中に、突然、私の隣のネコプリント女性が口を開きました。「ぷっ、それおかしい~!」と、笑いをこらえきれず噴き出した彼女に、空気は凍り付きました。「それだったらコアラ観光つけないとダメですよダメダメ~あっははは」ゲラゲラ笑いだす彼女、静まり返る会議室。

 日本人の私は感じました、空気が読めないということほど恐ろしいものはないと。ネコプリント女性はオーストラリア人と結婚した日本人ですが、もはや日本人ではない感覚。外国人と接しているような感じがしました。「郷に入っては郷に従え」ではないですが、住んでいる環境が外国だと、既に日本人ではなくなってしまうのだなと思いました。

オーストラリア支店VS日本本店

 日本本店のカタブツ男性は微笑みを浮かべつつも怒りがにじんでおり「いや、○○はですね…」と話そうとした時、黙っていられないと言った顔で、隣のメガネの女性(この人もオーストラリア人と結婚)が身を乗り出しました。「そんなこと言われても困ります!○○じゃないですか。ねえ、そうですよねえ?」周囲をも巻き込もうとします。「え、あー…」と困惑する周囲。

 その時、オーストラリア支店の上司がついに口を開きました。70歳の元日本人の女性(この人もオーストラリア人と結婚)は、無表情でロボットのような人でした。「まあまあ。来年のことを言うと鬼が笑うって言いますから、あっはっはっは」再び場が凍り付きました。「面白い~」とネコプリント女性も笑い、私は「来年のパンフ作りする人が言う言葉じゃない…」と思いながら、私の反対側に座っていた女性(この人もオーストラリア人と結婚)を見ました。彼女は議事録にアンパンマンのイラストを描くのに夢中で話を聞いていませんでした。

 この件で、私は以前からオーストラリアの日系企業で仕事をしていて感じていた疑問に答えを出すことができました。70歳のロボット上司も、ネコプリント女性も、いや全員が「致命的に空気が読めない」というか、彼女らは根底で既に日本人ではないのではないか、日本人の偽物?と思ってしまうほど、なんにも感じていない「鈍感力」を地で行く人たちということ。これってある意味海外に対応した、賢い日本人の進化の形なのかもしれません。いや、退化のような気もするが。それは読者に判断にお任せします。

 オーストラリアの日系企業には「日本人はいるが本物の日本人はいない。偽物」という言葉でこの記事を終わりにします。

[参考記事]
オーストラリアのシェアハウスの特徴。敷金や礼金はあるの?

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