日本でお付き合いが始まるとき・・・
日本なら特に若い人は好きな相手に「付き合って」とまずは告白することも多いのではないでしょうか。それこそ、クラスが一緒だけどあまり話す機会のなかった相手にでもバレンタインデーなどのイベントを利用すれば自分との交際を開始してほしいという願いを伝えることが可能ですし、それほど不自然でもありませんよね。そこではっきりとしたYesやNoをもらって一喜一憂するのが当たり前だったりします。
極端なケースだと電車の中で一方的に見かけていた相手に告白したりということも、まぁ最近ではストーカーだなんて言われたりするかもしれませんが少し前まではない話ではなかったはずです。
アメリカ人はどういう過程で付き合うのか
ではアメリカではどうでしょう。アメリカでは基本的に恋愛感情のない相手でもいわゆる「デート」に誘います。多少の好意があることは前提ですが、恋愛感情のない相手でも、少しでも興味があったり、相手のことを知りたいと思えばデートに誘うのです。2人で食事をしたり、映画を見たり、ハイキングに行ったり、一緒にテニスなどスポーツをしたり、ということを通してお互いのことを知り合うというプロセスです。
それで相手のことが異性としていいなと思えば少し時間を置いて2回目、3回目のお誘いがある・・・というのがいわゆる「デーティング期間」となります。
数回のデートを通じてこの相手とステディ(恋人)になりたいと思ったらそこで初めて「(2人の仲を)オフィシャルにしようか?」という2人での話し合いが持たれます。ただ、3回も4回も続けて同じ相手と会い続けるということは好意や恋愛感情があるからということでそのまま自然とステディな関係になるカップルも多いのです。
告白のない文化のマイナス面
アメリカに住む日本人女性からこんな話を聞いたことがあります。彼女とこのアメリカ人男性は4,5回2人きりで会っていました。ある日彼女が大学の授業を終えて出てくると校門で彼が待っていたそうです。彼女は「は?ストーカー?」と思いそうになったらしいですが、彼としてはあくまで「彼女を迎えに学校にやってきた」という意識だったとか。
そこで彼女は「あら私、あなたの彼女だったのね」と思ったと笑いながら教えてくれましたが、こんな勘違い・すれ違いも告白があったら起きないことです。彼としては、4,5回2人きりで会っているのだから交際しているものだと思った。日本人の彼女としてはは、告白がなかったので自分たちが「付き合っている」という認識がなかったということだったのでした。
また別のケースでは、これはアメリカ人同士のカップルでしたが毎回彼女が彼氏の誘いに応じ、これまた告白とか関係性の確認もなくずっと2人きりで会っていたそうです。ディナーにも行くし映画にも行く。彼氏としては当然、付き合っているという認識だったそうですが数週間後、いざ「僕たちオフィシャルということでいいかな」と持ち出してみたところ答えはNoだったとか。
告白がないということはこういう危険性(?)もはらんではいますが、まだこの相手と恋愛関係に発展したいかどうかはわからない、でももう少しだけ相手のことを知ってみたい。そんな状況では告白がないままデーティングへと進めるアメリカ式恋愛の始まりはなかなか便利なのではないでしょうか。
※デーティングは付き合うかどうかを決めるために、デートに行ったりすること。
告白のないデーティング期間のことは親に言う人もいれば言わない人も。訊かれたとしても「特定の人と会ってはいるんだけどまだどうなるか」などという言い方で「付き合っている人がいる」と言わずに済みます。
いいなと思える相手と一緒に過ごす時間が少しずつ長くなっていって「相手は自分のことをどのくらい想ってくれているんだろう」なんて考える時間が恋愛においてはドキドキしつつも1番楽しい時だったりしますから。告白あり・なし、両方のパターンを経験出来たら面白いかもしれません。