イギリスは日本と同じ、車は左側通行なので、日本人にとって運転しやすい国です。そんなイギリスで運転免許証を取得したり、車を購入したりするのって、どんな感じ?とお思いの方もいるのでは?今回はそんな、イギリスの運転免許取得に関して案内します。
テストなしで仮免取得できてしまうイギリス
イギリス(イングランド)で車の運転免許ができるのは、17歳、原付や4輪バイクは16歳からです。日本と違って、自動車教習所といった、建物のある教習所は存在しません。
では、どうやって免許証を取得するのかというと、まず、運転免許や車両の管理を行っている国の機関、Driving and Vehicle Licensing Agency (通称:DVLA)という機関に仮免許証の申請をします。各車両を運転できる年齢は前述の通りですが、仮免許証(Provisional Driving licence)の申請は、一番早くて15歳9か月になった時点で申請可能です。
そして、日本人の感覚からすると、びっくりしてしまいますが、仮免許証の取得に際して、テストなどは、一切ありません。20m離れたところから、ナンバープレートを読むことができることと、15歳9か月以上であることが条件で、申請用紙、ID(パスポートなど)、過去3年間の住所、申請料金34ポンドと、National Insurance Number(国民保険番号)を持っている際はその番号を提出すると、数週間後に仮免許証が送られてくるのです。
そして、この仮免許証があれば、21歳以上で、3年以上一般運転免許証(Full Driving licence)を保持している人が同乗していれば、一般道(高速道路は不可)を運転し、練習することができるのです。
教習所ではなく、いきなり一般道での練習開始
さて、仮免許証が届いたら、次は、ドライビング・レッスンの予約です。前述したように、教習所という施設は基本的に存在しないため、練習はいきなり、一般の路上です。ドライビングスクールはたくさんあるので、最寄りのところを調べ、そこでインストラクターを予約すると、インストラクターが車に乗って、家の近くまたは職場や学校まできてくれ、そこで運転の練習がスタートとなるのが一般的です。
レッスン料金は、時間単位であることが多く、スクールによりますが、大体1時間25ポンドほどで、まとめて12時間や20時間予約すると割引になったりします。インストラクターの車には、Lマーク(Learner/練習者)のマークがついていおり、ほとんどの場合はドライビングスクールの名前が入っているので、他のドライバーからも練習中であることが一目瞭然です。レッスンを重ね、インストラクターが実技テストを受けて受かるだろうと思ったところで、その旨、伝えてくれるでしょう。もちろん、自分で自信があれば、インストラクターの指示を待つことなく、テストを申し込むことができます。
筆記テストももちろんあります
路上でのドライビングレッスンを開始したら、同時に筆記テスト(Theory Test)の勉強を進めていくことをお勧めします。実技テストを受ける前に、筆記テストに合格しておかなければいけません。この筆記テストは日本の筆記テストと同様に標識に関する問題のほか、危険予測の問題などが出題されます。
筆記テストは、政府のサイトから、最寄りの筆記テストセンターを探し、オンラインで予約できます。筆記テストの合格は、2年間の有効期限となります。筆記テストを合格してから、2年以内に実技テストに合格しない場合は、再度筆記試験を受ける必要があります。
仮免許証自体の有効期限は10年です。一般免許証の有効期限も同様に10年で、仮免許証の色は、緑色で、一般免許証の色はピンク色です。筆記テスト、実技テスト共に合格すれば、晴れて、一般運転免許証(full Driving Licence)の獲得となります。
車を購入するには?
イギリスで車を購入するのは、日本と比べると若干シンプルな気がします。印鑑社会の日本では、印鑑登録のある印鑑を契約書につける必要があるかと思いますが、イギリスは署名社会なので、ボールペンさえあればいいのです。ディーラーにいってお気に入りの車をみつけたら、値段の交渉をし、基本的にディーラーが手続きをやってくれます。
ディーラーがしてくれる手続き(ほとんどないですが、ディーラーがしてくれない場合自分ですることになります)は、新車の場合は、ナンバープレートの取得、ロードタックスという税金の支払い、M.O.T. TEST (Ministry of Transport Test)といういわゆる、日本でいう車検を通してくれ、納車となります。
中古車の場合は、ディーラーが前オーナーからオーナー証明等書類一式を受け取っているので、それを元に、車のオーナー変更をしてくれ、ロードタックスの支払いをして、M.O.T. TESTが残っていれば、そのまま納車。M.O.T. TEST 残存期間がない(少ない)場合は、ディーラーにお願いするか、自分でM.O.T. TESTを行っている整備会社に持っていくこととなります。M.O.T. TESTは、何も問題がなければ、35ポンド(約5000円)ほどです。
いかかでしたか?筆者としては、運転免許の取得の際には、日本のように学校内の施設でまず運転の練習をしてから、路上で練習という方が安全・安心な気がしますが、お父さん、お母さんから運転をある程度教えてもらって、試験に臨めるというシステムであるイギリスは、かなり経済的かもしれませんね。
ちなみに、日本の運転免許証は、イギリスの免許証に書き換えが可能ですので、日本の免許を取得していれば、イギリスの免許を再度取得する必要はなく、書き換えの手続きだけで済みます。
[参考記事]
「イギリスで失業した時に受けられる手当。交通機関が半額」