ニュージーランドには北島と南島があり、特に南島は非常に美しい自然に囲まれています。酪農が盛んなこの国では、どの街からでも30分もドライブすれば広大な自然が広がっており、羊や牛、馬などに出会えます。昔に比べると羊の数は減ってきているものの、現在でも人口1人当たり約6頭の羊がいるとされています。
人よりも羊のほうが多い、そんなのどかなニュージーランドのお国柄が伝わるエピソードを幾つかご紹介したいと思います。
自由すぎる牛の大移動
先日こんなことがありました。隣町まで車で向かっていた時のこと。信号のない道路を走っていたのですが、何もなさそうなところで前の車が停まっていました。工事の車でもいるのかと思いながら後ろに続いて停車してしばらくすると、前から来たのはなんと牛の大群!それも全く縄や鎖などで繋がれている様子がありません。放し飼いの状態で200頭近くを移動させていました。
最後尾に人と、牛を追い立てる犬達が10匹ほどいるのですが、なんせ何にも繋がれていない状態なので、牛達は道路全体を使って自由気ままに進んでいきます。先頭のほうの牛達は比較的利口でわき見をせず駆け足で通り過ぎていくのに対して、後ろのほうの牛は問題児だらけで、ダラダラと蛇行して歩きながら道路からはみ出てどこかに行こうとしたり、車のほうにフラフラ向かって来てそれを犬と人に叱られながら進んでいくので、思わず笑ってしまいました。
全員(牛)が通り過ぎるまで10分ほど車は待って、過ぎたら出発。交通規制をしてくれる人がいるわけでもなく、何ともニュージーランドという国ののどかさを象徴しているかのような出来事でした。
牛が道路を通せんぼ!?
また別の場面では、登山に行った帰りに、牛に道を塞がれたことがありました。おそらく近くの牧場を抜け出して散歩していたのだと思います。2頭の牛がゆっくりのんびり山道を歩いていました。この時は狭い山道の道路だったため車に乗っていた私は抜かすこともできず、時速5キロ以下で時々止まりながらゆーっくり牛と一緒に下山しました笑
ニュージーランドでは牛よりも羊のほうが圧倒的に見かける機会は多いですが、羊のほうが警戒心が強いらしく、すぐに逃げてしまったり、逆に固まってしまい、じっと見つめ合ったりします。対して牛は人間に臆することなく近付いてきたりどっしり構えていることが多いです。
迷子の子羊をさがせ!
ニュージーランドでは至る所で羊の群れを見ることができます。基本的には広大な敷地の中で放牧されているのですが、きっちり柵が閉まっていないことも多く、時々とても遠くまで勝手に歩いて行ってしまい、帰れなくなってしまうことがあります。
先日は迷子の子羊を見かけました。不安そうに歩き回りながら仲間を探して鳴いていました。こういった迷子の羊や牛ですが、ニュージーランドでは警察がオーナーを探してくれます。その探し方がなんともカジュアルなのですが、私が住んでいるど田舎の村では、Facebookに地域のコミュニティページがあり、そこに迷子の羊や牛の写真を載せて情報を募ります。
犬や猫も同様で、だいたい2週間に1回くらいのペースでどこかの家の飼い犬や飼い猫が家から脱走し、Facebookを使って地元民みんなで探し出します。田舎ならではの捜索方法ですが、地域の人々が協力し合えるので、たいてい半日以内に解決します。
のんびりまったりな国ですが、SNSを駆使して動物または飼い主探しをするというある種とても現代的な面もあり、面白さを感じます。
さいごに
ニュージーランドののどかさが伝わったでしょうか?動物に関わることだけでなく、あらゆる面でゆるいお国柄のニュージーランド、良い面もあれば悪い面もあります。こちらに住んでいるとあまりのゆったりさにびっくりすることもありますが、海外生活の醍醐味として楽しみたいと思います。