韓国の結婚式は、挙式・ペペク(伝統的儀式)・披露宴の3部に分かれています。日本の結婚式とはかなり違う点があり、初めて参列した時はかなり衝撃を受けました。タイトルにあるようにナンパした女性を連れてくる参列者もいて、さすがに引きました。
今回は参列時や自身の結婚式をあげた際に驚いた点を、紹介していきます。
1.短い挙式
挙式は韓国文化のパリパリ=早く早くの通り、とにかく短く約30分で終わります。内容は、日本と似たようなケーキ入刀や余興がありますが、 淡々と進められすぐに終わってしまいます。
主礼(ヂュレ)という、仲人のような人や恩師が今後の夫婦のあり方等のアドバイスをしますが、それに10分かかります。
初めて参列した時は、こんなに次から次へと余韻に浸る間もなく進行して、感動も何もないと思っていましたが、新婦は要所要所で泣いていました。
私の結婚式の時は、感動よりも緊張の方が上回ったため、かつ、泣いてしまうと挙式後の全体の写真撮影で化粧が乱れることを懸念して、涙を我慢していました。
しかし、通常韓国の結婚式ではやらない日本の両親への手紙を読んだので、その時に涙を流しました。
2.参列者の服装
本来は正装と言われる、男性はスーツ、女性はジャケットを羽織るのが好ましいですが、普段着でも問題はありません。男女ともにGパンをはいている人も見ますし、中にはジャージで来るツワモノも。日本のように髪型をセットしてドレスを着たら、かなり浮いてしまいます。
親戚は、男性はスーツ、女性は韓服と呼ばれるいわゆるチマチョゴリを着ることが多いです。私が友人の結婚式に参列する場合は、よそ行きの格好を心掛けて、少し洒落た程度の服装で行きます。
3.御祝儀の金額
御祝儀の平均額は、5万ウォン(約5千円)です。日本のような引き出物はなく、食事は各自で食べるビッフェ形式のため、挙式費用がそこまで高くありません。
私の結婚式の費用は義理のご両親が出してくれましたが、赤字にはならなかったようです。中には、新郎新婦で挙式費用を負担したにも関わらず、御祝儀を義父母がすべてもらってしまうケースがあります。
私の友達の一人が、受付で御祝儀を出すと本人に渡らないからと、個人的に渡してくれました。しかし、うちの義父母は新郎新婦の参列者分は、全て私達にくれました。
日本のような華やかな御祝儀袋はなく、白封筒に名前を書くだけです。封筒とペンは式場で用意されており、「祝義金」と書かれている封筒に入れて裏に名前を書いて出します。日本のようなピン札の概念もありません。
御祝儀を出すと食券をもらい、のちにビッフェ会場で食事をします。食事をせずに帰る場合は、1万ウォンを返金してもらったり、別途簡単なお土産をもらう場合もあります。返金という概念は日本にはないですよね。祝儀は気持ちで上げるものですので、食事をしないからお金返しますというのは少し興ざめします。食券というのも、ラーメン屋ではないのだから、少し嫌ですよね(笑)
ですが、韓国では参列者の服装も含め、かなり簡潔で参列者の負担が少なく気楽に参列できます。
4.写真撮影
挙式自体は30分で終わってしまうので、日本のように式の最中に高砂に行き、個人的に新郎新婦と一緒に写真を撮るシーンはありません。
その代わりに、式が始まる前に「新婦待機室」という場所があります。小さな部屋に新婦だけが座って待っており、参列者が自由に出入りし一緒に写真を撮ります。私の場合は、日本から来てくれた友人がいたので、主人も時々顔を出し、夫婦揃って写真を撮りました。基本的には、新郎は受付周辺で参列者を出迎えます。
また、新郎新婦のアルバムのための集合写真撮影もあります。とにかく人数が多いので、親戚、友人と分けますが、写真撮影の参加に強制力はなく、写りたくない人は参加しなくても問題はありません。
1日に複数の結婚式に招待された場合は、ハシゴして行く場合もあるので、少し見てすぐに帰る場合もあります。以前、主人の友人と私の友人の結婚式が被りましたが、先に釜山での挙式に顔を出し、写真撮影には出ずに、すぐにソウルへ向かいました。ソウルの結婚式は、始まっていましたが自由に出入り出来るので、途中から参列しました。
5.席次
日本のように席が指定されておらず、教会のような中央の花道と両サイドに椅子が並べられている式場が多いです。私の結婚式の際に選んだ式場はドラマに使われた会場で、珍しく丸テーブルがありました。それでも特に席次が決められておらず、空いてる席に自由に座ります。
中には日本のようにそのテーブルでコース料理の食事が出来るようですが、一般的には椅子のみとなります。そして、席が空いていても後ろに立って見ている人もたくさんいます。
個人的には近くで見たいのですが、誰と参列しても後ろの方で控え目に見ます。韓国儒教の教えの、席は高齢者に譲る精神から来てるのかは謎です。
6.食事
日本のようなコース料理が出てくるのではなく、挙式後にビッフェ会場に行き、グループで自由に席に座り、各自食事を取ります。これが披露宴の代わりになります。
挙式後に参列者はすぐに食事を始め、その間に新郎新婦と近しい親戚だけは、ペペクという伝統的な儀式をやります。儀式が終わり次第、新郎新婦はビッフェ会場に向かうのですが、新郎新婦を待たずして、食べ終わったら足早に帰る参列者もいます。
披露宴と呼ばれますが、実際には新郎新婦は少し挨拶に回る程度で、長く話すことはできません。
7.その他
招待されていなくても、知らない人の結婚式でも勝手に参列が可能です。ビッフェで食事をしたいがために、安い金額の御祝儀を出し、食券をもらった経験のある韓国人の知り合いがいます。
私の結婚式に、主人の友人が前日にナイトクラブでナンパした女性を連れてきていました。クラブでの服装そのままで来ていたので、女性は昔のボディコンのような格好でした。日本だったらナンパした女性を結婚式に連れてきたら、嫌がりますよね。
このように、韓国の結婚式はとてもシンプルに終わります。式場との打合せもなく、私の場合は式場を申し込んだ時と入金する際の2回しか式場に行きませんでした。
招待状に出席欠席の確認もなく、とにかく参列者が多ければ多いほど良い結婚式と言われるので、招待状をばら撒きました。姑は参列者を増やすために、毎日の日課である銭湯通いの場所を数日ごとに変え、色んな銭湯で友達を作り、私達の結婚式の招待状を配っていました。そのおかげで、200人規模の会場でしたが立ち見をしても入りきれないほどの参列者が来てくれました。
式の時間が短いことや気軽に行けることで、日本の結婚式に比べると重みがないと感じるのは否めませんが、韓国では結婚式を挙げてこそ夫婦という扱いになります。挙式日が結婚記念日となり、入籍日はさほど重要ではありません。日本人からしたら簡単に見える結婚式でも、とても大切な行事です。
ペペクの儀式(伝統的儀式)は独特な内容だったのでとても楽しく、日本から来てくれた家族にも良い思い出になったと思います。日本でも結婚パーティーをする予定でしたが仕事の都合で出来なかったので、韓国であげて良かったと心から思っています。
[参考記事]
「私が体験した韓国の伝統的な結婚儀式「幣帛(ペペク)」」