日本に憧れ、日本で生活したことのある外国人。
日本が大好きで、素晴らしい国だと認めている彼らでも、やはり文化の違いからくる日本人の言動にイラっとすることはあるようだ。
今日は5年以上日本に住んだことがあるという何名かの外国人に聞いた「疲れる日本人の言動」についていくつかご紹介しよう。
■麺をすする音が耐えられない !!
少し前「ヌードルハラスメント」という言葉が巷で話題となったがご存じだろうか。
海外では食事中に音を立てて食べることは大変行儀が悪くマナー違反とされている。
また特に麺をズルズルすする音は不快な「トイレの音」を連想させ、耐えられないと感じる外国人が多いようだ。
この「麺をすする音」が外国人に与える苦痛を「ヌードルハラスメント」という。
「なぜマナーに厳しく上品な日本人が、あんな下品な音を出して食事できるのか理解できないよ !!美しい女性まで…みんながすすっている光景は本当に衝撃的。ラーメンは大好きなのに、いつもラーメン屋へ行く時には憂鬱な気分さ。」
自分の国では絶対許されない行儀の悪さを体験してみよう !!とチャレンジする人、すする音は耐えられないがどうしてもラーメンは食べたい !!という理由で、イヤホンをし大音量で音楽を聴きながらラーメン屋へ向かう人…みんなそれぞれ編み出した方法で対処しているようだ。
■ 欧米人はみんな英語を話すと思っている。
「僕はフランス人だ。学生時代に勉強した日本語とフランス語以外話さない。なのに日本では外国人はみんな英語を話すと思っている。スペイン語、ポルトガル語、イタリア語…世界にはもっと色んな言語があるんだよ !!」
確かに島国の日本では、無意識のうちに「外国人=英語」と頭にインプットされているのかもしれない。
外国人を見かけたらとりあえず義務教育で習った英語をどうにか絞り出そうとする。
■日本語で話しかけているにも関わらず英語で返してくる。
「ある時道に迷い、通りすがりの日本人に日本語で道を尋ねたんだ。なのに彼女はとても困った顔をして、片言の英語で“sorry…I can not speak English.”と答え立ち去ったんだよ !!まるでコメディを見てるみたいだ。しかも、そんなことは一度きりじゃなかったな。これじゃ僕が何のために必死で日本語を勉強したか分からないよ。」
ひらがな、カタカナ、漢字に敬語…様々な言語の中でも特に取得するのが難しいと言われる日本語。
簡単に話せるわけがないという思い込みは、相手が目の前で日本語を話していてもなお抜けないようだ。
■本音で話し合えない。
直接的ないい方を避け、できることなら言わずとも空気で察してほしいと願う日本人。
集団社会の中で言い争いを避けるために身に着けた知恵だが、外国人には理解し難いようだ。
「考え方が異なる場合、自分の意見はグッとこらえて飲み込み揉め事を避けるのが大人だ」と感じる日本人が多いのに対し、海外では「大人であれば自分の意思をはっきり伝えることが出来て当然。
雰囲気で周りに分からせようとするのは、コミュニケーションの取れない子供だ」という意見が多い。
根本的に価値観が違うのだから、理解しあうのは容易ではない。
ただし嫌な思いをしない為にも、相手が外国人の場合ははっきり「NO !!」と言う練習をしておこう。
■会話のキャッチボールができない。
「本音で話し合えない」に通ずる部分もあるが、日本人とは会話のキャッチボールができないと感じる外国人は多いようだ。
これは中国人の友人から聞いた話だが、彼女は日本人の友達と出かけた際「尖閣諸島問題」について中国メディアはどのように報じているか、また一般的な中国人はどう考えているかを話題に挙げたそうだ。
世界情勢や歴史に興味のある彼女は単に、日本人は一般的にどう考えているか知りたかっただけなのだが、日本人の友達は特に意見を述べることもなく、「そうね」と笑顔で答えただけ。
なんだか変な空気が漂ったままその日は分かれ、それっきりその日本人とは連絡がつかなくなってしまったという。
海外では友人と、一つのテーマについて冗談交じりのディベートや批評を行う機会が多い。
その中で相手の考え方や価値観を知り、関係を深めていくのだ。
ヨーロッパのカフェでも、ビール片手に答えの出ない話題を延々と繰り広げる人々をよく目にする。
一見喧嘩しているようにも見えるが、実際はその会話を楽しんでいるのだ。
しかし日本人は自分と異なる意見をぶつけられた場合、投げられたボールをうまく相手に返すことができず会話が成り立たない。
一つの意見として受け止めるのではなく自分自身に対する攻撃だと感じるからだ。
日本人は本質を突く話題を避けたがり、当たり障りのない話題を好むようだ。
しかし、それではつまらないと感じる外国人が多いようである。
■終わりに
2020年の東京オリンピックに向け、日本でもこれから益々外国人観光客が増加するだろう。
彼らを迎える側の日本人として、「相手にとって失礼に当たる行動」を理解しておくことは大切だ。
ただし、普段経験できないことを目の当たりにし「カルチャーショック」を受けるのも旅の魅力の一つ。
特に気を使いすぎることなく、普段通りの日本人の生活を体験してもらうことも必要だと思う。
もしかすると、中には麺をすする快感に目覚めやめられなくなってしまう外国人もいるかもしれないのだから。
[参考記事]
「日本の里帰り出産は海外から見ると不思議な現象」