世界の謎発見

キリスト教徒の多いアラバマ州で出会った隣人愛を実践している人達

 

 これは私が大学生の頃、アメリカに1年間語学留学していたときに体験した宗教に関する話です。国や場所により、同じキリスト教でも全く違う文化があるそうなので、参考までに聞いてください。

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留学していた地域とキリスト教徒との出会い

 私が滞在していたのはアメリカ南西部、アラバマ州。アラバマ州、と聞いてもどこ?と聞かれることが多いのですが、いちばん近い首都はアトランタで、車で2時間ほど。フロリダ州の上にある、というとなんとなく位置はお分かり頂けるかと思います。

 メキシコに近い、ということもあり黒人が多いイメージもありますが、アラバマ州の中でも裕福な地域と呼ばれるところにいたからか9割以上は白人でした。

 さらに大学の生徒の95%がキリスト教徒というのだから、私にもキリスト教徒の友人ができるまで時間はかからなかったです。キリスト教徒は困っている人がいたら放っておけない性分のようで、「授業でわからないことがあったらいつでも聞いてね!」「買い物に行くなら連絡して、私が車を出してあげる!」「今度うちにご飯を食べに来て。ルームメイトを紹介するわ!」と話しかけてくれました。

 慣れないアメリカ暮らしと、英語でのつたない会話でうまく馴染めなかった私にとっては彼女たちこそが神様に見えたものです。出会った頃から、今まで経験したことがないくらいの親切をしてくれました。

週末早朝のミサ。毎週教会に通ってみた

 キリスト教徒の友人と仲良くなると、すぐに教会に誘われるようになりました。毎週日曜日の朝。朝7時には起きて向かわなくてはいけなかったので、休みの日は昼まで寝ているようなぐーたら大学生には衝撃でした。さらに田舎町だったこともあり、普段はTシャツにトレパンで過ごしているような友人達が、皆んなして化粧をし、ワンピースを着てくるものだから驚きです!

 教会、というと牧師さんが聖書を朗読するだけという退屈なイメージでしたが、そのイメージも覆されました。定刻になるや否や落ちる照明、始まるバンド演奏!もちろん曲は聖書に基づくものですが、ライブさながらの盛り上がりでこれは楽しめました。

 さらに驚いたのは聖書の朗読。ステージにスクリーンが出され、まるで流行りの通信授業のような講義が始まるのです。牧師さんは若めの男性。時にジョークを言いながら会場を湧かせているのには時代の流れを感じました。

参加したキリストキャンプで起こった衝撃の夜

 教会に通っている仲間から、1泊2日のキャンプのお誘いが!私は二つ返事でOKしました。当日、行きは友人の車で向かいます。到着して目に飛び込んできたのは壮大な自然!人気のキャンプスポットのようでした。昼は天然の岩でロッククライミングをし、夜はBBQ!

 そして最後の日のキャンプファイヤーで衝撃が起こりました。ギターをもった友人が歌ったり、各自雑談をしたりしている中、ひとりの女性が語り始めます。「実は私…」と、神を好きになったきっかけ、好きなところを話し始めました。皆雑談をやめ、中には涙する人も。「実は私も…」と恋バナをしているような雰囲気ですが、相手は神。そこは好きな異性のことを話そうよ!と私としてはツッコミどころは満載でした。もちろん否定する訳ではありませんが、キリスト教徒ではない私は一言も語ることなく眠りにつきました。

私に親切にしてくれる理由を実際に聞いてみた

 ずばり理由は、「神が愛してくれるから。」とのこと。皆さんもご存知「隣人愛」の精神です。彼女たちは見えない神と話し、時には悩みを相談し、苦難から助けられ、守られてきたと言います。彼女たちがこぞって言うのが「神を信じる前は友達がいなかったの。けれど信じたその日からたくさんの友人ができた。」ということ。たしかに、95%の人たちが教会に通っているのであれば、自分も行かないことには友達作りは難しそうです。

 「あなたのことが大好きだから、あなたも神を信じてほしいの。」帰国前にはよく言われたものですが、特に私は嫌な気はしませんでした。彼女たちが本当に神を信じ、神を愛していることがわかったからです。

 私自身、特に信教することはなく、帰国後はキリスト教に関わることはありませんでしたが、当時の思い出とキリスト教徒の友人のことを想うと、キリストの考えに対してネガティブな感情はありません。何より、「隣人愛」という精神で人に親切にできること、それは日本にも必要な優しさだと思うのです。私は留学時代、この「隣人愛」に救われました。だからこそ、身近に困っている人がいたら助けてあげよう、そんな思いを今でも持っています。

※キリスト教の勧誘ではなく、たまたまアラバマ州で経験した純粋な体験談です。

[参考記事]
「イスラム教で禁止されているお酒。鉄格子の扉を閉め飲酒」

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