時期外れな新年の挨拶が聞こえてきた西暦2017年4月14日午前3時12分。なんとも中途半端な時間ですが、私が住んでいるカンボジアはこの時、お正月を迎えました。しかも、カンボジアの暦でいうと2561年だそうです。ちなみにカンボジアには、インターナショナルな新年(1月1日)と中華正月をお祝いする風習もあります。
初めてカンボジアでのお正月を迎えた日本人の私にとっては、いささか不可思議ですが、いろいろ調べたり、カンボジア人に聞いたりすると、「年によって日付や時間帯が異なりますが、空から天女がおりてくるその時間が、まさにお正月を迎えた瞬間」だそうです。今年はその14日から16日までが日本で言うところの正月三が日でしょうか、町ではお祭り騒ぎが続きます。その期間に置けるカンボジア人の過ごし方を少し紹介します。
カンボジアの正月
まず、これは少し知っている方もいるかもしれませんが、水を掛け合います。みんな自前の水鉄砲を持参し、バイクに乗っていても、通りすがりの私にも水を放ってきます。水をかける意味は、「厄を払って、福を呼び込む」ことだそうです。何も知らない外国人は場合によっては怒ります。防水でない携帯電話は壊されます。そんなのお構いなしですが、稀に喧嘩になるようです。
また、白い粉を人の顔に塗りあいます。これはコミュニケーションを図る意味合いがあるそうです。これは外国人に不意打ちでも、みんな嬉しそうです。洗えば落ちるからでしょう。ちなみに粉の正体は、ベビーパウダー。暑いカンボジアでは、肌によさそうです。
(残念ながら、水鉄砲と白い粉の写真は、カメラを守る必要があるのでありません)
そして、カンボジア人にとってお正月にする最も重要なことが、国を代表する世界遺産アンコールワットに参拝に行くというのがあります。日本で言えば、初詣をしに明治神宮に行くのと同じでしょう。ですから、カンボジア全国各地から、カンボジア人が押し寄せ、アンコールワットを抱える小都市シェムリアップの町は大渋滞かつ、すごい人混みになります。みんなアンコールワット目当てです。
しかし、ワットに行く目的は参拝以外にもあります。それはワット周辺で開催されている催し物に参加することです。娯楽が少ないカンボジアでは、ここぞとばかりに老若男女が楽しみます。
また、カンボジア伝統の格闘技ボッカタオの演舞を見たり、ハンモックを広げてのんびりしたり、出店でいろいろなゲームに興じたりします。
しかし、正月祭りのイベントにおけるカンボジア人の最大の楽しみは、ひたすら踊ること!!いたるところでカンボジア人が踊ります。カンボジア人は普段はシャイでおとなしい正確なのですが、音楽がかかるとラテンの血が入っているかのように踊ります。正直、踊りのセンスはないと思いますが、そんなのお構いなしに踊ります。若者はクラブ感覚で男女グループで踊ります。おじさんはおじさん同士で踊ります。そして、そんな中でも水を掛け合います。とにかく、何でもいいから楽しもうという気概は伝わってきます。当然服はびしょ濡れ。そんなの関係ありません。夜まで踊り続けます。
私は、踊ることなくゆっくりアンコールワットのお堀の前で、灯篭流しと、ライトアップを見ていました。
[参考記事]
「カンボジアの「虫やカエル」は超美味い(写真付き)」