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現地在住の日本人から見たエジプト人。実際の治安は良いの悪いの?

現地在住の日本人から見たエジプト人。実際の治安は良いの悪いの?

 

 エジプト、と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?ピラミッド、ファラオ、砂漠・・・

 海外に行く時、みなさんはきっと事前に本やネットで情報を収集すると思います。ですがなかなか現地に住んでいる人にしか知り得ない情報や現地での常識、文化というものがあります。

 今回は現地在住の日本人から見たエジプトの治安について語っていきたいと思います。

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エジプト人ってどんな人たち?

 エジプトは人口約9600万人で、その約9割の人々がイスラム教徒です。貧富の差なども激しく、一概にどんな人々!と表すことは難しいですが・・・

 アジア人はかなり珍しいようで、大通りを歩いていると必ずちょっかいをかけられます。ちょっかいくらいならまだいいのですが、時折心無い言動をとる輩もいるのが事実です。

 私は以前、道を歩いていたら見知らぬ若い男性から突然背中をドン!と叩かれたことがありました。捕まえてなぜ叩いたのかと問い詰めると、『ちょっとイタズラしようと思って・・・』と。彼らにとってこれはイタズラの範疇。

 なぜそういったことが起きるのかというと、最初に申し上げたとおり貧富の差が激しく、きちんと教育が行き届いていないからなのでしょう。外国人だ!ちょっとちょっかいかけてやれ!という軽い気持ちなのでしょうが、やられた方の衝撃はかなり大きいですよね。少なからずこのようなこともあるので、なるべく一人での外出は避けたほうが良いかもしれません。

 しかしほとんどの人々は優しく、特に外国人には歓迎の気持ちでいっぱいです。英語も意外とどこでも通じるので、日常において言葉で困ったことも特にありません。

 そして、多くの人は親日家です。これは住んでいてとても感じることです。というのも、よく出身を聞かれるのですが日本人だというととても喜んで色々話しかけてきます。

 『日本人!遠いところからエジプトに来てくれてありがとう!』と、タクシーの運転手さんやお店の店員さんからお菓子や飲み物のサービスをもらうことなんかもたまにあって、エジプト人の優しさや粋な心遣いを感じます。

エジプトの交通と治安

 こちらでの基本的な交通手段は車。そして驚くべきことに、エジプトには基本的に信号機がありません。かなりの大通りなどにはさすがにありますが、普通の道路にはまず信号は見当たりません。そのため、道は常に大渋滞!特にラマダンの時期の帰宅ラッシュは我先にと前に出てくる車で道路一面が覆われます。

 交通ルールという概念がなく、追い越せ追い越せと走る車がほとんどなので、慣れるまで一人で大通りを渡るのはあまりお勧めできません。なんといっても、まずシートベルトはしない、ウインカーは出さない、街には四六時中クラクションが響き渡っている、といったなかなかカオスな状況ですので・・・

 交通マナーは決して良いとは言えません。しかし、前にも述べたとおりエジプト人は親切な人が多いので、道を渡りたいのに車が多くて怖い!そんなときには道行く人に助けを求めたら一緒に渡ってくれるでしょう。

 治安に関して多くの人が心配するのがスリ等の窃盗に関してです。スリ等においては以前よりも発生件数は減ってきましたが、日本と比べれば多いです。やはり人ごみではリュックは前に持ち、鞄はしっかり閉めましょう。

 しかしスリや窃盗よりも、物乞いに捕まる方がよっぽど多いです。正面から正々堂々お金を要求してくるので、断りようはあるのですが一度相手にしてしまうとかなりしつこく要求してくるので、無視が最善策かもしれません。毅然とした態度をとりましょう。

宗教観と文化

 この国で生活するにあたって、切っても切れない関係にあるのが宗教です。前述のとおり、国民の約9割がイスラム教徒のこの国ではちょっと珍しいものがよく見られます。

 町中至る場所に存在するこのスピーカーは、何のためにあるものかご存知ですか?

 これは、コーラン放送用のスピーカーなんです。毎日朝昼夜のお祈りの時間になると、このスピーカーから大音量でコーランが流れます。

 そして町中至る所にあるモスクでは敬虔なイスラム教徒の方々が祈りをささげています。モスク以外でも教室やカフェ、道端でもお祈りの光景を見ることが多々有ります。私が一番びっくりしたのは、地下鉄の中でお祈りをしている方に出会ったときです。コーラン放送やお祈りは日本ではなかなか感じられない文化だと思います。

 そしてエジプトを含むアラブ圏ならではの、よくお目にかかる場所があります。それは礼拝室というものです。ショッピングモールや空港にあって、いつでも祈祷できる部屋になっています。私が初めて祈祷室を目にした時、トイレの並びに謎の空間があったので何なんだろうと思って入ってみたのですがなんとお祈り専用ルームだったんですね。これはかなり驚きでした。

 そしてもう一つ。エジプトにいるととてもよく耳にするのが『インシャーアッラー』という言葉。これは元々アッラーの御意志ならば。我々の運命は神によって定められる。という意味なのですが、そこから転じて『そうかもね、私は知らないけど。』という意味が含まれることが多いのです。特にエジプトでは責任転嫁の決め台詞のように使われることが多いです・・・

 例えば、「水道管の修理はいつ終わる?」と聞くと「あと1時間かな、インシャーアッラー」と答えが返ってきます。その場合、ほぼ確実に1時間では終わりません。でもそれは、アッラーの思し召しだから、仕方ないよね!そんな意味でよく使われるのです。

 時間にルーズなエジプト人ならではの解釈ですね。もしこの国で何かに遅刻しそうになったり、締め切りに間に合わなそうなときには『インシャーアッラー!』と言ってみてください。きっと、やれやれという表情をされることでしょう! 

注意するべきポイント

 2011年のエジプト革命以降、経済状況も治安も安定してきたエジプト。ですが、やはりここは海外。常に警戒心を持って行動することが重要となってきます。

 最初に述べたように、外出の際はできればタクシーやUberを利用すること。タクシーは、観光者向けにメーターを改造しているものやそもそもメーターがないものもあるので、乗る前に必ず・行き先・値段・メーターの有無を確認しましょう。

 そしてこれはエジプトに限りませんが、夜に一人で出歩かないこと。アフリカ大陸ではアジア人は良くも悪くもかなり目立ちます。声をかけてくる人も多いですが、毅然とした態度をとりましょう。

 エジプトは発展途上とはいえまだまだ貧しい国です。道で暮らす人々や、物乞いの子供などもたくさんいるのが現状です。特に観光客に対して、そのような人たちがお金を要求してくることがありますが、一人に与えてしまうと次から次へと人が集まりしつこく追い回されてしまうので注意しましょう。 

 タクシードライバーなどからバクシーシ(エジプトでいうチップのようなもので、富む人から貧しい人に与えるという文化)を要求されることもありますが、その場合は5ギニー程度を渡してサッと立ち去りましょう。

最後に

 エジプトという国はよく『住んでいて大丈夫なの?』と聞かれることが多いですが、普通に住んでいる分には危険ではないと思います。

 時折シナイ半島や危険地域とされる地方ではテロが起きたり傷害事件があったりはするのですが、以前は頻繁に起きていたデモも今はかなりお目にかかる頻度も減りました。

 とはいえ警戒するに越したことはありませんが・・・。危険な地域にさえ足を踏み入れなければ、充分にエジプト生活を楽しめるでしょう。

 エジプトは歴史と新たな文化が融合した非常に素晴らしい国です。街からちょっと離れればすぐそこに砂漠があり、偉大なるナイル川からは雄大な歴史を感じます。

 ポイントを押さえて、安全にエジプトを楽しんでください!

※2017年11月24日にエジプトでテロが起きました。やはりシナイ半島です。

エジプト東部のシナイ半島で24日に起きたテロ事件で、エジプト当局は25日、死者が少なくとも305人、負傷者は120人以上に上ると発表した。

読売新聞より引用

[参考記事]
「エジプト人が紅茶やお茶に入れる砂糖の量は尋常じゃない」

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