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学歴より経験!ニュージーランドでの就職活動は厳しい

学歴より経験!ニュージーランドでの就職活動は厳しい

 

 海外での就職活動は、日本とは勝手が違い、戸惑うことも多いです。ここではニュージーランドで就職そして転職をした筆者が、実際の経験をもとにニュージーランドでの就職活動事情についてお話したいと思います。

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ニュージーランドの雇用形態

 ニュージーランドにはフルタイム、パートタイム、コントラクト、カジュアルといった雇用形態があります。法律的にはっきりと定義はされていませんが、フルタイムで大体週に35~40時間、パートタイムで10~20時間程度の労働時間です。

 コントラクトは日本でいう契約社員のようなもので、大体1ヶ月から3ヶ月、ものによっては半年など契約期間に沿って雇用されます。カジュアルは単発でのお仕事などの、期間の定めがなく、企業が必要な時にだけ呼ばれ働くといった雇用形態を差します。

 ニュージーランドで生計を立てていくとなると、フルタイムを目指す必要がありますが、異国で仕事を勝ち取るのは容易ではありません。

学歴より経験が大事!

 ニュージーランドでは、就職の際何よりも経験が重視されます。これまで何百件もの求人を見てきましたが、ほぼ全ての求人が、2~3年以上の職種に関連した就業経験を応募条件として挙げていました。ほとんどの企業は即戦力を求めており、学歴は重視されていないのです。そのため、未経験の職種に応募することは非常に難しくなっています。

 私は日本での職歴がありましたが、ニュージーランドでは異業種にキャリアチェンジしたいと考えていたため、まず知識をつけるために専門学校に通いました。先ほど述べたように、学歴は重視されないため、専門学校に通ったからといって、卒業後に就職先が見つかるとは限りません。

 そのため、多くの学生は学生時代のうちからインターンやボランティアなどを通じて実務経験を積む傾向にあります。無報酬だとしても経験として履歴書に書くことができるので、求人に応募しやすくなるのです。

 私はラッキーなことに専門学校に通い始めた当初からパートタイムの仕事を見つけることができ、そこで経験を積むことができました。ただしそこは日本人経営の会社で従業員はほぼ全員日本人だったため、せっかく海外で働くのだからいつかは現地企業に転職したいと考えていました。

自分なりの履歴書(CV)を作る

 ニュージーランドには、新卒採用や中途採用といった考え方はなく、年齢制限もありません。というより、年齢を聞くことは失礼にあたるので、まず履歴書に年齢を書く必要がありません。転職を考えている時点で30代に差しかかっていた私としては、ニュージーランドのこの仕組みは背中を押してくれるとてもありがたいものでした。

 就職活動をするにあたりまず用意しなければならないのが、履歴書です。ニュージーランドではCVまたはレジュメと呼ばれています。きちんとした企業の場合、カバーレター(送り状)も付けて提出することが望ましいです。

 日本では履歴書自体が売られているので、すでに印刷されている項目に従って内容を埋めていくだけですが、海外では履歴書は基本的にゼロから自分で作るものです。私はこちらの専門学校に通っていたため、インターネットなどで英文CVの書き方を学び作成したあと、学校の就職支援センターのスタッフに添削してもらっていました。

 日本の履歴書と特に異なる部分としては、学歴や職歴のほかに個人の性格や特徴などをアピールする点と、リファレンス(推薦者の連絡先)を書くことです。特にこのリファレンスは、ニュージーランドの就職活動では必須になります。

 応募先の企業は、その人がどのような人物であるのか、働きぶりはどうなのかをリファレンス先に連絡して、確認することができます。大抵前の(もしくは現在働いている)職場の上司などにお願いすることになりますが、円満退職でなければ頼みづらいし、日本人の私としてはこの仕組みはいまだに慣れません。

 ちなみに私の友人が勤めている会社では、履歴書だけ見ると素晴らしい人物が応募してきたそうですが、リファレンス先に問い合わせたところ、遅刻も多いし不満ばかりでろくな人物じゃないから雇わないほうがいいと決断したとか・・。雇用主は必ずしもリファレンス先に人物照会をするわけではないので、この応募者はきっと連絡することはないだろうと高をくくっていたのかもしれません。油断禁物です!

就職活動のながれ

 CVを作成した後は、自分の興味のある企業に送り返事を待ちます。日本の新卒採用のように、企業側が開く会社説明会なんてものはありません。返事を待つしかなく、また返事が全くない場合もあります。ニュージーランドの企業はご丁寧に断りの連絡をくれるとは限りません。そのため、返事がなかったらこちらから連絡をしてみるなど何らかのアクションを取っていくことが大事です。

 これはCVを送る時にも言えます。ニュージーランドでは直接働きたい会社へ行ってCVを手渡すという方法が普通に行われています。日本ではあまり考えられないと思いますが、特に求人募集していなくても行ってみてCVを置いてくる、なんてことは日常茶飯事です。

 書類選考に通過した後は、採用担当者から連絡が来てインタビュー(面接)があります。ここでも日本と異なるのは、給料交渉が含まれていることです。ニュージーランドの求人には給与がはっきりと設定されていないことが多く、面接を通して企業側に交渉します。ここでは下手にでず、きちんと意思表示をすることが大事です。

 面接を通過した後は、ジョブオファー(採用通知)を受け、就業開始となります。大きい企業は本採用前にドラッグテストやアルコールテスト(薬物やアルコール中毒でないかをチェックするテスト)を行っていることもあり、このへんは海外だなぁと感じます。

まとめ

 ニュージーランドは人口469万人程度の小さな国であるため、企業の数も圧倒的に少なく、ニュージーランド人でさえ仕事を得るのは簡単ではありません。その中で仕事を勝ち取るには、諦めない心と、やはり経験、そして何より度胸が必要だと思います。

[参考記事]
「移民はニュージーランドでどんな仕事をしているの?搾取される移民達」

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