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移民はニュージーランドでどんな仕事をしているの?搾取される移民達

移民はニュージーランドでどんな仕事をしているの?搾取される移民達

 

 筆者は、ニュージーランドで働いて約4年になります。最初は日本人経営の企業で働いていましたが、1年ほど前に転職し、地元の企業に勤めています。

 ニュージーランドは人口約470万人の小さな国であるため企業の数も少なく、仕事を求めてオーストラリアなど海外に出てしまう人も少なくありません。また、ニュージーランドは移民大国であることから、ニュージーランド人が移民に仕事を取られているという実情もあります。

 実際私の職場も、イギリス人のボスをはじめ、フランス人、ドイツ人、そして日本人の私と移民がたくさんいます。Kiwi(ニュージーランド人)のスタッフもいますが、多数を占めているわけではありません。

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どんな仕事があるのか?

 ニュージーランドには、ファーミング(農業・農場経営など)や建設関係、ホスピタリティ、ツーリズム系の仕事が全国に渡りたくさんあります。人口の何倍も羊がいると言われるように、農場があちこちにあり、羊だけでなく牛や馬を見かけることも多いです。

 ニュージーランドの人口の4分の1が集中しているといわれる大都市オークランドでさえ、30分も車を走らせれば牧草地に出会えます。こういったファーミングの仕事には地元のニュージーランド人が就いていることが多く、大抵が家族経営です。

 建設関係は、2011年のクライストチャーチ大地震の後に一気に増えた職種です。日本と比べものにならないほど復興のスピードが遅いニュージーランド。地震から6年以上経った今でさえ、まだその当時のままの建物や、工事中の建物だらけです。

 そのため特にクライストチャーチ近辺にはビルダーと呼ばれる工事現場で働く仕事がたくさんあります。また都市であるオークランド近郊でも、街の開発による工事が各所で行われています。

 ニュージーランドは昔から観光産業に注力しており、観光産業による収入が非常に大きい国です。レストランやカフェなどの飲食店、ホテルやB&B、ホステルなどの宿泊施設、旅行会社、土産物屋をはじめ、バンジージャンプや乗馬、バスツアーやスキー、ハイキングなど自然に関わるアクティビティ関連の仕事もたくさんあります。こういった仕事には移民が多く就く傾向にあります。

 また上記の職種以外にも、自動車整備士などの車関係の技術職や、プログラマやシステムエンジニアなどのIT関係の技術職も需要が高く、ニュージーランド人だけでは賄いきれないためにこういった分野では積極的に移民が求められています。

移民に仕事を取られるニュージーランド人達

 冒頭に、ニュージーランド人が移民に仕事を取られていると書きましたが、これは特に技術が必要とされる職種で起こりがちです。政府はすべての企業にたいしてニュージーランド人を優先的に雇用するよう呼びかけていますが、企業側としては技術のより高い移民がいるならばそちらを雇いたいのが本音。

 また観光業界においても、海外からの旅行者を相手にすることが多いことから、2ヶ国語以上話せると重宝されます。ほとんどのニュージーランド人は英語しか話せないため、ここでも雇われにくくなってしまうのです。

 一般に、ニュージーランド人より移民のほうが働き者ですが、移民の給与水準は低い傾向にあります。これは、移民は異国の地で暮らすために比較的どんなに低賃金の仕事でも甘んじて受け入れるといったダークな背景があるのですが、一方でビザの心配などしなくていいニュージーランド人は怠惰になる傾向があります。

 スーパーやコンビニのレジで店員と客がおしゃべりしたり、仕事中にも関わらず店員どうしが客を放置しておしゃべりをしたり(彼らに悪気はない)という状況が日常茶飯事のニュージーランド。

 こういったもともとのニュージーランド人の気質としてのんびりしたところがあるので、生きるために必死な移民との差が余計に目立ってしまい、結果として安い賃金でしっかり働く移民を企業は好むのです。

働き者なのに、なぜ移民の給料は低いのか?

 移民は給与水準が低いと書きましたが、幾つかの理由があります。

 一つ目は、給与水準がもともと低い業界で働く移民が多いから。この業界の例としては、介護職、接客業、工場勤務などが挙げられます。

 ではなぜ給与水準がもともと低い業界でわざわざ働くのか?というと、言葉の壁があるからです。移民と一口にいっても様々な国からの移民がいますが、特に給与水準が低いのはアジア系移民です。この理由として、アジア系移民は英語があまり得意でないために、複雑なやり取りが必要な仕事(一般的に高給な仕事)に就くことが難しいと考えられます。

 二つ目は、一般にアジア人経営の企業は給料が低い傾向にあること。元々移民でニュージーランドに来たアジア人が起業することは稀ではありません。こういったアジア人経営者はほとんどの場合アジア人を従業員として雇います。

 その理由として考えられるのは、永住したいアジア人を利用して安く雇用することができるから。どうしてもニュージーランドに暮らしたいという移民は、どんなに給料が安くても我慢して受け入れる傾向にあります。それに対してニュージーランド人は安い賃金の仕事にわざわざ応募しないので、必然的にアジア人を雇用することになるのです。

 実際に、アジア人経営のレストランやカフェなどではフルタイムワーカーでさえ最低賃金しかもらっていないケースがたくさんあります。

 一方で、同じレストランでもニュージーランド人経営のところでは給料が数ドル高いなんてことがざらにあります。私の友人は日本人経営のレストランから地元のレストランに転職したところ、1時間あたり5ドルもあがったそうです。私も同様に、地元の企業に転職してからあらゆる面で待遇が良くなりました。

まとめ

 ニュージーランドに限らず母国語ではない国で働き、生活を成り立たせていくのは決して簡単ではありません。しかし自分次第で、仕事の待遇は変えていけるものです。どこに暮らすも働くも選ぶのは結局自分自身なので、移民だからと言って搾取されないように気を付けたいものです。

[参考記事]
「ニュージーランド人はなんでいつも裸足なの?」

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