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国際結婚・海外移住した人の孤独 〜日本が居心地悪く思える時

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国際結婚・海外移住した人の孤独 〜日本が居心地悪く思える時

 

 海外移住が決まった当時。引っ越しするまで働いていた職場でのエピソードだ。私が退職する事を知り、職場でも私の引っ越し先について話題に上ることが多くなった。基本的にプライベートと仕事を切り離したい私は、自分からその話題に触れることはなかったが、珍しい国際結婚と海外移住について同僚は根掘り葉掘り聞いてきた。

 自分だけが話題の中心にならぬよう気を使いつつ聞かれた質問にのみ答えていたのだが、ある時皆が帰ったオフィスで上司に呼び止められた。彼はものすごく申し訳なさそうな顔をしながら「国際結婚や海外移住の話をすると、妬みや嫉妬で職場の空気が悪くなるといけないから…今後ご主人の話は控えてもらえないかな?こんな事を頼むのは間違っていると分かっているんだが…本当に申し訳ない。」と言ってきたのだ。

 私はとてもショックを受けた。これまで私は夫を「外国人」という目で見たことはない。ただ自分にぴったり合うと感じ、互いに惹かれあった相手が国籍の異なる人だっただけの話。結婚を機に他県へ移り住む人がいるように、海外移住も私にとっては自然の流れだった。そもそも聞かれたから答えたまで。職場で自分のプライベートを公にする必要もないので、話さないこと自体は何の苦にもならない。

 誰もが気兼ねなく話題に挙げる自分の家族やパートナーの話を、ただ相手が「外国人」と言う理由だけで封じられた事に違和感を覚えた。もちろんこれは、女性社員が多い職場ゆえに経験した極端な例かもしれない。

 だが、国際結婚や海外生活をすると、日本の社会や友人と距離を感じる事がある。海外移住者にしか分からない妙な孤独感…今日はその幾つかをまとめてみよう。

■「国際結婚?!凄〜い !!」と言われる時に感じる居心地の悪さ

 久しぶりに再会した友人と近況を報告し合う時など、私が国際結婚をし現在海外に住んでいると分かると皆決まっていうおきまりのセリフ。

「凄〜い‼︎」「素敵〜‼︎」もしくは「大変だね〜。」

 国際結婚と言われても、中々共通の話題とはならない為単なる社交辞令で言っていると分かってはいるのだが…皆から何の根拠もなく「凄い凄い」と言われると、何だか居心地が悪くなる。自慢していると誤解されたくないという思いになり、自分からその話題に触れることを避けるようになってしまう。

 逆に「大変だね〜」と同情されても、特に困ってはいないので、「ハハハ、ほんと大変だよ〜」と引きつった笑顔で空笑いする事になるのだ。

■海外かぶれと思われないように…

 誰でも話題にするのは自分の行動圏内で起こっている身近な話だ。一時帰国で日本の友人に会うと、自然と「海外での生活はどうか」という話になるのだが、ここでも妙に気を使う。海外在住者にとっての行動圏は外国。それが普通の身近な話。

 だが「海外ではこうだから」や「これだから日本は…」という話し方をすると日本を見下していると思われ相手を不愉快にさせてしまう。同じ海外在住者同士の間では「あるあるネタ」として笑いあえる話であっても、日本で生活する人には話さないのが無難だ。海外かぶれだと思われぬよう海外生活の話は極力控えよう…と思うと、自然と話す事がなくなってしまう。

■もはや日本の話題を楽しめなくなっている自分に気付く

 海外生活をすると、常に新しい発見があり視野や世界観が大きく広がる。その為配偶者への愚痴や子供の幼稚園の話、近所の奥様の噂話など…小さなコミュニティの中だけで繰り広げられる会話はつまらなく感じてしまう。

 海外では友人と、一つのテーマについて冗談交じりのディベートや批評を行う機会が多い。その中で相手の考え方や価値観を知り、関係を深めていくのだ。しかし日本人は本質を突く話題を避けたがり、当たり障りのない話題を好む人が多い。人間関係のいざこざや表面的で本質に触れない話題は退屈だと感じ、もはや日本人との会話を楽しめなくなっている自分に気付くのだ。

 もちろん、私も日本人。外国にも悪い所はたくさんある。一面だけを見て良い悪いを論じるつもりは到底ない。日本は他国にはない2677年続いている長い歴史がある。一つの民族がここまで続いているのは日本人のみ。外国ではここまで長い歴史がないから話をして分かり合うしかないのだ。つまり異民族同士の社会だから会話をして理解するしかないのだ。私が住んでいるヨーロッパは今や多民族で溢れている。移民だからだ。日本人は一つの民族ゆえにお互いの空気を読むという文化を培ってきた。だから、外国と比べて話で分かり合うのが苦手なのだ。これはこれで良し。

■まとめ

 海外生活が長くなるほど、空気を読んだり本音と建前を使い分けたりする必要のない海外生活の方が何かと楽に感じるようになり、日本の友人とは疎遠になってゆく。こうした全てを理解してくれる僅かな友達だけが残るのだ。

 だが何十年住もうとも、外国人という立場で生活する海外は自分の母国ではない。しかし帰国しても、何か物足りない…満たされない気持ちになり、もはや日本も自分の落ち着ける場所ではなくなってしまった事に気付く。これは海外在住者にしか分からない孤独なのかもしれない。

[参考記事]
「国際結婚の良いところ、悪いところ」

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Comments / Trackbacks

  • Comments ( 3 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. 共感しました。
    私は国際結婚でもなく、単に希望して家族で海外駐在していただけの中年男性ですが、
    同じような経験をしています。
    自分にとって極めて普通の事が、殊更凄いと持ちあげられるのは、違和感がありますし、
    私の駐在した国の皆さんの、主張をし合うけれども、意見が違っても仲良しにもなるという、
    大人の関係性を経験すると、
    言い方は悪いのですが、日本のべたつき感と、その間逆の上っ面な世間話しが、
    とても居心地の悪い環境に思えています。
    そういう意味で、こちらのサイトで様々な海外の事や、現地に行かれた方のお話を知る事ができるのは有益だと感じます。

    • ありがとうございます。
      これからも、たくさんの記事を掲載しますので、よろしくお願いします。

      • お返事ありがとうございます。
        私もご縁があって書かせて頂いております。
        宜しくお願い致します。

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