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ドイツの役所の適当さ。たらい回しにされ、ビザの取得が遅れる

ドイツの役所の適当さ。たらい回しにされ、ビザの取得が遅れる

 海外に憧れを持つ方の中にはワーキングホリデーをされてみたい、とお考えの方も多いかと思います。

 ワーキングホリデービザといえば、取得が容易でありながら、国外に一年間滞在することができ、その間であれば勉強も仕事も自由にできる、まさに夢のようなビザです。

 さらに一部の国のワーキングホリデービザにおいては現地での申請も可能なため、ビザ無しで渡航した後、滞在が許される期間の間に現地でビザ申請する、なんていうことも可能です。語学が得意な方であれば、日本国内ではなく現地でビザ申請するのも一つの経験になりますね。

 しかし国外でビザ申請する際には、日本で想定していなかったことが起きることもしばしばです。

 筆者はドイツでワーキングホリデービザを取得しましたが、その際にも想定外の事態の連続でした。今回はそんな筆者の経験から、ドイツでのビザ取得をお考えの際に気を付けたいことをお伝えしたいと思います。

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二週に一度しか開かない“外国人局”で追い返される

 日本国内でドイツのワーキングホリデービザを取得するのであれば、まず日本国内のドイツ大使館に赴くことになるかと思います。

 一方、ドイツ国内でワーキングホリデービザを取得する際には、滞在先等市町村の“外国人局”というところに行かなければなりません。

 こちらの“外国人局”、ワーキングホリデービザの申請だけではなく、ドイツに滞在を希望する外国人がビザの申請に訪れる場所なので、ベルリン等の大都市部では難民も押し寄せ非常に混雑するとのこと。そのため同局を訪れる際には通常予約していかなければならないようです。

 しかし、私が滞在していたのはドイツとオランダの国境沿いの小さな町。そんなところを訪れる物好きな外国人は少ないので、特に予約は必要ないと判断し、町のお役所をまずは直接訪れてみることにしました。

 すると伝えられたのは、その町の“外国人局”は第2・第4火曜日の8時から14時の間にしかオープンしないとのこと。“外国人局”というのはどこの市町村にも存在すると聞いていたのですが、小さな町や村の場合、常時開設でないこともあるみたいです。仕方ないので申請書のみその場でもらい、日を改めて訪れることにしました。

 “外国人局”オープンの日当日は、記入しておいた申請書にパスポート、ビザ用写真、医療保険支払い証明書、そして銀行の残高証明書と申請に必要な書類一式を持参し、少し緊張してお役所内の“外国人局”まで赴きました。

 局前まで行ってみると、並んでいたのはわずか一人。この分ならすぐに終わりそうなので「さっさと済ませて早く帰ろう」なんて考えていました。

 15分ほど待ち、いざ中まで入ると待ち受けていたのは少し強面のドイツ人のおじさん。ビザの申請を一人でこなせる自信はなかったので、同行を頼んだドイツ人の友人に説明を頼みました。

 すると「ここでは受け付けられない。隣町の役所の外国人局を訪れてくれ」とばっさり。1分も経たずに追い返されることになりました。

やる気がないドイツ人のせいでたらい回しに

 その後帰宅し、友人にお役所のホームページを参照してもらうと、やはり先ほど訪れた“外国人局”でワーキングホリデービザの申請は可能であった旨が。友人に頼み、すぐに先ほどのお役所まで電話で確認してもらうと、やはりそこでも先ほどの“外国人局”で手続きは可能だったとのことを伝えられました。

 何がどうなっているかわからず困惑する私に友人は「ドイツの役所はやる気がないからね。担当者がダメといったらダメなんだよ」と諦め顔。

 結局その後は申請を受け付けてくれなかった“外国人局”を擁するお役所ではなく、申請書提出とビザ取得のためそれぞれ別の役所に二度も足を運ばされることになりました。

 しかも申請書提出の際に至ってはひどいものでした。その際向かったのは、先日訪れたお役所よりもさらに小さな町役場。着いてみると出迎えたのは真っ赤なスーツに身を包んだ派手めな女性。ワーキングホリデービザ申請の書類を持参した旨を伝えると、ここでも書類は受け付けていないとまずは一蹴。

 しかしこの時には先日付き添ってもらったドイツ人の友人のお母さんに同行をお願いしていたのが功を奏しました。

 こちらのお母さん、実はドイツ人とスペイン人のハーフ。血の気の多いスペイン人の気質たっぷりに「ここで申請書を受け付けてもらえるっていうから来たのよ!ここで断られたらどこに行けばいいの!」とマジギレ。

 渋る町役場の女性スタッフに、より大きな隣町のお役所へ無理やり電話させ、最終的にそちらでビザの発行ができることを確認したうえで半ば無理やり申請書を押し付けてきました。

思い返せば日本大使館から忠告を受けていた

 その後ビザが発行されたのは、結局最初にお役所を訪れてから約2か月後。それまでにドイツ到着から既に一か月ほどが経過していたので、ビザ無し滞在が許されるギリギリでの発行となってしまいました。

 お世話になった友人達からは「なんで日本でビザ申請しなかったの?」と何度もつっこまれましたが、それにはワケがあったんです。

 ワーキングホリデービザによってドイツに滞在できる期間はわずか一年。したがって、日本国内でビザを申請してしまうと、ドイツ国内に入国した時点からビザが有効になるため、一年間しか滞在できません。

 しかし日本国内で様々なインターネット上の情報を見た限り、ワーキングホリデービザを現地申請する場合、現地で発行された日よりビザが有効になるため、ビザなし滞在の3か月を含め、最大1年3か月の滞在が可能になる、とのことでした。

 ところが実際にビザを取得し確認してみると、その期限は私がドイツに入国した日から数えてちょうど1年。愕然としつつお役所のおじさんに理由を聞いたところ、「ワーキングホリデー目的での滞在は最大で1年。ビザ無し滞在期間含めて1年3か月になるなんてことはない」と突っぱねられました。

 さらにその数か月前のこと。既にドイツ国内でビザ取得を決め込んでいた私ですが、念のため現地での申請方法を確認しておこうと、ドイツ国内の日本大使館に電話で問い合わせていたんです。するとこんなことを言われました。

「ドイツ国内でワーキングホリデービザの取得をするのはやめて下さい。ワーキングホリデービザは日本国内で取得できるので、そちらの方が安全です。現地で申請したからといって、滞在期間が1年3か月になる保証はありませんし、ワーキングホリデービザの取得を目指した日本人の中には失敗して国内に戻らざるを得なくなった事例もあるんです」

 この時日本大使館のスタッフは、ドイツ国内でワーキングホリデービザを取得する場合、滞在期間が1年3か月になる“保証はない”とは言っていたものの、不可能だとも言っていません。謎は深まるばかりです。

 一つ言えるのは、国外で何らかの手続きをする場合、日本国内で得られる情報はたいしてあてにならないということです。

 また特にドイツの場合、お役所から電車のインフォメーションセンターまで、スタッフ皆全く適当なことを言い、全くあてになりません。しかし、ビザ取得の命運もそんな適当な人たちの手中にあるわけです。

 とにかく国外でのことに関しては、現地ではどんな想定外の事態に直面するかわかりませんし、インターネット上の情報を過信するのは危険です。これから国外に出ることを考えられている方は、できる限りのことは日本国内で済ませておきましょう。

[参考記事]
「いいかげんすぎるドイツ電車事情。予告なしに電車が運行中止も」

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