Read Article

広告

いいかげんすぎるドイツ電車事情。予告なしに電車が運行中止も

いいかげんすぎるドイツ電車事情。予告なしに電車が運行中止も

 

 ドイツ人と日本人が似ている、という話を耳にしたことがある方は多いかと思います。どちらも勤勉で仕事に対して真面目、時間を厳守する…なんていうのはよく言われる話ではないでしょうか。

 しかし、実際にドイツに行ってみると、最初の数日間でそんなイメージはすっかり吹き飛んでしまいました。それも全ては“電車”のせいなんです。

広告

目の前で去っていった1時間に1本の接続電車

 当時私がいたのはドイツとオランダの国境沿いの田舎町で、周囲を牧場に囲まれたような何もないところでした。しかし、そこから語学学校のある町に通うため、一時間に一本の電車に乗らなければいけませんでした。

 初日は特に何事もなく無事に電車に乗ることができたのですが、2日目はなんだか様相が違いました。

 町まで出るためには最寄りの駅から電車に乗って隣の駅まで行き、そこから一時間に一本の電車に乗らなければならないのですが、最寄りの駅まで行ってみるとどうやら電車が遅延しているようなんです。

 隣の駅で接続電車が発車するまでには通常10分ほどしかなく、私はやきもきとしながら電車の到着を待っていました。

 するとちょうど10分ほど遅れて電車が到着し、「これならなんとか接続電車に間に合うな」と私はほっと胸をなでおろしました。

 ところがほっとしたのもつかの間、電車が隣の駅に差し掛かると、隣のホームから一本の電車が去っていくのが見えました。「まさか今去っていった電車が接続電車じゃないよな…」なんて思いながら、電車が停車するやいなやすかさず飛び降り、たった今去っていった電車を走って見に行きました。

 すると去っていく電車の電光掲示には「Münster」の文字。私の目的地の名前がありました。一時間に一本しかない接続電車となったら日本の電車であれば確実に待ってくれますが、ドイツではそうもいかないようです。

電車も夏休み中だった?

 その後も電車の運行状況はひどいものでした。

 結局たった一か月の間で、最寄りの駅に来る電車の遅延のため、2回ほど目の前で接続電車を逃し、さらに2回はそもそも最寄りの駅に来るはずの電車が予告なしに運行を中止し、計4回ほど1時間待ちぼうけを食らう羽目になりました。

 しかし、このことを憤慨しながらステイ先のホストファミリーに伝えると、意外な答えが返ってきたんです。

「まあ、今は夏休み中だからね」

 私が語学学校に通い始めたのは8月で、ちょうどドイツの学校は夏休みの期間にあたります。そしてドイツの学校が夏休みを終えた9月以降、確かに電車が大幅に遅延することや、そもそも来ないなんていうことは、よほど荒れた天気の日以外なくなりました。

 ホストファミリーの予想では、夏休み期間中は電車の利用者数が大幅に減るため、通常時よりも若干(?)いいかげんな運行になるのでは、とのことでした。

いいかげんすぎるせい?ドイツ人は電車に頼らない

 しかしこんなに電車の運行がいいかげんすぎると、電車で仕事に行かなければいけないドイツ人のビジネスマンは大丈夫だろうか、と少々心配になってしまいます。

 けれどもベルリン等をはじめとする大都市以外、基本的にドイツ人はちょっとした移動の際には車を使用する方が一般的なようです。

 電車は夏休み中でなくとも正確ではない上、運賃が日本よりもはるかに高くなっています。「バーンカード」というものを買うと、その有効期間内はドイツ国内すべての電車の切符が25%~100%オフになるのですが、100%オフになる「バーンカード」は一か月有効のもので388€(約51500円)と高額。旅行者ならともかく、近隣を行き来するだけではとても元が取れませんし、ドイツで電車に乗るのはいずれにせよ高くついてしまうんです。

 したがってドイツ人が都市部以外で電車に乗るときというのは、かなりの遠方へ出かけるときくらいなようで、そんな際に電車が遅延して接続電車でも逃そうものなら「Scheiße!(畜生!)」だなんて文句を言っています。ドイツ人でもやはり電車の運行のいいかげんさには我慢がならないようです。

 皆さんもドイツをご旅行される際には、電車の運行がいいかげんであってもなんとかなるよう、時間に余裕をもって行動することを心がけてくださいね。

[参考記事]
「ドイツの高速道路「アウトバーン」に速度制限がないのはヒトラーが原因?」

URL :
TRACKBACK URL :

Leave a comment

*
*
* (公開されません)

Return Top