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フランスで保険がない状態で妊娠したら、いくらかかるのか

フランスで保険がない状態で妊娠したら、いくらかかるのか

 

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海外留学向けの保険は妊娠の補償されないことが多い

 海外での留学やワーキングホリデーを希望する人は、海外対応向けの保険への加入をすることがビザ申請の際に大体は必要となってくるので、ほとんどの方が加入してから出発されると思います。

 プランによっては様々なトラブルに対応してくれる保険もあります。ただ、妊娠に関しては、どこの保険会社も補償対象外としているところが多いのが現状です。

そもそも、この状況になった経緯

 長い間お付き合いしている日本人の彼がフランスで働いていて、結婚前に私もフランスでの生活を経験しておきたかったのでワーホリビザで渡仏しました。計画としては1年間フランスの生活をし、それから二人で日本に一時帰国したときに結婚をして、家族呼び寄せビザを取得してから再渡仏するという計画でした。ということで、私のフランスでの保険は海外留学者向けの保証のみでした。もちろん妊娠に対応はしていません。

 フランスでの生活が半年を過ぎたとき、妊娠が発覚!!正直、結婚する予定だったし、お互いに子供も欲しかったけど、それは、まだまだ先の話。と思っていたので、最初に思ったのが、「どうしよ~!妊娠対応の保険入ってないけど、病院に通院するのっていくらかかるの~!?」初めての妊娠で、とにかく不安でした。

様々な方法を考えた結果

 すでに悪阻(つわり)で体がきつかったこともあり、日本に長時間のフライトに耐えながら帰るということがその時の判断では厳しかったので、安定期がくるまでは、フランスで通院しようということになりました。

フランスの妊婦検診について

 私達が住んでいる町はパリのような大都市ではなく、田舎町です。日本語が話せるお医者さんや、日本人慣れしているお医者さんなんていません。そこで、いつもお世話になっている方に産婦人科医を紹介してもらって、そこに通うことにしました。

 基本的にフランスは完全分業制。出産までの妊婦検診は個人クリニックみたいなところで受けて、出産のときのみ大きな設備の整った総合病院で、血液検査はラボで行ないます。私が通っていたクリニックはエコー機材もあるところでしたが、中にはエコー機材がないところもあります。その場合、エコー検査のみまた別の場所で受けなければならないので面倒です。

一回目の検診

 妊娠検査薬で妊娠がわかってから3週間後に行きました。予約の電話をしたときに、「あまり早く来ても分からないから」と言われ、3週間も待つ羽目に。

 待合室で待っていると呼ばれて、ドクターの部屋へ。部屋にはものすごく感じのいいドクターのみ。看護師さんなんていません。軽く問診をし、「じゃあ、赤ちゃんがいるかどうか見てみようか」とのことで、仕切りの奥にあったエコー検査台に案内され、下を全部脱いで、検査台に乗ってね、と言われました。日本の婦人科みたいにカーテンなんてありません。下半身を隠すタオルもありません(笑)まあ、この期に及んで恥ずかしさなんて全くなかったので問題はなかったです。

 経腟エコーをし、ドクターがモニターを指さして「ほら、ここに赤ちゃんがいるよ!」と。それまで抱いていた不安が一気に消えるほど愛おしく嬉しい気持ちになりました。心拍も確認できて、エコーは終了。あとは、体重と血圧を測って、もう一度ドクターのデスクの前へ。もう一度、問診。悪阻がきつくてあまり食べられていないのと、貧血気味だということを伝えると、悪阻が楽になる薬と、妊婦に必要なビタミン、鉄分、葉酸など諸々含まれた薬の処方箋を書いてくれました。

 あとは、次の検診までにラボ(様々な検査をするところ)へ行って血液検査をしてきてねと、必要書類を渡され、支払いはドクターに直接しました。なんと、カード支払いOK!保険証ある?と聞かれたので、ないと答え、「払い戻し証明書下さい」と伝え、ドクターが書類を作成してくれてその日は終了。料金は120ユーロでした(2017年現在で1万6000円ほど)。払い戻し証明書を貰っておくとビザを取得した時に返金されると聞いていたので、一応貰っておきました。

 4週間後にニ回目の検診がありますが、その前にラボでの血液検査があります。

ラボでの血液検査

 ドクターからもらった血液検査の書類を持って、近くのラボへ。この日は、トキソプラズマ、風疹、梅毒、エイズ、Ⅽ型肝炎、B型肝炎の血液検査と、尿検査をしました。

 本当は血液型検査もしないといけなかったのですが、ラボの人から、「血液型は出産のときに必要なだけだから、今はしなくても大丈夫だよ。保険がないうちはお金もかかるから、保険きくようになってからしたらいいよ。」と、なんとも優しいアドバイスをいただいたので、しませんでした。

 ここでも払い戻し証明書をもらいました。ラボの料金は79,92ユーロ(2017年現在約1万1000円)。ラボもカード払いOK!

(止血綿。日本と比べて大雑把ですよね。笑)

<薬局>

 ドクターから出してもらった処方箋を持って薬局へ。ここでも払い戻し証明書をもらいます。薬代は33,35ユーロ(2017年現在約3500円)。薬局もカード払いOK!

(ビタミン類、鉄分、葉酸などが入った錠剤、三か月分。)

(悪阻を軽減してくれる錠剤らしいです。効いたのか効かなかったのか微妙なところでした。気持ち悪い時に飲んでね。と言われました。)

二回目の検診

 この日はラボで行なった血液検査と尿検査の検査結果を持って行かなければなりませんでした。検査結果は特に問題なかったのですが、私はトキソプラズマの抗体を持っていなかったので、日常生活での注意事項が書いてある書類を渡されたのと、毎月血液検査を受けるようにと言われました。(日本はトキソプラズマに関しては抗体をもっていなくても毎月血液検査はしなくていいみたいです。)

 次に、エコー検査です。この日のエコーでは21トリソミー(ダウン症)の疑いがあるかどうかの首の後ろの浮腫の確認など、割と念入りにエコーしてくれました。フランスでは、ダウン症の検査が妊婦検診に含まれているみたいです(日本は希望者だけですよね)。あとは、体重と血圧を測って、ラボでのダウン症とトキソプラズマ、尿検査の検査を依頼する書類をもらって終了。この日の料金は180ユーロ(2017年現在約2万5000円)。

ラボ

 ドクターからもらった書類を見せて、ダウン症とトキソプラズマ検査を実施。支払いは26,06ユーロ(2017年現在約3500円)。

三回目の検診

 この日はフランスで受ける最後の検診でした。トキソプラズマと尿検査の結果のみ持ってドクターのところへ。ダウン症の検査結果のみラボから直接ドクターのところへいくことになっているみたいです。

 まずはダウン症の検査結果から、口頭と書類で説明されました。問題なさそうなので、確定検査をする必要はないそうとのことでした。ここで、少しでも疑いのある人や、心配だからもう少し念入りに検査したいという人は任意検査をすることができます。

 経腟エコーに加え、経腹エコーもしました。この日は妊娠4か月後半でした。ドクターから性別は気になる?と聞かれたので、仕事が休みで検診についてきてくれていた彼が「気になります。」と答えると、エコーで頑張ってみてくれて「たぶん女の子かな~。」と言われました。この日が最後の検診ということで、日本に帰るために飛行機に長時間乗るのは問題ないかとかを聞き、ドクターに今までのお礼を言い終了しました。料金は75ユーロ(2017年現在約1万円)。

 そんな感じで、私のフランスでの妊婦検診は終了しました。3回の検診とラボ、薬代で約7万円かかりました。

 今現在は日本に住んでいますが、まだ妊娠中です。

・最後に

 最初はお金のことや体のこと、医療機関での言葉の問題とか不安だらけでしたが、今となってみては、妊婦検診を担当してくだったドクターもラボの方々も、言葉のわからない私にものすごく優しく接してくれ、乗り越えられた気がします。

 お金に関しても、無保険の割にはそこまで高額じゃない?ので、何とか通うことが出来ました。(まあ、かなりの出費になったことは間違いないですが。)。

 あとは、フランスに帰った際に払い戻しができるかどうかが気になるところではありますが、出来たらラッキーくらいの気持ちで今はいます。フランスの場合、無理でしょ!と思っていたことが意外とできたり、または、出来ると思っていたことが出来なかったりと、割と振り回されるとよく聞くので、根気強くお役所とは付き合っていこうと思います。

 今回の私の例は1ケースに過ぎないです。フランス人のパートナーがいる方だと、また別の方法があると思いますし、日本人同士のカップルでも、状況さえ整っていれば、私のような無保険での状況にはならないだろうし、、、。フランスの場合、いろんな手続きやルールが頻繁に変わったりするので、各個人の状況に応じて、その都度、お役所に確認することが大事だと思います。

[参考記事]
「カナダの医療にはどんな問題があるのか。手術は2年待ちも」

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Comments / Trackbacks

  • Comments ( 2 )
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  1. 今の私と全く同じ状況で、まさに求めていた記事でした。
    出産までしたら幾らかは気になるところですが。。ありがとうございました。

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