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ヨーロッパの生活習慣から学ぶ節約術

ヨーロッパの生活習慣から学ぶ節約術

 

 現在EU圏内で生活しているが、日本を出てからお金を使う機会がグンと減ったように感じる。私の周りにはフランスをはじめ、ベルギー、ドイツ、オランダなど…ヨーロッパ各地から集まった友人がいるが、彼らに共通して言えるのはお金を使わず生活を楽しむ方法を知っているという事だ。

 日本人からするとワインを片手に優雅な生活を送っているように感じるフランス人も、実際は良い意味でケチとも言える。今日は彼らの生活習慣から見えてくる節約術をご紹介しよう。

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節約術①古い物を大切にする習慣

 日本にいた頃私もそうであったが、日本人は物が壊れるとすぐに新しいものへ買い換える。一方ヨーロッパでは、まず自分で直すことから考える。電化製品や家具などの修理はお手の物。

 また、簡単な家の修繕やリフォームも、チャチャッと自分で済ませてしまう人が多い。自分の力でどうにもならない時は友人に声をかけてみる。ペンキ塗りやタイル貼りなど大掛かりな作業を行う時は、ホームパーティ感覚で友人を家に招き互いに助け合う。仲の良い友達とお喋りしながら、ワインやビールを片手に共に作業する時間はとても楽しい。

 さらにもう使わなくなった物があればすぐに捨てるのではなく、必要な人に譲るというのも良い習慣だ。私自身知人から自転車やベビー用品などを譲り受け、どれほど助かったことか。考えてみれば、ヨーロッパの素敵な街並みやアンティークは、高いお金を出して作り上げたものではない。長い長い年月の中で、前の世代から受け継いだものを修理し大切に使い続けてきた歴史の宝なのだ。

節約術②休日の過ごし方

 テーマパーク、カラオケ、ゲームセンター、ショッピングに外食…こうして挙げてみると、日本の娯楽はお金を使うものばかりだと思えてくる。それはそれで経済的にいいことです。ヨーロッパでは24時間営業しているお店はなく、日曜日にはほぼ全てのお店がシャッターを下ろしてしまう。そもそもお金を使おうにも、使う場所自体がないのだ。

 その為、人々はお金をかけずに楽しむ方法を知っている。サンドイッチを持ち子供達とピクニックへ出かける。スポーツで汗を流しリフレッシュする。自宅に友人を招きホームパーティやBBQ。のんびり映画鑑賞をしたり読書をしたり…。少し手の込んだデザートをみんなで作ってみるのもよい。

 先ほど挙げた日本の娯楽は、コミュニケーションを楽しむよりも、会話だけではもたない時間を埋める為にお金を使っているようにも思える。こういう楽しみ方もありかと思います。

 ヨーロッパではコミュニケーションそのものを楽しむので、何時間でも友人と喋り続ける。些細な出来事や、最近読んで面白かった本の話、ニュースの話題や次のバカンスの予定など…。毎週ホームパーティを開き、同じ友人とどれだけ長い時間一緒にいても、話が尽きる事も退屈する事もないのだ。

節約術③個性を活かしたファッション・自分に似合うものを知る。

 日本の若者は流行に敏感でとてもお洒落だ。常に最新のファッションを取り入れ、流行のブランドを手に入れようとする。しかしその結果、街を見渡せば皆同じようなファッションに身を包み、ショーウィンドウのマネキンや雑誌の表紙モデルがウヨウヨしている…という有様だ。

 一方ヨーロッパの若者は、自分らしさと個性を活かしたファッション好む。常に時代の流れに追いつこうとするのではなく、自分の身の丈に合った自分に似合うものは何かと考える。日本では10代の若者が高価なブランドバッグや財布を持ち歩く姿をよく目にするが、これはヨーロッパでは見られない光景だ。

 明らかに貧乏学生である自分が財布だけ高価なブランド品を持つなど、不釣り合いで滑稽だと感じるからだ。ジャケットやストールなど、上手に着回せるアイテムにこだわり時代に左右されないシンプルで大人っぽいデザインを好む傾向が強いように思う。

節約術④交際費

 お歳暮、お年玉、結婚祝いに出産祝い…。旅行へ出かけたら、それほど親しくもない職場の同僚へお土産を買って帰るという習慣。また贈り物を貰えば生まれる「お返しをせねば…」という義務感。そう、日本の贈り物の習慣や人付き合いには暗黙のルールが多く、交際費は家計を圧迫する大きな出費の一つだ。

 それ程親しくもない知人に始まり、あまりにも沢山の友人が立て続けに結婚し出産する時など、相手の幸せを喜ぶ一方で「せめて今月はやめてくれ…」という気持ちになったりする。また今回の旅行は周りに内緒にしておこう…と何故かコソコソ隠れるように行動し、楽しかった話も出来ずに終わるのだ。

 海外生活をすると、これらのプレッシャーから解放される。プレゼントは義務やルールで縛られるものではなくあくまでも気持ち。送る側も貰う側も金額やお返しのことなど考えたりしない。心からの贈り物ならいくらお金を使っても「余分な出費」という不快な気持ちではなく、相手の喜ぶ顔と満たされた気持ちだけがこちらにも残る。本当の自分の気持ちに正直になり、大切な友人に心からの想いを伝えることができるようになれば、人付き合いもシンプルになり余分な出費はなくなるだろう。

 もちろん、お歳暮などの日本の風習は悪いものではなく、日本人の気質にあった行為といえるでしょう。全てを欧米に合わせる必要は全くないということは付け加えておきます。

■まとめ

 非正規社員の増加や消費税の引き上げ、目まぐるしいスピードで変化する世界情勢…将来のことを考えると、少しでも蓄えを…と節約生活に励む人は多いだろう。しかし決して「節約=我慢」ではない。日本独特の習慣を少し見直せば楽しみながら節約でき、今よりもっとお洒落で豊かで充実した生活を送れるかもしれない。

[参考記事]
「ヨーロッパのスーパーから見えてくる日本との生活習慣の違い」

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